Friday, September 8, 2017

ビレイヤークライマー組み合わせ事情

さて、続きを書きます…

クライマーはもちろん、パートナーがいないとクライミングできないわけですが…

前項の、体重差の話、から、ある程度

 自分がビレイできる相手

が決まってきます。体重差があるとビレイが大変という事情から、色々な事情が導き出せます。

■ ビレイしてあげるのが難しいパートナー

体重の軽い私にとって、難しいパートナーは、

・体重が重く、
・予告なしにふい落ちする

パートナーです。落ちそうな人を止めるのは簡単ですが、落ちそうにないのに落ちる人は、瞬発力勝負です。熟達したビレイヤーが必要です。

ふい落ちする人=初心者。なので、体重が重い初心者クライマーというのは、体重が軽いビレイヤーにとっては、難しい相手。

クライマー側から見ても、体重が軽いビレイヤーは魅力的ではないと思います。

トップロープなら衝撃荷重が加わらないのでいいけど、リードは特に… わたしだったら、より体重が重い人にビレイを変わってもらいます。

■ 安心ビレイヤー

逆に、体重が軽い私がビレイしてもらう対象としては、トップロープだったら、重い人だとかなり安心。私くらいの体重で、ビレイヤーが前に引かれてコケる、ってあまりないだろうし…。普通の男性なら、握力で、ギュッとするだけでローワーダウンくらいラクラクなハズ…。

リードだと、だらりんビレイ、だったら、多少嫌ですが、それでも、前に引かれてロープの長さが出る、ということは、重い人の場合考えにくい。

しかし、これも比較の問題なので、私より軽い男性なんて、なかなかいないので、自分より重い人なら、大体だれでもオッケーで間口が広いクライマーですよ、私は(笑)。

人工壁で1ピン目からロープが90度近くに屈曲していても、私は軽いから大丈夫だろうと思います。パツパツビレイの方が落ちたときフラれて激突かもしれませんし。

そう言う訳で、自分の体重が軽いので私は、あまり相手のビレイスキルには、目くじら立てていません(笑)。私自身のカラダが小さいので、重い人のビレイなら、多少いい加減でもなんとかなるだろうと。

ただ重い人は一般的傾向として、ビレイが雑だと思うので、一応チェックしています。小さい人の方が一般的傾向としてビレイが上手です。よりシビアだからですね。

もちろん、ビレイヤーとして信頼できる相手は特別です。信頼してくれた人を信頼します。私のビレイで落ちた先輩のビレイは、最も信頼しています。でも、体重の軽い私のビレイで落ちれるかどうか、ってのもありますから、ケースバイケースです。体重差あるって分かっているのにバンバン落ちる人は、ちょっと…。先輩のビレイで、一度、手繰り墜ちしたのですが、止めてもらいました☆ やはりしっかりしたビレイヤーが必要です。手繰り落ちは私も止めていますが、だいぶ瞬発力要ります。

自分のギリギリ課題は、ビレイヤーがいいときしかリードしません。今だと、5.10bは信頼できる人のビレイでしか登らないですが、後輩のビレイでも、5.10aなら登ります。

■ ビレイをお断りする例

例えば、私の師匠は体が大きいクライマーで、結構重いです。

私と彼だと、仮に登攀力がイコールだとすると、私がリードした方が双方にとって、技術的にカンタン=安全、ということになります。

実際は、師匠のほうが登攀力があるので、いつもリードは彼ですが、私があまりに体重が軽く、重いクライマーにとっては最適なビレイヤーでないので、思い切った課題、彼にとってはギリギリの課題には、私のビレイだとチャレンジできないと思うので、悪いな~といつも思っています。

それで、私より重めの男性クライマーを時々師匠には紹介しています(笑)。どう、師匠思いの弟子でしょ。

実際はロープは摩擦などがあるので、私のビレイでも、適切にビレイしていれば、上のクライマーがグランドすると言うことはまずないです。実際重い人を何度か止めています。

でも、核心部が1ピン目すぐ、なんて課題に、私のビレイで重い人ですぐ落ちそうな人、安定していない人が登るとか言ったら、ビレイ断ります。実際、断りました。男性に代わってもらいました。

逆の立場でみれば、1ピン目でも落ちるかもしれないようなシビアな課題に登りたいクライマーにとっては、私は良いビレイヤーとは言えないです。

■ 下からの指導

逆に私がリードするときは、師匠は超安心人材で、私はまだ経験が浅いクライマーなので、リードする際、下から時々、指導をもらったりします。

例えば、ガマスラはオンサイトしたのですが、ピンの位置が悪くて、2ピン目を掛けたら、1ピン目を外すのです… そういうの、下から見ていると分かりやすいですが、自分がギリギリだとあまり意識できないです。

あと、スラブだとロープの繰り出しが遅いと最悪です…でも、師匠は上手なビレイヤーなので、私が歩く速度で登っても、ちゃんと出してくれます。下のビレイヤーがまだ慣れていない人だったりすると、ロープの径と確保器がマッチしていなかったり、キンクしたりして、繰り出しが遅いと不必要にスラブ内に滞在しないといけなくなり、消耗します…

こういうのってホント登って分かる、ああ、大変…って路線です。セレクションのダイヤモンドスラブ(カンタン)で、つよつよクライマーが落ちたりしていますが、きっとビレイが間に合わなかったんだろうと(笑)

ピンの位置だけでなく、アイスだと、そろそろピンを取らないとランナウトになるよ、とか、ダブルだったら、ロープが交差しているよ、なども含め、経験が浅いクライマーであればあるほど、下のビレイヤーも上質?と言ったら、言葉が語弊があるかもしれませんが、分かっている人が必要です。ロープの流れを作るのに、ランナーで伸ばした方がいいよ、というのは、代表的な下からのほうが全体像が良く見えて分かるポイントです。オイラーの法則の知識が要ります。

そういうのを言ってくれる人と言ってくれない人では安全度が全然違う。ビレイヤーも忙しいのです。

■ 敗退=終了点までたどり着けない可能性

さらに…、

もし、私がギリギリにトライしたら、リードで登っていても、終了点までたどり着けない可能性があります。

どうしてもだめだった場合…

どうやってぬんちゃく回収します? 回収可能な懸垂のセット、というのもありますが…一般的でなく、結び替えの事故の可能性を考えるとおススメではない…

一般的には、残置ビナで敗退します。カラビナを一枚犠牲にするわけですね。

先日、カシオペア軌道の核心部手前にビナが残置してありました(笑)

あれを見ると、敗退したんだな~、あそこが核心か~と思うのがクライマー。ビナを見ても反応しない人がいたら、ああ、初心者なんだな~と考えます。

自分より登れる人と登っていれば、万が一敗退しても、回収便を出してもらえます。

■ 早く成長して欲しい理由

というわけで、自分がリードする気でいても、ギリギリのところにチャレンジする気だったら、自分より登れるクライマーと人は出かけたいものです。

でも、自分より登れるクライマーというのは、よりシビアなところにチャレンジしたいハズで、その時に、自分が頼れるビレイヤーになっておかないと… 一緒に行くことにメリットがないじゃん、となります。

大体、登れるグレードが低い側は、登れるグレードが高い側がチャレンジした課題をトップロープでひいひい言って登る、という循環で、うまいこと回っています(笑)。

先輩は、後輩が頼れるビレイヤーに成長してくれないと、なかなか自分のギリギリにチャレンジすることができず、イライラ、ジリジリしています…

私の後輩君はビレイをマスターしてこなかったので…、先輩の私としては、私がゆとりを持って登れるグレードしか彼とは行けない(><)。それって5.10a止まりってことになります… まぁ、もちろん、私の今の課題は、5.9をオンサイトで取貯めることなので、それでいいのですが、日本の岩場って同じグレードの課題がホント少ないので、岩に行っても、2本くらいしか触る課題がないみたいなことになったり、移動時間が喰ったり、と効率的でない。

私の先輩は11dとかをチャレンジ中なので、先輩と行くと、私は11台を触れることになります。これは大変ありがたいことです。

師匠は、11等は触りません…10代後半まで。体重差を考えると、そうだよなぁ…と申し訳ない気持ちです。

メンバー数が多いと、効率よく課題に触れます。一番登れる人が登ってくれた課題を、その課題がトップロープでないと登れない人が触ればいいか~、というわけで、一番登れるクライマーは大忙し?ビレイ側に回る暇なし?

・・とまぁ、こんな事情がクライマー間のパートナー事情です。

≪参考記事≫
良きクライミングパートナーとは?
http://kdvr.com/2017/09/07/tomers-trails-the-right-climbing-partners/

この記事によると
・コミュニケーション
・リスクの取り具合
・ユーモア

だそうです。



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