Tuesday, February 23, 2016

危険予知訓練 アイスリードビレイ版

■ 次の写真を見て、考えられる危険を指摘しなさい。


Bad Beley


■ その他 参考事例

Good belay


Good Belay



≪一般登山の危険予知訓練事例≫
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2016/02/blog-post_12.html

≪墜落係数について≫
http://www.lostarrow.co.jp/support/ti_133.html

≪確保理論テキスト≫
http://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/kougisiryou/H24kakuhoriron.pdf

Saturday, February 13, 2016

ヤマプラ

■ 認知度が低い山のグレーディング

遭難者数が年々増加していることを受けて、山のグレーディングが発表されているが、いまひとつ浸透していなかった。

それもそうだろう・・・信州山のグレーディングや山梨山のグレーディング・・・みなネットで発表されているだけで、パンフレットとして配られていることがない。

遭難者の約半数が60代以上で、その60代以上の人たちのインターネット利用率の低さを考えれば、あまり知られることがないのも当然の帰結なのかもしれない。

・・・というわけで、ネットの世界で、山の情報が充実しても、それを必要としている人たちにはいまひとつ、伝播して行かないのだが・・・

そのようなネット上の山の世界の進化が一つ増えた。

今回はヤマプラだ。ヤマレコ上に、グレード別にルートがマッピングしてあるもの。

http://www.yamareco.com/modules/yr_plan/step1_planner.php?lat=36.305350395&lon=137.6788894&grading_mode=1


易しいコースと難しいコースが分からない人が多いと、当然だが、自分では歩けないところに入ってしまう。

■ 尾根の名前

ちょっと見ていたら、赤岳と”阿弥陀(美濃戸口)”が同じグレードになっていた。 ”阿弥陀(美濃戸口)”は、御小屋尾根のことだ。

・・・が、普通、山の人の間では、”阿弥陀(美濃戸口)”と言わずに、普通に”御小屋尾根”と言う。

”赤岳”、と言わずに、”文三郎道で登って地蔵で降りる”とか”真教寺尾根”とか言う。

〇〇尾根という捉え方をすることこそ、大事なことなのではないだろうか?


Friday, February 12, 2016

山行計画作成の注意点を考える

■計画段階から実施までの安全チェック

キャンプ、言い換えれば野外生活、野外活動の世界では、安全チェックについては、登山よりもしっかりした歴史があるようだ。しおりから、それがうかがえる。

以下は抜粋(コピペ)

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○日程、プログラム作成

①参加者の特性を把握する  
対象者の人数、年齢、経験の度合い、体力などによって一つひとつの活動に要する時間や疲労度 が異なります。これらを考慮して日程・プログラムを作成しなければ、無理がたたって事故やケガ の発生につながることがあります。

②ゆとりのあるプログラムを考える  
短時間に多くの活動を取り入れると③活動の特性を考えてプログラムを組み立てる  動的な活動(体を動かす活動)が続くと体力の消 耗が激しくなり、疲労の蓄積が病気やケガの発生の 原因になることもあります。
動的な活動の後には休 憩時間を多く取ったり、比較的、体を動かすことの 少ない静的な活動(クラフト・スケッチなど)にす るといったように、活動の特性を考慮してバランス よくプログラムを組むことが大切です。

③活動の特性を考えてプログラムを組み立てる  
動的な活動(体を動かす活動)が続くと体力の消 耗が激しくなり、疲労の蓄積が病気やケガの発生の 原因になることもあります。動的な活動の後には休 憩時間を多く取ったり、比較的、体を動かすことの 少ない静的な活動(クラフト・スケッチなど)にす るといったように、活動の特性を考慮してバランス よくプログラムを組むことが大切です。

④適切なスタッフ体制を組む  安全にキャンプを行うためには、活動内容に応じて適切な人数のスタッフ確保が必要です。どの ような役割が必要なのか、どのような組織にするのかなど、コスト(費用)も考慮しながらバラン スよく配置する必要があります。  

その場合、キャンプに精通している人(有資格者など)が必ず加わるようにしましょう。参加者 とともに生活しながらさまざまな援助を行う役割の人たち(グループリーダー)と、キャンプ全体 がスムーズに進行できるように準備運営していく役割の人たち(マネジメントスタッフなど)で組 織を作ることが理想的です。  
専門的な知識や技術が必要な活動を取り入れる場合には、その活動について十分調べ、トレーニ ングを受けたスタッフが確保できるか、その活動にはどんな危険があるのか、どのような場合が危 険なのか、どんな参加者にどのような危険がともなうかなどを十分検討しておく必要があります。

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まとめると

1)参加者の年齢、経験、体力
2)ゆとり
3)活動特性
4)スタッフ体制

登山に置き換えてみる。

 1)参加者の年齢、経験、体力  → コースタイム、疲労度
 2)安全マージン
 3)活動特性 縦走、岩、沢、雪 → 怪我、疲労、
 4)メンバー内容    → お客さん(フリーライダー)を作らない

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○ 山行計画作成の注意点

①参加者の特性を把握する  

 ・人数
 ・年齢
 ・経験の度合い
 ・体力

によって、登山に要する時間と疲労度 が異なる。

これらを考慮して日程・プログラムを作成しなければ、無理がたたって事故やケガ の発生につながることがあります。

②安全マージンのある山行計画を考える
  
 ・詰め込まない
 ・悪場のあとには休憩を入れる

炎天下での歩きや、急登、ラッセル、気を抜けないトラバースなど、悪場が続くと、体力の消 耗が激しくなり、疲労の蓄積が病気やケガの発生の原因になる。

急登などの悪場の後には、休憩時間を取る。また登り下りのバランスを見て、ルートを決める。

④適切なメンバー、山を選ぶ  

安全に山行を行うためには、山行内容に応じた、適切な人数のメンバーが必要。

・役割 → 運転、リーダー、食当、地図担当、などの役割分担
・組織 → 大人数=時間がかかる 少人数=素早い
・コスト(費用) → 運転はタクシーに外注する、宿泊は小屋にする、など、体力度を下げる  

山に精通している人が必ず加わる。

 ・十分調べる
 ・経験者が確保できるか
 ・どんな危険があるのか
 ・どのような場合が危険なのか
 ・どんな参加者にどのような危険がともなうか

などを十分検討しておく。


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と、こうなりました。 

登山計画を立てる際は、こうしたことは、改めて考えず、なんとなく、考えてやっていると思います。

しかし、登山は、アウトドアの中でも、危険が大きい活動なのですから、キャンプなどよりむしろ充実した、安全に関する知見が必要だと思います。

逆に言えば、ごく普通の野外活動で、認識されている程度にも、登山における安全チェックの方法論はいまだに確立していない、ということなのかもしれません。

それが遭難者数の毎年の増加という結果につながっているのかもしれませんね。

≪参考資料≫
http://www.ssf.or.jp/library/dictionary/pdf/dic2_camp_anzen.pdf

危険予知訓練

■ 危険予知訓練 (KYT)

危険予知訓練にも、講習で触れた。これは、登山者がアウトドアの危険を考えるのに、とても良いエクササイズになるのではないか?と思った。

危険予知訓練というのは、難しいことではなく、ある写真を見て、潜在している危険をグループで指摘することだった。

例とするために、もらってきた写真に近い写真を過去の写真から上げる。

例1) 次の写真を見て、考えられる危険をあげなさい。


どうだろうか?これは山で良くある、なだらかな樹林帯の写真。ここでのリスクは

 ・転倒 (ねん挫など)
 ・道迷い 
 ・野生動物(クマ、昆虫)
 ・脱水
 ・火器使用による山火事
 ・日没
 ・隔絶(携帯電波が入らないなど)
 
などなど・・・。

例2) 写真を見て考えられる危険をあげなさい。



 ・転倒
 ・疲労
 ・天候急変
 ・低体温症
 ・脱水
 ・日焼け
 ・道迷い
 ・日没
 ・落雷
 ・噴火?

他にもあるかもしれませんね。

例3) 次の写真を見て考えられる危険をあげなさい。

・寒冷
・虫
・置き忘れ


テントが燃える、などのリスクを上げるための写真を用意したかったが適当な写真がないため、
一応あげておく。

日陰であるので、木立の中で、強風によるテント倒壊の心配はあまりありそうでない・















例4) 次の写真を見て考えられる危険を答えなさい。



 ・転倒
 ・虫
 ・野生動物
 ・寒冷
 ・濡れ
 ・低体温症
 ・隔絶

他はどうでしょうか?
 
設問5) 次の写真を見て考えられる危険をあげなさい。



 ・ホワイトアウト
 ・道迷い
 ・風雪
 ・寒冷による低体温症・凍傷
 ・日没

■ 価値観が身に付く

上記は上げた以上にも、たくさんのリスクが複数の目で見れば、挙げられるものと思う。

実際、グループディスカッション中の最大の成果というのは、
   
 他の人が見落としていた危険を発見できた人の指摘

だった。

こうしたエクササイズをすることの最大のメリットは、

 ・危険を多く予知できればできるほど、良いという価値観が自然に身に付くこと

ではないか?と思う。

■ 危険を予知しない人の方がえらいというカルチャーがまずいのでは?

私が常々、登山の世界で、ちょっとおかしいのではないか?と思うのは、

  ”危険を怖くない(=予知しない)ほうが上”

というカルチャーがあることだ。 

平気平気、こんなところ行ける~とノーザイルで行ってしまうのは良くない。地図不携帯など装備不足も良くない。大雨の中稜線に出るのも良くない。

そうしたことは、本来は、登山の世界では、たしなめられる、眉を顰められることだったのに、今ではそれが普通となり、大手を振っている。

どれくらい大手を振っているか?というと、地図読みして雪の山を歩くという登山のもっともオーソドックスなスタイルが”キワモノ”と言われるくらいだ。

”怖いもの知らず”の方がかっこいいという、危険の軽視、という態度はどういう経緯で出来たのだろうか?

怖いもの知らずを通り越して、無鉄砲がかっこいいということになっているのは、カルチャーとしてやはりまずいと思う。

山は基本的に危険なところだからだ。

■ クライミングは怖いもの知らずではない

一方で、逆に危険を排除できるにも関わらず、危険だと誤解されている危険もある。

昨日は、自分のビレイヤーのビレイが怖くなってしまって、登れなくなったクライマーにビレイを頼まれた。光栄に思った。

クライミングをしていると、クライマーは危険が好きな人だと思う誤解が多い・・・

例6) 次の写真を見て危険をあげなさい。

・寒冷
・低体温症・凍傷
・怪我

と色々と挙げられると思うが、

 転落リスクはない

なにしろ、ロープで確保されているのだから。

ヘルメットもかぶっているから、頭を打って死ぬということは考えにくい。

それでもアックスを持っているので、それが凶器となって自分に突き刺さる、ということはありうるし、仮にこの下に人がいたら、アックスが落ちてくる可能性はある。

したがって、フォールラインには立ってはいけない。


ロープが出る山は、ロープをきちんと使える、という点で、一般登山よりも転落・滑落リスクは、低くなっている。

余談だが、最近亡くなった谷口ケイさんは、ロープを外したタイミングで、滑落してしまったことが死の引き金だったそうだ。ロープさえあれば死なないで済んだかもしれない。

■ チャレンジ・バイ・チョイス

一方、この状況で、リードするほうだったらどうだろうか?この滝は7m程度だったが、その程度とはいえ、転落したら、骨折で済めばいいほうで打ち所が悪いとまずいことになってしまうだろう。

したがって、セカンドとリードが引き受ける危険の量は全く違う。

ここでは”チャレンジバイチョイス”という原則が生きる

引き受けられる危険の量は、クライミングの技量や、その人が怪我や登山による死、ビレイヤーへの信頼など、どれくらいの危険を受領できるか?によって、決まってくる。したがって、嫌がる人に、リードは無理やりさせてはいけない。

ロープワークさえきちんとしていたら、セカンドは転落リスクがない。そのセカンドが自分が請け負う危険より、多くを請け負え、と相手にリードを要求するのは、厚顔というものだ。

■ 効果

こうした危険予知のグループディスカッションは

 ・危険に対する感受性を鋭くする

 ・集中力を高める

 ・問題解決能力を向上させる

 ・実践への意欲を強める

とされている。実際、私自身も継続的な学習の意欲は、学習そのものだと感じている。

■ まとめ

登山を学ぶ、山を学ぶというのはどういうことだろうか?

私には、海ではない、砂漠でもない、日本の山岳地帯特有の危険(とその反面の魅力)を理解することだ、と思える。

また、危険があるからこそ、危険をあらかじめ予知し、それに備えて出かける、ということが大事だという価値観を身に着けていくこと。

チャレンジバイチョイスを徹底し、危険を他人に無理強いしない、ということが登山のチャレンジの根底にある価値観であるように願う。

≪参考資料≫
キャンプを企画する人のためのリスクマネジメントの手引き







Wednesday, February 10, 2016

ケーススタディ 山のリクスマネジメント

■ ケーススタディ vs 講義式

私は、大阪にいるころはお勤めがあり、その関係でビジネススクールに通っていた。そのスクールは、ハーバード流の教え方を基盤にしていた。

のちにオーストラリアで大学院に進学しようとして、その教え方が西洋の標準スタイルというわけではなく、アメリカ式であることがすごく良く分かった。同じことでも、オーストラリアはイギリス式で、講義形式。

ハーバード流のアメリカ式だと、ディスカッション形式だ。

この教え方は、正解はひとつとは限らない場合に、非常に効力を発する気がする。また正解を暗記するのではなく、考えさせることが主眼となっている。

ただ、ディスカッション形式の授業というものは、どう進むのか?というのは、一般には、いまひとつ分かりづらいと思う。日本の学校教育が、一方的な講義式しか教えていないからだ。

私は、このディスカッション方式、ケーススタディ方式というのは、登山に必要な判断を教えるには役立つ方法なのではないか?という思いを登山を始めたころから持っている。

■山はひとつひとつ違う

山は、ひとつひとつ違う。

同じ雪山でも、標高1500mで樹林帯主体の山と、森林限界を超える八ヶ岳では、寒さも違うし、風雪の影響も違う。となれば、必要な装備も違う。

無雪期の山でも、近所の低山と、中部山岳地帯では違う。近所の山の方が道迷いという意味では迷いやすいし、高い山のほうが天候の変化の影響はもろに受けるだろう。

そういう細かな違いが、ひとまとめに”山”という言葉にまとめられていることが、リスクの見えにくさにつながっているのではないだろうか?

例えば、”山ではヘッドライトを持つのが常識”と言われるが、山ではなくて、”アウトドアへ行くときは”、かもしれない。

ここでは”山”という言葉は、”人工の電灯がある、街の中以外の場所”を、無意識下に総称している。

逆に不思議現象も起こる。 例えば”軍手”。

先日軍手で山に登っていたら、その辺のおじさんに、「山では軍手はダメだ」と諭された。 が、焚火するから軍手が必要なのである。焚火しない(というかできない)ような山にしか行かない人には、山で軍手は必要ないけれど、焚火するような山に行くようになると、軍手は必需品だ。

日が照っていて、濡れを気にしなくていい、普通の山道でも、軍手は快適装備で、軍手がダメなのは、濡れてしまってから後の稜線歩き。

その使われる状況を想定しなくては、最適な装備も選べない。

それぞれどのような状況があり、その状況を的確に想像し、判断して行く、という判断力が、山を知っている、ということ。想像力に限界があるので、経験が非常に役立つ。

■ ケース例

以下は、出題されたケーススタディのケース例。

基本的には、ケース(状況)を共有し、みなでどうするべきか(判断)を相談する。その中で発見や気づきといわれるものが、学ぶ内容だ。

ケース: 皆で共有する状況
ディスカッション:: どうするか?(判断)を相談して決める
発見: 具体的な学びの内容

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≪登山中の体調不良者≫

一人の引率で10人の高校生を連れて登山中、午後からA君が体調を崩し、疲労が目立ち、皆から遅れだした。引率者はA君につきそっていたが、前方を行くみんなとの差は開くばかりである。

今夜の宿泊予定の山小屋までは、まだ2時間かかるが、もどれば1時間のところにも山小屋がある。

引率者としてあなたはどうしますか?

 1) A君を残して皆を呼びに行き、最も近い山小屋(1時間)に戻って宿泊する。

 2) A君を残して皆を呼びに行き、A君のことを話して、みんなでA君を励ましながら、A君のペースに合わせて、目的の山小屋に行くよう指示する

 3) A君と離れることは危険なので、引率者はA君から離れず、他の者は先に宿泊予定の山小屋へ行かせておく。

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上記は設問で、これを

 A)個人の判断
 B)5~6名のグループでの判断

とディスカッションをして、2通り作る。

 A)個人の判断で決まるケース → 強いリーダーのいる登山での判断(意思決定)

 B)グループでの判断で決まるケース → 実力拮抗型パーティでの判断(意思決定)

を模すことになる。

選択肢は中間的な選択肢は選ぶことはできないが、選ぶときは、状況は各自で設定して良い。先を行っている高校生の中には、任せられる人がいる、A君は死に瀕していそうではない、山小屋では宿泊できる見込みがある、などだ。

この回答に正解はない。

ただし、多くの人が選びがちな選択というものはある。皆が選ぶだろう選択を選ぼうという意思が働くと、多数決で多いものは、1)になりがちかもしれない。

1)の選択肢は、もっとも弱気だ

A君を一人で残すことに一抹の不安はあるが、A君は高校生で(つまり持病がある高齢者ではなく)、バテているだけ、という理解だ。

班から出た、この判断をサポートする意見は

 ・A君はばてているのに、2時間歩かせるのはかわいそう

 ・先の山小屋に行ってしまうと、帰りはさらに倍歩かなくてはいけなくなる

など、主に A君の利益 をもっとも重視した意見だった。

反対意見は

 ・戻った山小屋では、10人も受け入れてもらえないかもしれない

 ・A君を一人で置いておくのは良くない

などだった。

■ 本音?

ただ私が今まで経験した中で、誰かがバテて歩けなくなった、という事例は3件しか知らないが、その2件中、1)の選択肢は取られていない。

2)もしくは、3)だった。

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≪事例1≫
一人のガイド引率で、5人の顧客を連れて、中部山岳地帯の初級雪山の登山中、登山口からAさんの疲労が目立ち、皆から遅れだした。前夜は飲み会で寝ていないという。

ガイドはAさんにつきそっていたが、前方を行くみんなとの差は開くばかりである。

今夜の宿泊予定の山小屋までは、まだ2時間かかるが、もどれば15分の登山口にも山小屋がある。

引率者としてあなたはどうしますか?

≪起ったこと≫

Aさんにガイドが付き、他の客はガイドレスのまま、山小屋まで先行。顧客の中に、すでにこの山を経験している人がいた。

到着した山小屋でAさんを待機させ、他の顧客4名とガイド1名は山頂に登頂し、帰りは全員で揃って帰った。

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≪事例2≫
一人のリーダーで、7名の山岳会のメンバーを連れて、2泊3日の登山。登山道はない地図読みの必要な山の中、初日から、予定コースタイムで歩けない。翌日からAさんの疲労が目立ち始め、ザックを軽くしてやる、仲間が行動食を与える、などの支援を行うが、疲労は軽減する様子がなく、翌日の行動は縮小になる。

リーダーはAさんを中心に負担の無い計画を立て、Aさんのペースで歩いたが、Aさんのバテは山行中、酷くなるばかりである。Aさんは以前の複数の山行でも同じようにバテた過去がある。今度こそ、ぜひ自分の力で歩きとおしたいという希望を持っている。

2日目の幕営地までは3時間遅れで到着したが、前の幕営地は8時間も前であり水場も乏しい。

引率者としてあなたはどうしますか?

≪起ったこと≫
Aさんのことを話して、みんなでA君を励ましながら、A君のペースに合わせて行く。

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事例1では、山小屋までガイドレスで歩いたが、特に不服は出なかった。しかし、ガイドさんはランチを食べる時間が無くなり、腹ペコで登頂者を引率する羽目に陥っていた。

前夜飲み会で徹夜開けで参加した人に合わせて、1)の選択肢である、全員で登山口の山小屋に戻る案を行うと、たぶん、ものすごい不満の声が上がっただろうと思う。

遅れたAさんは登山口の山小屋待機が適当だと思われるが、それをやるとAさんの不満が大きいだろう。

事例2では、登山目的がそもそもAさんに自信をつけてもらうこと、となっているので、Aさんに無理をさせない、という選択肢、1)は最初からありえない。

Aさんがあまりに遅れる場合、幕営地に先にパーティを先行させるという方策もあるが、そもそもの目的を考えると、それも考えづらい上、読図の必要な山ではリスクが大きい。逆に言えば、幕営装備があれば、どこでも幕営可能なので、時間には縛られる必要がない、とも言える。


■登山の成功 そもそも登山目的が何か?

このように考えていくと、そもそも登山目的が何か?が登山の成否には強くかかわってくることが、(まぁ当然だが・・・)分かる。

ガイド登山に出かけた登山者が、仲間の、それも自己管理が不在というような人の・・・体調不良で、そもそも登山口で敗退したら、おそらく、その登山は失敗となるだろう。

一方、そもそもAさんが自力で歩きとおすこと、を目的とした登山では、Aさんのペースありき、なので、他のメンバーはAさんの登山に付き合ってやることで、その登山は成功となるだろう。もし、Aさんが途中でリタイヤしたら、登山は失敗となるだろう。

この話は、そもそもコースタイムで歩けない山に行くべきでない、という意見が多く、Aさんはザックを肩代わりしてあげましょうという申し出を固辞してまで、自分のペースで歩いてはいけない、という意見もあった。

しかし、登山目的を見る限りでは、レースでの完走と同じで、Aさんが歩きとおすことこそが、最優先されるべき事項だろう。

・・・となると、山岳会の登山目的は、仲間意識の醸造、がまず第一に挙げられるのかもしれない。

となれば、登山目的をそもそも、ピークハントにおくべきではないのかもしれない。

■ 顕在的でない登山目的

しかし、こうしてみてくると、登山目的が、そもそも明瞭でないことが透けて見える。

登山目的の不明瞭さ、は遭難という事故においては、脆さが露呈しうる一点かもしれない。

事例1では、登山目的は、比較的明瞭で、ガイドという安全の傘の下の、ピークハントである。しかし、たとえピークハントが至上の目的だとしても、たとえば、視界不良での撤退であれば、誰からも文句は出ないであろう。

一方、同じ敗退でも、徹夜開けで山行に参加するようなメンバーに合わせて登山口に全員が戻ることにみな合意するだろうか?

しないのではないだろうか?もしそのような判断を引率者がしたら、返金してほしいという人が出るのではないだろうか?

これが山岳部なら、おそらく、文句はでないのではないだろうか?

事例2では、Aさんが今回の山を歩きとおすことが真の目的の山行だということは、当初共有されていない。

だが、Aさんが歩きとおすことを目的とした山行、として山行企画することは、普通は不可能だろう。しゃーないな付き合ってやるか、という山になるわけだからだ。その場合、真の山行目的は、山行の成立の経緯を聞かない限り、見いだせない。

ある意味、真の山行目的がディスガイズ(隠されて)されているのだが、これは、この山行に限らず、山岳会が行う山行では、すべからくその傾向がある。

真の目的が共有されない限り、不協和音の可能性はある。

例えば、夜間山行は、予想外の下山遅れに登山者を備えさせるための山行だし、里山の雪山山行は、読図を学習してもらう機会、ということになっている。

■ もう行った

今の時代は、「〇〇山?もう行ったから行かない」という人が多い。結局、山のネームバリューだけで行く行かないを判断している、ということなのだろう。〇〇山にも多くのルートがある。

そういう風に山の名前だけで行く行かないを判断していると、真の山行目的が達せられないまま、つまり登山の技術は置き去りになったまま、経験年数だけが積み重なってしまうだろう。

これを防ぐには?ということだが、結局は、登山者自身が、

 「比較的雪崩の危険なく、豪雪の山(ラッセル)を経験するには、どの山に行くのが良いか」

などと、企画者の目線に立って思考する以外ないのではないだろうか?



 




Tuesday, February 9, 2016

人種の違い 登山とオリエンテーリング

■30~50代の居場所

先日のナビゲーションとリスクマネジメント講習は、軽いカルチャーショックでもあった。

いわゆる地域山岳会というところにいる人種とは全く異なる人たちの集まりだったからだ。一般に山岳会は、高齢化している。

もちろん、会には色々な人がいて良いのだが、現実には、”いろいろな人”に、35~50代は基本”含まれていない”。主体となっているのは60代である。

一方、講習に出ていた人たちは、その、ずばり会にはいない年齢層だった。ここにいたのか! とそんな感じ・・・。

集まっている人たちのメインの活動の内容は、トレイルランニングであり、トレランの場合、基本的には、通常の山は、大会のための練習という位置づけのようだった。

オリエンテーリングとロゲイニングは、ほぼ同意義に使っていいような言葉らしいが、オリエンテーリングは、基本的には、競技であり、点数をつけて、順位を競う。

登山の世界には、基本的に競争を嫌う、という文化風土があるので、競争を嫌わない文化風土と、そこに居る人たちのさわやかさが印象的だった。

競争がある世界の方が、ない世界よりも、なんだかさっぱりさわやかだった・・・。ルールが明文化されていない世界だから、誰にも分かる客観的な凄さの指標がなく、そのある意味”分からなさ”に付け込んだ心から、粘着質な競争が生まれるのかもしれない。

具体的に言うと、後立の山に登っているのに、「槍が槍が」となぜか槍に登った話を聞いてもいないのにしてくるような、おばさんやおじさんがいっぱいいる。

あるいは、とある山の山頂で「おたく何個目?」と聞かれる。

ある種の健全性というか、スポーツらしい、さわやかさというか、そういうものが保たれていて、それが新鮮であったのだが、それほどまでに、山の世界は本当におかしくなって、末期症状ってところなんだろうな~と改めて、思ってしまった。

2万5千の地図をどこで買うかさえも知りもしないのに、道のない雪山に当然のように行きたがる、というような、面食らう話は起きそうもない。

というわけで、精神衛生に悪そうなことは、あまり起きなさそうな、文化土台にそもそもありそうだった。ので、なんとなく文化的に好感が持てた。

■ 平地の地図読み、起伏地の地図読み

ただ、登山では尾根と谷、ピークとコル以外あまり地図読みを重視しないので、その他のごく些細な点について、読み込むということが、虫の目的で、それにも新鮮さを覚えた。

例えば、コルというのは、私には明瞭で、コルへ向かうとすれば、その他のことはあまり深く考えない。

コルから降りて、地図上にない道(作業道)があったのだが、それも、現在地が確実でなくてもあまり気にならない。たぶん、ここかここのどちらか、くらいにしか特定しない。ひとつには道なんて、地図上にあったりなかったりするし、地形の明瞭なところにでたら、分かるからで、確実に分からないと進まない、ということはない。不確実性を含みながら進んでも、あまり問題にはならない。もちろん、フェールセーフと言うような間違ったとしても死には至らない、という安全網がある、という設定での話だが。

のだが、植生の記号までみて、現在地を特定する要件を得ようとする姿勢には感動した。植生は山行程度にしかしないし、歩測と言って、歩数で距離を測るのも、登山では、あんまり知られている方法でなく、登山ではあと標高差何メートルか?のほうがよっぽど重要だからだ。

登山では、主に起伏を参考にするので、平地のオリエンテーリングと、起伏地のオリエンテーリングは、だいぶ緻密さで違いが出るのだと思った。

もちろん、ち密さが必要なのは、平地のほうで、起伏がある場所の地図読みは、基本的には易しいほうに入るのだ、ということを実感した。

登山で地図読みをするのは、本来は易しいこと、だったのだ。登山で地図読みしていると、登山の地図読みが至高価値になってしまうけれど、尾根と谷だけではない世界もあるのだ。

■ 走れなくては

登山では、歩けなくちゃ話にならない、というのは、当然なのだが、逆に言えば、歩けさえすればよいとも言える。

オリエンテーリングは、そういう意味では、走れなくては話にならない、ようだ。

走る=早い。

当然のことだ。走れば、早い。

スピードを登山に求めるようになってきたので、山で走るのもいいのかも~と最近は思わないでもないのだが、走る人種と歩く人種では、ものすごく人種が違う、ということもまた事実。

走る人種は、山に関する山屋が持っているロマンティックな想いは持っていなそうな気がした・・・山へ対する畏敬の念、とかそういうものだ。

■ 山をトータルで理解しようとすること

でもやっぱり、山のなんたるかを知っている、のは、山とななんたるかを知ろうとして山に取り組んでいる山ヤのほうであるように思えた。

いわゆる山の持つ固有の危険だ。山と言うのは、森林限界以上の場所での行動について、ということだが。

夏山では午後2時以降は森林限界以上にいない、とか、暗くなる前に山を下りるべき、とか、そういう話なんだが、そうした山での行動様式については、やはりトレランの人たちは、大会で、スタッフに見守られながらの山しか知らないという気持ちの上の負い目もあってか、山を知らないと謙虚に感じているようだった。

知らないと思っているくらいのほうが知っていると思っているより、安全かもしれないのだが、山を知るために山に入るという思考はないのかもしれない。

ただ安全とは何かを知るために危険を冒すというようなことは良くないので、安全に山を知るということを考えると、やっぱり普通に一般登山(無雪期のピークハントで経験を積むということ)になってしまう・・・とトレランの人たちは退屈してしまうだろうな~と思う。体力はそこらへんの登山者より、上なのではないか?と思うからだ。

まして、大会参加者なら特に。

トレランの人たちは、山の人たちが、「〇〇山、登った?」と話すのと同じ調子で、「〇〇という大会でた?」と声を掛け合う。

大会は誰かに開催されなければ、参加もできないが、ただ山に行くだけなら、誰が何を主催しなくても、いつでも山はそこにある。

ただそこにある自然、そこにある山に人間の側が勝手にルールを決め、勝手にそれを課題として、勝手に達成して、達成感や自己満足に浸る。

遊びである・自己満足である、という意味では、どちらも同じなのだな~と思う。ルールが集団で明瞭かされている大会とルールが個人の元にあり、どう登ろうと個人次第の登山。

そういう風に考えると、登山と言うのは、そもそも ”個”とソリが合うものなのかもしれない。

Monday, February 8, 2016

ナビゲーションとリスクマネジメント講座

ナビゲーションとリスクマネジメント講座という講座に、2泊3日で出かけてきた。分かったこと。


・講座参加者は、トレランの大会参加者が主体で、一般登山者は非常に数が少なかった

・朝霧高原は良いところだった

・教えることの教え方

・ナビゲーション → ”ナヴィゲーション” いわゆる”読図”とは、異なる進化をしつつある

・リスクマネジメントのマネジメントは”なんとかやりくりする”

・2泊3日はお腹いっぱい

■ 参加者像

朝霧高原へは初めて行ったが、甲府からは1時間半ほどで、とても近く、解放的な牧草地が広がる風景は、素晴らしかった。霧ヶ峰や忍野八海に、県外者を案内したこともあるが、霧ヶ峰に行くよりも、朝霧高原に行った方がいいかもしれない。(観光地的なものが何もない様子ではあったが)

少し早くつきすぎたので、道の駅で、休憩。ソフトクリームを食べた。

講習会は、オリエンテーリングの実施から始まった。 体育館で、規則的に並んだコーンを指示どおりにタッチする遊びだ。地図を手渡され、その通りにたどる。 

最初はカンタンだが、障害物が設置されて、易→ 難という流れが組まれている。

これはグループに分かれて行い、アイスブレーキングも兼ねていたようだ。

参加者は30~40代が多かった。そして、トレランのウエアの人たちが多かった。これは、主催者がオリエンテーリングの大会優勝者などで、大きな大会で有名になった人たちだったからなのかもしれない。

男女比は当然ながら、男性が多かったが、女性の比率も多く、一般に登山者と言う時は、大体高齢の人が多いのだが、高齢者は少なかった。60代の男性が一人いたが非常に異質な感じがした。登山者が非常に少ないことが印象的だった。特に60代の女性は一人もいない。大会、年齢層の若さ、女性の多さ、が印象に残った。

地図を読む、コンパスを使うというニーズが登山では低く、オリエンテーリングで高いということを示しているのだろう。

■ オリエンテーリング

ナビゲーションは、いきなり敷地内での、オリエンテーリングで始まった。ぶっつけ本番だが、難しい遊びではない。

その後、コンパスの使い方や読図の基本的なことを講習で押さえた。(でも、いきなりのオリエンテーリングでは、コンパスは使わなかったなー。)

その後、座学と懇親会。

印象に残ったのは、オリエンテーリングは競技であること。登山は競技ではないので、大会はない。競技ではない、ということが登山の魅力でもある。

しかし、きっと”大会”に対する潜在的なニーズはあるのではないだろうか?イベント、ということだ。

オリエンテーリングはゲーム性が高いので、競技と言っても、しょせん遊びであると言えるのだが、登山はオリエンテーリングと比べ、しょせん遊びである、という点がどこか、忘れ去られやすいような気がしないでもない。

登山は、命がけ、という点が強く出てしまうせいかもしれない。たしかにクライミングが出てくる登山や雪山は命がけなので、真剣度は高い。が、結局はしてもしなくてもいい、レジャーである、ということを忘れないようにしたいものだ。

翌日は、朝から山岳での読図講習。これは、いわゆる”地図読み”と同じことだったので、かったるい感じだった。この日はとても寒く、凍えている人もいた。

登山の地図読みは、オリエンテーリングの地図読みほど、正解を求める必要がない。登山の地図読みは、尾根と谷、ピークとコルでほぼ用が足りてしまう。方向も〇〇度という数値的な緻密さが必要なことよりも、北や北東、で事足りるし、距離もおおよそ1kmとか、大体3kmで足りてしまい、50m、という水平距離よりも、もう200mだ~と言えば標高差を指す。あまり水平距離については考えなかったりもするのだ。もちろん、計画段階では見るのだけれども。

教えるということを教える、ということで、プログラムを考えさせる、という企画立案が課題として出され、企画というのは、おそらく、主催者側も頭を悩ませる内容だと思われた。

■ リスクマネジメント

リスクマネジメントが私にとっては興味の主たる関心だったのだが、リスクマネジメントの考え方を議論するというより、ケーススタディの応用だった。あるケースを設定する。そのケースについて、考えられる方策が1~3つ上げてある。

個人で選択、グループで選択、と個人とグループでそれぞれ選択させ、なぜそれを選択したのか?について、発表する。

このやり方は、唯一の正解を求めないため、有効だと思う。

私は山梨に来る前に、ビジネススクールに通っていたのだが、そこでもやはりケーススタディが主で、ケースに対する対応法は多くあり、どの選択肢も、一長一短がある。その一長一短の中で、ベストという選択肢を求めていくわけだが、その選択肢がベストとなるわけは、マーケティングで行くと整合性がある、ということになる。マーケティングでは、整合性が成否の物差しとされていた。

登山では安全が判断の拠り所となると思うが、一筋縄ではいかないのが、安全はリスクとトレードオフの関係にあることだ。

登山でも、このケーススタディと言う手法は使えるのではないか?と常日頃考えていて、考えていたことの一端を見るような気がした。

今日は風邪でちょっと調子が悪い・・・ので、紹介はまた後にしたいが、こうした机上でのディスカッションが登山の世界でももっと広がると良いのにな~と思える良い講習だった。






Thursday, February 4, 2016

風邪回復中

■ 風邪も回復中

おとといクライミングに行ったら、まったく登れる気がせず、シーズン初アイスでパンプしたせいかな~と思われたが、腕力のレスト以外に、体力のレストも必要だったみたいで、レスト日と決めた途端に、風邪が悪化して、読書程度もする気になれず、一日寝ていた。

■ あったかドリンク

やるべきことは寝ることと温まることだけと、徹底し、色々と飲み物を試した。ゆず茶、緑茶、番茶、紅茶、生姜湯、梅醤番茶、いろいろ試したが、一番あったまったのが、生姜風味のお吸い物。

ジンジャーペッパースープ

 ・昆布茶
 ・しょうゆ
 ・塩
 ・生姜
 ・胡椒

混ぜてお湯を注ぐだけ。 生姜が入ったお吸い物はよくあるので、胡椒が入ることで洋風化する感じ。

今日はもう回復中で、図書館に出かけ、岳人2013年7月号を借りてきた。

■ 北鎌尾根狂騒曲

中に山田哲哉さんの北鎌尾根についての記事がある、と何かで読んだからだ。

「八十歳のエベレストの余波」

読んでみて、なるほどと思った。北鎌尾根に、山と高原のエアリアの地図しかもたないで、ロープもヘルメットもなく、ストックを両手に持った人たちが来てしまう、という話だった。

来ている理由が、ブーム便乗型ということだ。ネームバリューに惑わ されての背伸び登山。

でも、なぜブームに便乗しなくてはならず、なぜネームバリューで山を選ぶのか?

それは行き先が分からないからだろう・・・ 一番大切なのは、山の行先なのだ。

先日鉱泉で隣にテント泊していたお兄さんは、まだ登山自体が1年目だと言っていたけど、厳冬期テント泊していたしなぁ・・・。

えらい時間がかかってテントを張っていたので、何やっているんだろうなぁとは思ったけど、あとで、まだ山歴1年と聞いて納得した。それでは仕方ないかもしれない。

そんなことは後で知ったのもあったが、大晴天だったので、赤岳は行って来たらいいですよ!と私も背中を押した。何時間くらいかかりますかと聞くなど、「?」と思わないでもない質問も出たが、(赤岳は昼前には降りてしまえるので)、何しろ、その日は、超がつく有名ガイドさんが、何人も山に入っている日だったので、誰が行ってもいいような山に思えた。

もし単独でチャレンジする人にとっては、大チャンスだった。(その人は単独だそうだった)。

お天気も超がつく大快晴、午後になる前に降りれば風も問題なかろう、という絶好の山日和だった。

しかし、アイゼントレとか、雪上訓練は受けたことがないだろうなぁ。あの赤岳に登って、必要を見出すとも思えないし・・・。

私は、赤岳を登るまでに、だいぶ細かいステップを踏んだけれど、誰も同じように、地道に実績を積んでからしか登れないという訳ではない。山の良い条件の時に当たる、というのも、実力のうちのような気がするし。

例えば、この赤岳のお兄さんが、次にステップアップしたい時にどこに登ったらいいんだろう?

赤岳から上は、山岳部や山岳会の山だから、ステップアップしたかったら、どこかに所属するしかないのだが、世間の山岳会は、みな高齢化してしまって、ハイキングの会になってしまっている。

口の悪い友人などは、デイサービスになっている、と言う。たしかにそうとも言えない面もなくはなく、安上がりにハイキングに行きたいという人たちの脚が強くなってしまった結果の山、というのが正確な所だ。

だから、価値観としてはハイキングのままなので、大勢で行けばいくほど安くなり、良いという帰結になってしまっている。関心は山にはなく、大型バスで乗り付ける山と変わらない。

つまり、〇〇と言う山は、Aさんには行けるがBさんには行くことができない、という意識は、皆無かもしれない。

という現状なので、基本的に今の登山の世界には、

若い人が単独で積雪期の赤岳を登ったあとの受け皿はない

と思うんだが。

北鎌尾根に未組織登山者がたむろしてしまうような状況がなぜ起こるのか?

たぶん、受け皿がないからだと思うんだが・・・。

余談だが、北鎌尾根は湯俣から入るものだと思っていた・・・湯俣温泉はお酒好きには良い山小屋だと思う(笑)。

Wednesday, February 3, 2016

風邪でダウン中

■風邪でダウン中

先週、東京に行った折に風邪をもらってきたみたいで、週末はちょっと喉が痛んだ。体のほうは、健康そのものでなんともなかったので、山に行った。

・・・ら、治ってしまった(^^)

・・・が、仕事をしたら悪化(汗)。

体温をあげるのは、風邪菌の撃退には良いはずなんだが・・・これまでの経験上、ホットヨガを教えると、風邪は確実に悪化している。

ホットヨガは、そもそも肉体的に消耗度が高い、ということなのだろう。陽の気を喪失しないようにしないといけない。

風邪は不思議なものだなぁ~と思う。大体、潜伏期間なのだろうか、喉がちょっとね、と思った程度で、寒気の中に出かけても、大した問題は起らない。歩いている間は体がホカホカだから、そりゃそうだ。

寒い中、歩くのが好きだ。なんでだろうか・・・高校生のころから、2月の寒さの中を我慢して走っている間に、どんどん体が温かくなっていき、寒さが気にならなくなる感覚が好きだった。

だから、アイススケートも好き。

我が家には、こたつはない。のは、寒い寒いと言って体を動かさない習慣があまり好きでないから。

こたつなんて導入したら、余計動かなくなる、と思って、こたつはここ25年は確実に使っていない。

■ 天気図

やっぱり冬はお天気次第だよな~と思いつつ、先日の擬似好天の下、縦走できず、アイスをしていたのが悲しい・・・

あの快晴はめったになかったな~(とはいえ、まぁどうしようもないんだが。)

北ア方面への不安の根源は基本的には、お天気について不案内なことだ。八ヶ岳は、通ったし、また地元から近く、地元の天気から推測がつく面もあり、逃げ道がある、という気持ちがあるが、例えば、北アや谷川は、天候の読み方が太平洋気候とはそもそも違う。

一旦荒れると、1週間缶詰、なんて話を聞いたりすると、やだな~こわいな~と、思ってしまう。

■ 高峰を登るための五大要素

鉱泉で会ったガイドさんのHPを見たら、高所登山専門のガイドさんだった。ガイド料は、桁が2ケタくらい違う。この方には、甲斐駒でも会っていた・・・どこかで見覚えがあるな、と思ったのだった。

鉱泉などのイベントで、ガイドさんが赤岳や硫黄を案内するのは非常に手軽で良い出合いの場になると思った。

何しろ、登山のガイディングは、登山口に来る、という第一歩から、できない人がたくさんいる。例えば、自分で時刻表を調べたり、地図を見て確認したり、だ。

そうなると、登山口まで連れて行くところから、ガイドさんは四苦八苦しなくてはならなくなり、これは今のところ、ガイド業では仕方のない部分と受け入れられているようだが、そもそも、登山口で集合すればいいのだ。(登山口の駐車場面積の問題がある場合は乗り合わせ)

現地集合だと、そのような最低限の段階をクリアしていない人はいない、と思われる。行く前から、登頂を確約しているわけでもないから、装備不備の人は、無理ですね~と断ることができる。

これが通常だと、装備不備で来てしまい、もう来てしまったのだからと連れて行かなくてはならなくなる。

高峰を登るための五大要素に5段階グレードが付いていた。

項目は、技術、体力、経験、装備、根性。 最後の根性と言うのが笑える。持久力とかそういう風に行って見るといいのかもしれない。夫と私では確実に持久力は私の方がある。

技術評価の主な要素は、雪、氷、岩だそうだ。

体力評価の主な要素は、登頂日の行動時間。

経験値の評価の主な要素は、連続した登山日数。

装備の評価の主な要素は、登山靴の種類、ピッケルの種類、ウェアの種類、テント泊装備有無です。

”5大要素の中で唯一お金で解決できる項目なので、他の項目に自信が無い方は、是非装備は最高の物をそろえてください”とある・・・ごもっとも。

へぇ~と思ったのが、連続した登山日数が”経験値”の課題になるところ。今では一週間の山行なんて、山岳部でなければやらないのではないだろうか?

けれど、たしかに、1泊や2泊では、生活技術って、我慢でなんとかなってしまうかもしれない。多少濡れていても、気干しで済ませちゃえとか、息を詰めて我慢するようなところが登山にはある。

あんまり”せーの!”で、息を止めてやるような登山ではなく、暮らすように山になじめたらいいなとは思うけれど、厳冬期は寒さが厳しいので、暮らす系はシビアだ。

比べて、無雪期はなんとかなるような気がしないでもない・・・今年は、ロングなテント泊縦走をしてみるかなぁ・・・。


Monday, February 1, 2016

冬季宿泊の考察

■ アイス適期

例年だが、アイスクライミングは、適した天気や気温を掴むのが難しい。

アイスは氷点下に行かないと凍らないというのはまず当然として・・・、雪が降ると埋まる。だけでなく、なだらかな場所であればいいが、そうでなければ、雪崩が心配。

ただ気温が高いほうがアックスは打ちやすい。

・氷点下
・雪の量

は、アイスの二大ポイント。

■ 寒くなかった

週末のテント泊は、あまり寒くなかった。

気温を見ると・・・

◇2016/01/30 18:00
 天気:霧のち雪
 気温:-8 ℃
 風向:西南西
 風速:7 m/s
 
◇2016/01/31 00:00
 天気:霧一時雪のち晴れ
 気温:-10 ℃
 風向:西南西
 風速:8 m/s
 
◇2016/01/31 06:00
 天気:霧のち晴れ
 気温:-11 ℃
 風向:西
 風速:10 m/s

と マイナス10度程度で、初めて地獄谷に行った4月のマイナス17℃での、避難小屋泊まりや、去年の天狗岳での風速19mでのテント泊よりは、楽だった。

去年は一体何度だったのだろう・・・マイナス20度近かったと考えていたが、もう忘れてしまった。

こちらのPDFに去年2月の天気図があるが、テント泊したのは、2月7日(土)の夜から日曜の朝にかけて。9日は大雪で遭難が起きた。

≪去年のお天気≫

7日(土)次第に雲域広がる 日本付近を覆った高気圧は足早に去り、 日本海~西日本で気圧の谷が次第に深ま る。朝は広く晴れた本州付近も次第に雲 が広がり、所々で小雨。

8日(日)二つ玉低気圧 低気圧が北海道付近へ進み、西から冬型 の気圧配置に。低気圧に伴う雨雲が日本 付近を通過した後、西~北日本の日本海 側は寒気による雨や雪。

感覚としては、出合小屋泊よりは大変だったので、今のところ、私の経験の中では、もっとも厳しいテント泊は、この初回の単独だ。

≪寒冷下宿泊経験のまとめ≫
1回目 3月 地獄谷 出合小屋   -17° ペットボトル凍る 夏用シュラフ
2回目 2月 テント泊 6名 タカマタギ  温かいが豪雪 脱出核心 一晩で1mの積雪
3回目 4月 テント泊 4名 扇沢 6テンに5名 ラクラク
4回目 4月 テント泊 2名 北沢峠 
5回目 5月 ツエルト泊 1名 扇沢  シュラフなしで寝れず3時起き
6回目 10月 沢泊  七倉沢 ツエルト泊  夜間の降雨でツエルトに入ったまま水たまりに寝る
7回目 3月 出合い小屋泊   火を熾せず
8回目 4月 テント泊 3名 岳沢 
9回目 4月 テント泊 4名 鎌尾根  春なので寒くない
10回目 12月 中ア麓  4名 寒くもなかったような?   
11回目 2月 テント泊 1名 黒百合平 夜間にフライシート飛ばされる 風速19m コーラカチコチ
12回目 4月 テント泊 2泊 4名 立山 2泊したが寒くない
13回目 1月 テント泊 1名 鉱泉 意外に寒くない

印象に残った宿泊経験は、1回目の出合い小屋泊、2回目のタカマタギ泊、5回目のツエルト泊、6回目のツエルト泊の沢、去年のソロテント泊。

他の無雪期のラクラクテント泊は数に入れていない。念のため。

■ 冬のツエルト泊

今回はテント泊してみて、これならツエルト泊だと楽だな~と思った。冬はどうせ樹林帯にしかテントを張らないからだ。

テントは自立するので、設営が楽なのがメリットだが、樹林帯であれば、ロープを張って晴れるので、ツエルト泊でも問題はそうない。

各自でツエルト泊だと軽く、プライバシーもあっていいのかもしれない。

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