Sunday, November 15, 2015

エベレスト 3Dを観ました

■ エベレスト3D

先週は、お給金がでたのだが、マネージャが「エベレスト3Dはみましたか?」なんて言う・・・

「今週末で上映終わりですよ」 などと言われ・・・早川町紅葉&温泉 → エベレスト 3D、になってしまった・・・(^^;)。 ま、いっか~

■ 700万円

「700万円あったらエベレストに登れるよ~」なんて、よく言われる。その700万円と言う価格の、引用元は、これに違いない!と思った・・・。

アドベンチャー・コンサルタント社の公募登山が65000ドルだったことだ。

ニュージーランドのツアー会社だった。

■ 判断の良否が議論のテーブルに

私は高所登山には興味がない・・・。・・・のは、日ごろ低血圧で、酸欠などには、ひときわ弱そうなのと、あまり名誉を追うような登山は、素人っぽく見えるので、したくないな~と思っているからだ。

玄人好みなのだ(笑)。富士山もキライだし、槍穂も派手だから、という理由で、あまり好きではなかった(一応、登山者として滝谷などリスペクトしている)。

ので、エベレストは、”高所遠足”、と言われるくらいだし、興味がないのであったが、今回映画を見て、

 判断の良否

が生死の分かれ目であるところが、やはり一般の人を含む我々登山者をとらえて離さない面だな~と思った。

山は、誰が登るかで、安全度が違うものなのだ。エベレストは、その点が特にシビアにでる、というわけだ。誰にでもその仕組みが分かりやすい、のであるし。

なので、登山の判断を考えるという点で見ても損はない、と思った。

■ 1996

1996年のエベレストの大量遭難は、登山史に残る大遭難のようで、この『エベレスト3D』以前にも、映画化されているそうだ。

でもって、これは、たぶん、登山者なら知っておくべき、遭難劇のように思える。

山の大小はあれど、判断は判断で同じで、安全のためには、質的に良い内容の判断をするべきで、その質の良い判断がどういうものか?ということが、この遭難から学べるからだ。

遭難劇の詳細はウィキペディアに記載がある。

■ ロブ・ホール派 vs スコット・フィッシャー派

公募された登山隊にも、二つの系統があったようだ。対比を明確にするために単純化していることにご容赦いただきたいが・・・

 ホール派: 誰でもOK派。
 フィッシャー派: 登山は自己責任派。実力がないと参加させてもらえない。

映画の最初のほうで、混雑という問題が挙げられる。

昨今、混雑は、エベレストだけの問題ではないかもしれない・・・槍穂も混雑がすごいらしく、また、ジャンダルムも同じように混雑しているらしい・・・確かに今年の夏、重太郎新道では、「えっ?こんなよろよろで歩くの?」というような人がたくさん歩いていた・・・。上から人も降ってくる。

その混雑問題を緩和するため、両隊は、協力し合うことになるんだが、タイプが違うと言って、最初からあまりフィッシャー側は乗り気ではない。

■ ロブ・ホール

で、映画で描かれている内容にあくまで絞ると・・・

ターンアラウンドポイント、つまり、時間リミットが午後2時登頂、なのに、リーダーのロブ・ホールさんは、弱いメンバーのダグさんが、3度目のエベレスト登頂で、「今度こそ」と言うのに対して、情に流されてしまうのだ・・・。

ダグさん、3時過ぎているのに、稜線はまだ先だった。16時頃にまだ山頂にいることに・・・。

これは、ごく普通の山でも、とっても遅い。16時だったら、山小屋に入ってギリギリ叱られない、というレベル。

その判断をしたのが、人情派のリーダー。

■ 同じ天候、同じ日の同じ条件でも無事だった人もいる

ロブ・ホール隊の中でも、ちゃんと普通に降りてきた人たちもいる。

タイムリミットの14時を下回る、13時登頂にしたたものの、混雑のために登頂を断念した人たち(ハッチソン他)だ。

八ヶ岳も同じで、わたしと夫も遭難があった日、山にいたが登頂は最初から目指さず、悪天候から逃げるようにして山を下りている。

弱気の判断が山では必要だなと思うんだが・・・。

■ 難波康子さん

難波さんは、ホール隊の顧客、つまり、山頂を金で買う側として参加しているのだが、なんと、最終キャンプまでたったの300m手前で力尽きてしまったのだそうだ。なんと惜しいことだろう。

感想リンク

■ ベック・ウェザーズさん

同じ顧客のベックさんは、難波さんと同じく死んだと思われて置き去りにされているのだが、なんと、自力でキャンプに到着。

それでも死んだとみなされているのだが、国に残した家族の働きかけがあって、ヘリ下山し、一命を取り留めている。

難波さんが亡くなってしまったのと対照的に奇跡的にしぶとく生き残っている。雪目になったらしく、行動不能で逆に体力が温存されたのかもしれない。

登山の成功とは、ピークハントではなくて、生きて下山するまでと言われる。

生きて帰る、ことを最優先とすると、体調が悪化したら、待機させる、山から降ろすということを最優先するように思考回路を切り替えなくてはならない。

体調が悪いのに登る、ってのは、ナシだ。 山から元気をもらうのではなく、山は元気な時に登るもの。

■ 関連本

この登山では、リーダーはどちらも亡くなっている。

ロブ・ホール隊に顧客として参加していたジャーナリストが書いた暴露本。



逆の立場、スコット・フィッシャー隊にいたガイドが反論として書いた本。

一方を聞いて、沙汰するな、と言われるので、この2冊くらいは読まないと、全容は客観的にはつかめないだろう・・・。




■ 生還本

奇跡の生還をした、ベックさんの本は、アマゾンによると評判は今一つ悪い。どうも、プライベートな個人の人生に与えた影響の方がメインの記述の要であるからだ。




ということは、大衆が聞きたいことを書いているのは、ジョン・クラカワー本、ということになる。

■ 映画の予告編

こちらは興味がわいた人へ・・・。

 エベレスト3D オフィシャルサイト

映画自体はすごく良くできていると思った。前に見た、トンデモ登山映画(『岳』とか、『バーティカル・リミット』)とは、格段に違う。登山をする人が見ても、変なことがでてこない。

ユマールも普通だったし、ピッケル、アイゼンも普通。あんまりピッケルを活用しているようには見えなかったが・・・



■ 同じ遭難の別の映画

この遭難は何度も映画に描かれているらしい・・・


■ 7回登頂した人

知らなかったが、日本人でエベレストに登頂した人はいっぱいいる。

中には7回も登った人もいる。なんとカメラマンの方で、他の人の登頂に付き合って登っていたら、7回になってしまった、ということのようだった。

つまり、欲に付き合っていたら、欲がない人のほうの登頂回数が増えてしまったということだ。あれま!

■ 映画の効用

こういう映画は、たぶん、皆で見ると良いと思う・・・というのは、判断が映画の感想から伺えるからだ。

人は、どうしても、自分と似たキャラクターに、自分を重ねてしまう・・・

どのキャラに自分を重ねるのか、それが今の自分であるとも言えるかもしれない。

ちなみに私が共感してしまったのは、

ベースキャンプで、隊をサポートするヘレン・ウィルソンのアシスタント役の若い女性。

ベースキャンプでの交信では、必要最低限のことしか言わない。しかし、その言葉の間ににじみ出る情感が、山を分かっている者には重くのしかかる・・・

その辺の押さえた感じが印象に強く残った。




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