Monday, September 28, 2015

焚火

■ 秋のお支度

今日は、甲府はやっと連続2日の晴れで、秋の支度に忙しくしている。

秋風がそろそろ冷たい。でも、私は肌が弱い。衣替えも、洗い立てのフレッシュなもの以外は、着れない。

今年の9月はとても雨が多かったから、こんなに、のんびり晴れた日は貴重で、今はホントは岩にでも行きたい気分。

とはいえ、衣替えという後方支援が追い付いていないと、気持ち良く山にも行けない。

■ 小さな炭火

目からウロコの発想?!
フリークライマーのモウアラさんご夫婦が、小川山で炭火焼きをしてくれた。 

じゃん!

五徳をL字金具で作り、土台は、なんと蒸し器。あの羽が重なって小さくなるヤツだ。

へぇ~と思った。そういえば、レストランでも、小さな火鉢に墨を入れてくれることがある。

私も冬に自宅で、火鉢に挑戦したくて、実は家に豆炭入れがある。マンションだと庭がなく、色々ネックで使ったことがないけど。

”焚火”と言えば、地面から直接する焚火を思っていたので、卓上炭火、というアイディアに驚いた。

小川山は焚火OKだけれども、最近はキャンプ場では、焚火の跡を嫌うのか、直火NGのところもある・・・。

モウアラさんたちは、そう、実はテーブルや椅子を用意してくれていたのにも、新鮮さを覚えた。山ヤには考えられない高級装備だからだ(笑)。

でも、よく考えたら、アメリカでも、オーストラリアでも、友人たちは、自宅の庭で、炭火を起こしてバーベキューでもてなしてくれたし、日本の農家でも、半割りにしたドラム缶で、焚火して、焼きそばパーティをしてもらった。

火には容器があるのが、一般的には普通のことかもしれない。 

■ ノーと言わない

小川山と言えば、登山を始めた頃、金峰山に登りに行き、たまたま、クライマーと隣り合わせになって、仲良く、赤ワインを空けたことがある。

その人たちは結構ベテランだった。翌日その人たちが小川山物語に取り付いて、岩に張り付いているのが登山道から見え、びっくり仰天&戦慄・・・(><) (もちろん、当時はそれが小川山物語という課題だとは知らない)

今では、そうやって岩に張り付くのに、ビレイヤーがいないと文句を言っているのだから、人生とは面白いものだ。

フリーから山に入っても、アルパインから山に入っても、山は山だし、結局は同じところに収束して行く。
くたびれたビリー缶 蓋との比較に注目!

出会うべき人に出会っていくのだろう。

フリーにはフリーの楽しみが、アルパインにはアルパインの楽しみが、沢には沢の楽しみがある。

金峰山を初めて登る、一般登山者でしかなかった、あの当時、一目で恐怖に震えたフリークライミング・・・。

8~9割の登山者がそうするように、挑戦もせずにノーと言っていたら・・・

・・・今ある私はないだろうなぁ。

モウアラさんたちに沢でやる、大きな火を見せてあげたくなった。実は、煮炊きも焚火でしてしまうんですよ。ただ鍋は猛烈にくたびれますが。

テーブルもなく、椅子もなく、ただあるのは、沢のせせらぎと、真っ黒で大きくのしかかるような山の稜線、漆黒の森、谷間に見える、たくさんの星・・・。

小川山で焚火になれたら、ぜひ沢を案内したいと思った。焚火を愉しむために沢に来て欲しいなぁ・・・と思ってしまった。

岩も沢を詰めた奥にあることが多いですしね。”なんとか奥壁”とかよく言う。

■ 荒川源流の大きな焚火

そういえば、先日、荒川源流を旅したとき、ものすごく大きな焚火を作った。それも、結構カルチャーショックだった。

薪は、私の背丈を越え、直径にして、20cmもあるような、太い丸太も燃やしてしまう。

普段、作る焚火が”犬小屋サイズ”とすると、この時の焚火は、”畳み一枚分”くらいあった。



小川山でやったら、周囲のキャンパーたちに大注目を浴びるだろう、という大きさだ。

ただ問題は、湿った薪に火をつけるのはとても難しいこと。

なんとガスバーナー登場。我が家では、畑をしていたときに害虫退治に一役買った道具だ。本当は、クレームブリュレのキャラメリゼ部分に使う予定で買ったのだけど・・・(笑)。

ガスバーナーを見て、夫の元君なら、絶対に文句を言うだろうな、と思った。

・・・というのは、夫はボーイスカウト歴が長く、焚火とみると、それこそ、火がついてしまうみたいで、新聞紙1枚どころか、半分で確実に着火することを自分に課しているから。

元君ならきっと、何が何でも、道具なしでつけようとしてくれる。実は、熱い男なんである。

■ かまど

かまどで鍋!
前に、御室小屋に行った時、彼は、頼まれもしないのに、かまどもこしらえてくれ、すっかり、鍋パーティになった。

後で一緒に行ったガイドの三上さんが愚痴るので、聞いたら、ホントは焚火は温まるだけのつもりで、実は、調理はガスでやる予定だったのだそうだ。

ガイドさん曰く、「鍋は誰が洗うの・・・?」

そう、焚火で調理すると、鍋がすっかり年季入りになる。

私も滝川にビリー缶を持って行ったら、とってもいい感じにくたびれた。実は気に入っている。なんでも、新しいものは、あまり好きでないからだ。古いものが好き。

御室小屋は、廃屋で、焚火にちょうど良い廃材が、薪を集める労せず手に入る。3月だから、テントにしたが、沢では普通は、タープだ。重くても平気な人は、ブルーシートで事足りる。

乙女の焚火
■ 焚火ごろ寝

荒川源流では、タープで寝たのだが、思えば、焚火の傍で、ごろ寝してみればよかった。シュラフカバーが穴だらけになるかもしれないけれど・・・。焚火で、すでに私のテントには穴が開いている。

自分自身の焚火は、今夏は伝丈沢で5月に、女性の友人と二人でやって、とても楽しかった。

こっちの薪は、まだ梅雨前だし、山梨の乾いた冬から、春に空けてすぐなので、薪がカラカラに乾いており、燃えすぎるくらいよく燃え、延焼が不安なほどで、石で防火帯を作ったくらいだった。

女の子二人の冒険隊・・・とっても楽しかった。

お転婆?

私は小さいころ、そんな言葉とは無縁に育った。

家庭では、小さな母親として家事に忙しく、学校では優等生として、委員長やキャプテンを二つも三つもこなす超多忙な子供時代だった。多忙の間をぬって、読書に現実逃避。



だから、そびえたつ滝を前にして、どう登ろうかとルートファインディングしている時、「滝登りするなんて、やっぱりお転婆だよ」と言わて、ちょっと褒め言葉に聞こえたりした。

そっか、これってお転婆なんだ。

滝場は沢では必至だから、必死(笑)。 

私がトップを行くのは・・・、登れる!と・・・つまり、登攀力がある!と思っているからでは、ないかもしれない・・・

・・・でも、とはいえ、私が行かなくては、誰が行くの?とは思っているかもしれない。

やっぱりお転婆?






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