Saturday, July 25, 2015

あなたにはできない → できる 

■ あなたにはできない!

登山を始めたそのころ・・・、アブナイ、アブナイの大合唱を受けました。 その”アブナイ”は、言い換えると、

 ”あなたには無理だから、お金を払ってツアーに参加しな!”

という意味でした・・・(^^;)。 でも、私は、

 世の中が私にこうしてほしいと思うこと(=お金を払う&ツアー参加)ではなく、

 自分の力の範囲でできる、自分らしい登山

をしたいと思ったのです。謎なのは、普通の一般登山もアブナイからダメ、無理と、皆が考えているようだったことでした。

■ (みんなが不可能と思うこと) → (可能) へ

私は、

 誰が考えても無理っ!

ということを実現したことが、実は一度ならずあります。

一つ目は、

 たった一人での大学進学

です。判断も自分持ち、犠牲も自分持ち。親に出してもらったのは17万円だけ。後は自分でなんとかし、今年やっと大学ローンを払い終わりました。振り返って、普通の学生生活より、面白い経験ができたと思います。

二つ目は
 
 海外留学 & 語学力の習得

です。今は分かりませんが、当時は一人子供を留学させるのに1年300万円と言われた時代。留学と言っても、働きながら語学を習得したのですが、得れた成果(=語学力)が同じであることを考えると、むしろかなり経済的にお得なやり方だったのかも?と思います。

三つ目は、

 メーカーの開発部で働いたこと

です。子供の頃、将来、コンピュータ関連に着こうと思い、14歳の当時、自分でBASIC言語を勉強しました。そのおかげか、学生時代はインターネットの使い方を人に教える仕事をしたり、ファームウェアのセットアップの仕事をしたりして、文系学部に進んだにも関わらず、メーカーの開発部で働きました。

職場では、ほぼ全員が電気工学などの関連学部卒の中、私は紅一点、文学部卒で、完全に無免許運転でしたから、多くの人ができないと思うことを、実現した、と言えると思います。

4つ目は、

 商社での仕事

です。 夫の転勤で、福岡にいたときにやっていた仕事です。大阪時代に、ビジネススクール(自腹)に通っていた努力が評価され、全く畑違いの仕事でした。

最近、夫は研修で、ファイナンスを勉強したのですが、私はこの仕事で、夫より6年も前に、ファイナンスの基礎を学びました。キャッシュフロー経営やら、P/Lやらを学びました。スタートアップへの出資なども行っている業務のアシスタントだったのです。

5つ目は

 ヨガを教える仕事

です。今の時代は、有資格者のインフレにありますので、資格があっても、それを生かせる機会が与えられることは、めったにありません。

ですから、やはり普通はなかなかできないことが、可能になった、ということができるかもしれません。

これは、私は長い間趣味のバレエを続けていたために可能になりました。バレエをやっていたときは、ただ楽しくバレエをしていただけで、まさかヨガのイントラとしての未来が開けるとは思ってもみませんでした。

そして・・・6つ目が

 一般登山 & 雪山登山 & ”本格的”がつく登山 & クライミング

です。

7つ目は

 沢登り

です。

クライミングも沢登りも、世間一般が無理=不可能と思っていることを、可能にした

と言えると思います。特に単なる登山ではなく、クライミングや沢はそうです。

特に、沢登りは、初めての沢で「絶対ムリ!」ほどの強い語調で否定された分野です。誰もがまさか、行けるようになるとは思っていなかったと思います。

ところが、今では、登攀要素が少ないズミ沢程度ですが、自分で行くことができるようになりました。

そんなこと誰が可能と思ったでしょう?

■ 古いシナリオ

たぶん、無理無理と言ってくる人は、古いシナリオを基にしているのではないでしょうか?

女とはこういうものだ、登山とはこういうものだ、そういう、いわゆる”常識”です。

ところが、時代は移り変わるもの。

なんと先日は小川山で、72歳の高齢女性にあったくらいです。つまり、高齢でもクライミングを愉しめる時代です。そんなこと、誰も教えてくれませんよね!

だれですか、35歳以上はクライミングお断りなんて言っているの(笑)。

さらに言えば、沢も同じです。沢歴50年と言う方に年齢を聞いたら、なんと75歳の方でした。女性です。先日は、女性パーティだけの、上ノ廊下遡行記録を読みました。羨ましい~。

もちろん、

 ・私はまだクライミングは2年目で初級者の域を出ず、
 
 ・沢登りについては、単独ははばかられるような初心者

です。つまり、

 まったく何かを達成したといえる段階にはない

です。玄人の目で見て、一人前と思え、自分自身でも一人前と思える、そういう状態になるまでは、あと1、2年は、最短でもかかりそうですが、そうはいっても、その状態が空想できる、段階まで来ました。

そんなこと、登山を始めた5年前、講習を受け始めた2年前には想像もつかなかったことです。

登山を始めて5年目、つまり、フルシーズンでは4年満期の成果としては、まずまずの出来ではないかと自分では思っています。

■ 大事なこと

こうした

  誰が考えても無理  → 可能

になる時というものは、振り返ってみると、非常に強い恐怖を伴っていた、と思います。

怖いのです。

というのも、みんなが無理だ、というのですから、怖いのは当然ですね。みんなが脅してくるし、当然ですが、初めてのことをやるのに自信がある人などいません。

だから、怖いときと言うのは、やるべき時と言うことです。そして、怖いときと言うのが正しいことをしている時の感覚です。この怖さは未知へ対する怖さ、チャンスを取って賭けに出るときの怖さです。

18歳の女の子がたった一人でお金もないのに進学できると、だれが思うでしょうか?

二十歳の女の子が、たった一人で、財布に2万円しかないのに、どうやって海外留学できると、だれが思うでしょうか?

文学部卒業(それも就職氷河期に・・・)した人、それも女性・・・が、どうやってコンピューター関連職種につけると、だれが思うでしょうか?

それまで理系職種しか経験がなかった人が商社OLに採用されると、誰が思ったでしょうか?

趣味のバレエを楽しく学んでいただけで、ヨガのインストラクターになれるとだれが思ったでしょうか?

・・・・。

ですから、みなさんにも自分の可能性を閉ざさないで欲しいのです。

多くの人は、普通の登山に一人で行くだけでも

 すごい!私には無理っ!

と思うみたいです。

私もまさか、初めて三つ峠に行った時から、たかだか4年程度のちに、自分が人を連れて屏風岩に本チャンの練習会に行くようになるとは、思ってもみませんでした。

 「私には無理っ!」

そう・・・私も、そう思っていた、思わされていたのです。

ですから、「わたしには無理っ!」と思っている人の気持ちもよく分かります。

でも、「どーせ無理」って言わないで欲しいな~と思うのです。

 無理かどうかは、やってみて決める

それが大事なことです。

■ 大事なことリスト

一つ目の経験で学んだことは、

 ”なんとかなる”のではなく、”なんとかする”

ということでした。

二つ目の経験で学んだことは

 チャンスの女神には、前髪があっても後ろ髪はない

と言う事でした。

3つめの経験で学んだことは

 情熱が道を開く & 叶う夢の形に条件を付けてはいけない

と言う事でした。

4つ目の経験で学んだことは

 努力を見てくれる人は必ずいる

ということです。

5つめの経験で学んだことは

 何が福と転じるか分からない = 目の前のことを頑張る

ということです。

そして、6つめの登山(クライミング)で学んだことは

 変わることを恐れてはいけない

と言うことです。

私は子供のころから、スポーツは苦手の読書好きです。つまり、ぜんぜん畑違いと思うこともできます。

大阪の頃の私を知っている人が今の私を見たら、全く別人です。

■ 常人は、ベイビーステップで行きましょう!

いきなりすごい山に行って、いきなりすごいことを実現する人も世の中にはいます。

私もときどき、そういう人と間違われます(^^;) 

でも、このブログを見てくれると分かる通り、いたって普通のことを丁寧に細かく噛み砕いているだけです。考える、ということを怠らなかった結果、成立した登山です。私はThinkerです。

私がここまで5年で来れた理由は、

 誰でもできるような、小さい目標で、じわじわステップアップする

からです。

少年よ大志を抱けと言われますが、例えば、〇〇で日本一になる、などの大きな目標を立てると、目標へ到達する手段も分かりませんし、目標はなかなか近づいて来ないし、目標を達成できない自分に嫌気がさしてしまって、自信もつかずなかなか前に進めません。

完璧主義が頭をもたげてしまうのは、目標が大きすぎるというサインかもしれません。

■ 個人の時代

もし、クライミングや沢登りをしたいと思っていて、

 アナタには無理っ!

と言われている人がいたら、ぜひ私と同じようにやってみてもらいたいなと思います。

望めば道が開けます。望まなくて、ただ運だけがあっても、ダメなのではないでしょうか。

今の時代は、

 個人の時代

だそうです。

昔は〇〇山岳会に属せば自動的に先輩が山に連れて行った世の中だったのでしょうが、そうやって集団に属して、引き上げてもらう仕組みは崩れています。あるいは登山ブームだからと山に行く・・・と、大混雑でひどい目に遭い、たぶん山を嫌いになってしまいそうです。

損得や自己顕示欲より、自分自身のやりたいことだから・・・という理由で、主体性を持ってやる、そんな単純な姿勢が、今の時代の人間にとっては、心の充足、個人の幸福のカギを握っている・・・そんな時代だと思われます。

どんなことでもいいから、「あなたには無理」と言われたら、「ホントにそうかしら?」と思って、無理なのかどうか、実験するつもりで、やってみたらいいのだろう、と思います。

もしそれが登山やクライミングだったら・・・手伝えることは手伝ってあげたい!と思っていますので、ぜひご連絡くださいね!

自分自身が登山において歩んだ道が大変だったので、同じような人の役に立てることがあれば、何なりと、と思っています。

・・・ということで役目を終えたこのブログ。というわけで、当ブログはこの記事をもって終了といたします。

 


≪後記≫

たくさんの皆様から、コメント内外で、残念だとのお声をいただいて大変恐縮しております。

世の中には、同じように困っている人がたくさんいたんだろうな~と想像しました。

ご愛読ありがとうございました。

5 comments:

  1. お疲れ様でした♪

    読者として しばらく楽しませていただきました。有難うございました。

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    1. こちらこそ、有益なコメント、ありがとうございました☆

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  2. はじめまして、mooalaです。
    そしてもう、サヨナラなんですね。

    私は岩しかしてないですが、自分で行って帰るがモットーの極小クライマーです。
    なので、なんとなく似たような事を考えてる方がいるなぁと、時々お邪魔していました。
    短い間でしたが楽しくかったです。
    過去の記事はまだ全部読んでないので、ゆっくり読ませていただきます。
    これからもいい山/岩との出会いがありますように。(お互いに)

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  3. モウアラさん、

    コメントありがとうございます。最近はクラックと沢に嵌っています。が、本来は私は雪をしたかったんだよな~と思いだし中(^^;)。

    今週は遠くからの友人が来ていましたが、彼女曰く

     ネパールはキライ なぜならシェルパを使う山だから

    なんか分かるな~と思いました。

    色々な山がありますが、自分の力で出来る範囲の山を愉しんで行きたいと思います。

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  4. はじめまして。
    金峰山から辿り辿って、こちらへ伺いました。
    そして、最新の更新が最終回…
    しかし、とても勇気を頂ける言葉の数々。
    ありがとうございます。
    最初から、少しずつ読ませて頂こうと思っています。

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