Thursday, December 18, 2014

ダブルでトップロープ?

■メーカーカタログがベスト

ロープを選ばなくてはならないとき、メーカーの動画やカタログをよく読んでいると、全体像が分かります。

これはエーデルリッドのラインナップ例です。7本のロープがあり、それぞれ用途が違います。

インドアクライミング 10.1mm
スポーツクライミング 9.8mm
高難度スポーツクライミング 9.5mm
マルチピッチクライミング 9.2mm
氷河歩行 8.5mm
マウンテニアリング 8.2mm
アイスクライミング 7.7mm

です。これらの径は参考になる数値です。 

■ ダブルでトップロープ

で、今日の議題は(笑) ダブルでトップロープしてもいいのか?ですが…

 していい

けど

 ダメ

です(笑)。 

■ していいの解説
 
していい、というのは、ダブルロープで登っていると、末端それぞれにクライマーがぶら下がっていることは良くありますよね?二人フォローがいるケースです。普通です。

その場合、フォローはトップロープですよね? で、墜落すると?静荷重の墜落です。大した墜落ではないです。

私もアイスで30cmくらいスタンスが外れて、ずりっとなってセカンドで良かった~と思ったことがあります。

これは、トップロープでの墜落と同じです。でも、リードでの墜落と違い、上手にゆるみがないようにビレイしていたら、落ちてもロープの伸びの分だけです。

■ ダメの解説

しかし、一般に”トップロープで登る”と言って、 上記の”していい”のケースを思い浮かべる人は現代ではです。

皆が思い浮かべるトップロープと言うのは、リードフォローのフォローの状態ではなく、ゲレンデで登ってはローワーダウンを繰り返すすだれの壁のほうです。

そのような使用では、トップロープになっているロープは、クライマーが地面にいるときがロープの長さが最長で、ルートの2倍の長さが出ていますよね?

例えば10mのルートなら、20m出ています。

そして、ダブルのロープと言うのは、シングルロープより伸びが大きいです。

 シングルロープ静荷重伸び率 5.7%
 ダブルの静荷重伸び率     7%

と仮定します。 20mの時点だと

 シングル 114cm
 ダブル   140cm

出ます。以前大滝で50mを2本連結したトップロープでは3mくらい出ていました。

まだ離陸していない1m位のところで落ちると、114cm落ちたらグランドします。別に足がつけるので、平気ですけど、ダブルだともっと出ますよね?

つまり、良く伸びると言うことです。

シングルではなくダブルでやると、余計伸びます。つまり、へたくそビレイヤーには向きません(笑)。

その上、初心者の場合のトップロープと言うのは、張ぎみを通り越して、常にテンション=引き上げ状態であることも珍しくありません。

実際私たち夫婦が体験クライミングでアイスに行った時は、二人とも引きあげられていた、と確信できます(^^;)。
そのような使い方は、つまり、プーリー現象で、一点の力点で、ロープをゴリゴリとしごくことになるのと同じです。

■ ローワーダウンは最悪にロープが痛む

クライミング初心者な方が、みな知らないのは、ローワーダウンがすごくロープに悪く、ロープが痛むと言うことです。

体重をすっかり預けたまま、ロープをしごいているのですから、当然ロープに悪いのは常識の範囲で分かることですが、ロープを購入しない間は、そのことには自分のことでないので気が付きません。

コンペなどでトップロープしか使わない場合は、セミスタティックの、伸びないロープを使っているそうです。

で、ほとんどの人はトップロープと言うのは、リードフォローのフォローのことではなく、ゲレンデでショートピッチで登り、「テンショーン」と言って降ろしてもらう、一連の流れを意味しています。

ですから、ロープの伸び、という知識が欠落した人は、無造作な所作を行います。ローワーダウンして何が悪いのか、分かっていないと思いますし、それ以前にローワーダウン以外の降り方なんて想像もできないのではないでしょうか?

「伸びるロープだから、下ではぶら下がらないように」と、注意しておいても、離陸から、ハングドッグします。

■ 伸びと墜落の関係が分かってから

ダブルでトップロープ私はしてもいいと思いますが、それには

・伸びるから、リードの墜落が安全になるし
・伸びるから、グランドの可能性が増える

という伸びの持つ相反する部分をよく理解していることが大切と思います。

そうでない人は、ビレイヤーってただロープを持っていたらいい、とか、引っ張り続けることだ、と思っています。

そういう使用では、ダブルのロープすごく痛みます。

トップロープで登っても、終了点でローワーダウンせず、懸垂下降で降りてくれば、ロープの痛みは最小で済みます。

まず離陸する瞬間が一番ロープの長さが長い、それも分かっていない人だとダブルでトップロープのビレイヤーをさせるのは危険です。

私は自分のロープが8.5mmのダブル30mでスタートしたので、全然それに体重を預けるのを不安に思ったことはないのですが、クライミングウォールに慣れていた相方などは、「ほっそーい!」と感じることもあったようです。

私は逆に11mmのロープって、「太っ!」(確保器に入んないよ~)と思いました。結び目も作りづらいです。

しかし、落ちるには安心です(^^)

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