Thursday, January 9, 2014

甲斐駒の反省

■ 甲斐駒

甲斐駒は本当に良い山行でした・・・(しみじみ…(笑))。

 ・一緒に登る相手と
 ・天候

の両方に恵まれ、努力して勝ち取った山頂、ではなくて、山の方が私に懐を開いてくれ、ラッキーで登れた山です。もっとも易しい状態の雪山でした。

なので、体力・スキル的にも余力を残した山でした。それは下山時刻の早さ(14時)に現れています。

登山は3回おいしい、ということですが、PDCAサイクルと同じです。この山で解説すると…

 ①Plan  ・・・核心は風であると予想し、天気図とにらめっこして、風は穏やかと予想
 ②Do    ・・・実際に行ってみたら
 ③Check ・・・本当にそうだった!

ってことです。

無風と言っても登山不適になるほどでないという意味で、地形的に風が強くなるところは、当然あります。北側の斜面では風はもちろんありました。

一般的な雪山事情を知らないと、私が「風がない」と言っても「どこが~?!」と思うと思います。 

■ 計画を立てるときは核心は何か?を考える

計画を立てるときは、

  核心は何か?

で、考えます。 今回は

 ①風
 ②ビビり

でした。 

風は樹林帯であれば守られていますから、ずっと樹林帯の5合目跡までは風が多少あろうがなかろうがトライはできます。

ビビりは、有名な梯子の連続についてのことです。梯子が怖くて先に進むのに異様に時間がかかる、などあれば、もちろん、その山に登るべきではありません。

■ 撤退するポイント

この2点(風、ビビり)を総合すると、天候が良く他に登山中止にするような理由(気分が悪いなど)が見当たらない場合、撤退を判断する地点はどこだろうか?ということになります。

私は当初、七合目の七丈小屋までは特に困難なく行けると予想していました。風がない樹林帯だし、問題は体力で、体力はあるからです。

なので、この山行のポイントは風だと考え、七丈小屋から上が核心部。撤退判断は風の強さでする、と考えていました。

■ 行って見た結果 分かったこと

そういう心づもりを持って山に入り、行ってみて分かったのは、下記です。

 1)五合目跡地 …ここまでは樹林帯。ここから先、高度感のある梯子連続
 2)七丈小屋 … 安全地帯。 ここから先、稜線に入る
 3)森林限界を抜ける所 … ここから先、風からの逃げ場がない

です。

 ・ビビりが入れば、1)でお終い、
 ・体調が悪かったり風が強すぎれば、2)でお終い、
 ・風が強くて飛ばされるなら、3)でお終い

です。

もちろん、これはこの時期の甲斐駒であるからであって、もっと雪の多い2月であれば、ラッセルとトレースの有無が課題になるかもしれませんし、夏ならば体力がもっと課題になると思います。

要するに、山が登山者に要求してくることは、季節や天気、その時々で全然違うのです。

ただ言えるのは、その時想定できる課題(リスク)の一番状態の悪いものを予想して準備することです。

■ 上がった経験値

この山で今回くらい風がなさそうな、のんびりとした等圧線の天気図の予想の時でも、どれくらいの風が地形的に強風が予想される箇所で吹いているか?という予想が次回からはできることになります。

それが経験値が上がるってことですね。 先輩は自分の物差しと言っていました。

私が経験した甲斐駒は、大変機嫌が良く、優しい表情の甲斐駒君でしたので、機嫌が悪いときはもちろん、やっつけられる可能性があります。

このような機嫌がいいときの山に当たった場合、もっとも大きなリスクは、”これで甲斐駒を知った気になる”ということです。

■ 甲斐駒へ行く人へアドバイス

・七丈小屋は温かい小屋なので、寝具つき素泊まり(4500円)がおススメです

・お湯は使い放題です

・お食事は期待できません

・体力が要る、長いルートです

・梯子連続で高所恐怖症の方にはおススメできません

・アクセスは竹宇神社駐車場が広くトイレもあり、標高が低いのでスタッドレス要らず

・防風対策は万全に

・ロープは念のためです。アイゼンワークが不安な初心者やどれくらい高度感が怖いか未知数の人のため

・登山道は全体にたいへんよく整備されています

・小屋番さんはお土産を受け付けません

・ワイン(瓶 2200円)、ビール(700円) 

・簡単な食事(羅王、レトルトお赤飯、など)があります。行動食は持って行くべきだけどカップラーメンくらいは小屋で手に入ります

・通常小屋泊でもあったらうれしいダウンパンツは要りません

・枕が備え付けられていません

■ お山は数珠つなぎ

とはいえ、今まで日向山には登ったことがあっても甲斐駒にはなかったので、たとえば、鞍掛山や日向八丁、鋸岳には全然興味がありませんでした。

見えると、あっちはどうなっているのかな?と思うのが人情なので、一つの山の一般ルートを経験すると、その山の隣のピーク、そして、バリエーション、それから沢や岩に興味関心のとっかかりができます。

その山域の全体像を知りたくなる、ってことですね。 そういう風にすると、だんだんと山の個性も見えてきます。

そうしたうえでたとえば、まったく違う山域の北アなどに行くと、甲斐駒をよりよく位置づけられるわけですね。

そういう風に考えると、山は大変面白いです。

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