Monday, January 20, 2014

雪崩れの勉強中・・・

とりあえず、テキストをまとめました。 

■雪崩について

1)雪崩れリスクの性格

・雪崩れは山岳遭難全体の1%ほどで発生頻度は低いが、一旦発生すると深刻な事態に陥ることが多いという性格を持つ。 (参考として山岳遭難の4割は道迷い。)

2)雪崩れリスクを事前に評価する

・既に発生している雪崩はないか? あれば一帯が同じ弱層がある。
ワッフ音がないか? 下に弱層がある
弱層テストを行う(テスト者の安全、その地点の代表性に留意)

2)雪崩れの発生条件

 雪(Snowpack)+ 地形 + 天候 + 登山者 = 雪崩事故

・登山者がいなければ雪崩は自然な現象であり、事故にならない。
登山者がトリガーとなることが多い。
風下は雪が厚く積もりやすい=雪崩れやすい
・植生にも注意

3)雪崩のタイプ

自然雪崩: 普通の雪崩
誘発雪崩: 人がトリガーになったもの。事故のほとんどのケース。

全層雪崩: クラック、雪しわなどで予兆あり
表層雪崩: 予兆なし

点発生雪崩: 一点から楔状に動き出す(小規模。だが侮れない)
面発生雪崩: 広い面積にわたって雪崩れる (大規模)

4)雪崩地形
35度~45度の斜面での発生が全体の80%を占める。
・60度以上の急斜面では雪そのものが積もりにくい。

5)雪崩れ発生条件?

 雪崩れ発生= (弱層) + (荷重(または登山者などのトリガー))+ (面的広がり) 

■弱層について

・普通は時間の経過とともに雪は圧縮され、しまり雪になり強固になる

・何らかの原因で、弱層ができると雪崩れる

1)代表的な弱層: 降雪結晶、あられ、表面霜、霜ざらめ雪、濡ざらめ雪

2)荷重 = 上載積雪 = 駆動力となる

 駆動力は  ・吹き溜まり  ・降雨 で増加する(重さが重くなるため)。吹き溜まりは要注意!

3)面的広がり

・上載積雪がスラブ状だと大きく広がることが多い。斜面に与えた刺激が広い面に伝わりやすいため。

■ 雪崩が起こったら?
・スピード:時速180kmとした場合、300m下に居ても逃げる時間は6秒。
・到達距離: 仰角で、
  表層雪崩: 18度以内
  全層雪崩: 24度以内

■ 雪

A)降雪時に出来る弱層は2つ。
降雪結晶: なかなか丈夫にならない。特定の雪雲からもたらされる。幅広六花
あられ: 積乱雲からもたらされる。

B)積もった雪は3つある。

1)しまり雪: 雪崩れない。圧縮されて丈夫な雪。氷点下での等温変態。真冬日が連続するとできる。         強固な雪。
2)霜ざらめ雪: 雪崩れの原因となる。良く晴れた夜間に放射冷却などで雪の面が冷やされた時。
           コップ状のきれいな結晶。 強い放射冷却。 一旦出来ると長時間残る。
3)濡れザラメ雪: 雪崩れの原因となる。気温の上昇がある場合。球状の結晶。気温上昇や降雨で
            0度を超えると濡れざらめ雪になり、再度氷結すると非常に丈夫になる(乾きザラメ雪)。

4)その他: 表面霜、氷板、ウィークインターフェース(古い雪の上に振った新雪)

5)チェックポイントは4つ。
 ・乾湿
 ・密度
 ・雪粒の形
 ・雪粒の大きさ

■ コンパニオンレスキュー
・居合わせた者が行うレスキュー
・10~20分がクリティカルな時間
・最後まであきらめない
窒息が最大のリスク
・雪崩埋没点は、 遭難点、消失点から可能性の高いところを探す。
 デブリの末端、傾斜が緩くなるところ、岩や立木の影、走路が曲がる場合、外側、遭難点と消失点を結んだ直線の延長上。

■ビーコン
・トリプルアンテナのビーコンを使う
・ビーコンは向きに敏感
・受信と発信を必ず確認する

・ジグザグ法: 雪崩の幅をカバーできる人数がいない場合
・ローラー法: 雪崩の幅をカバーできる人数がいる場合

■プローブ
・鉛直差し:数多く指す時
・垂直差し:ほぼ特定でき、数少ない回数でヒットさせたい時

・ヒットしたプローブは抜かない

1)スポットプロービング 
2)スパイラル
3)フォーマル 40cm感覚で指揮者の「刺せ」「進め」に合わせて行う

■堀出し
・深さに対して、1.5倍下流側から掘る
・窒息をまず確認する

■ 今週末は土合の家

今週末は土合の家で、雪崩講習会です。 夫と二人で参加するのですが、雪崩があるような山には行かないかな~とは思いつつも、夫も八方尾根とか行きたいと言っているし・・・八ヶ岳以外の雪山にいくつもりが、ほんのちょっとでもあるなら、雪崩について一通りの理論的な知識を入れておくのは、もうマナーかな~と思って、出かけてきます。

しかし、出費が痛い・・・今年は、ヘルメット1.7万円、リンクス3万円、クォーク3万円、雪崩講習会5万円(二人分)・・・ もう山に行くお金がな~い!という状況です・・・(汗)

■ 参考サイト

冬のテントアドバイス 
Adventure Upgrade: Camp Comfortably in Winter | Backpacker Magazine

山で見過ごしがちな危険 Widowmakers (Widow=未亡人、を作るような危険)
http://overbrookhospital.net/forum/New-Jersey-Hiking/8813-widowmakers
折れて倒れかかった木は整備されていない登山道で、よく見ます。気を付けましょう。



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