Sunday, December 15, 2013

無名山塾 雪上訓練@富士山


■ 2度目の富士山 

今週末は富士山でのアイゼン・ピッケルのトレーニングでした。

雪煙が上がる・・・

ルートはそのとき来たのと全く同じ。吉田口1合目から佐藤小屋まで。実は使った斜面までもまったく同じ。佐藤小屋周辺の斜面を使ってのトレーニング・・・ 前回はほとんどトレーニングらしいことをできなかったのです、実は。 まったく雪がなかったのでした・・・ なので、浅間神社に立ち寄って、さらに吉田うどんまで食べて帰ったくらいです(笑)。


思えば・・・あの時、私は富士山に「もう少し山を勉強してから出直してこい」と追い返されていたのかもしれません。

あの時の富士山は厳しく、そして、コチコチで、アイゼンの爪もやっと入るくらいで、雪がなく、まったく何もできないに等しい山でした。むろん、1合目から5合目までは歩いたのですが・・・

あれから2年。 私はゲスト参加とはいえ、「今日ピッケルを初めて持ちます♪」なんていう人ではなくなってしまいました・・・。 

アイゼンワークも、どこでアイゼンをつけ、どこでアイゼンを外したら良いか?そういったこともすでに判断ができる・・・ 雪面をアイゼンで捉えることについては、もう慣れっこの領域でした。私がすごいのではなく、ただ、今冬、すでに雪山は4回目だったということです。別に驚くに値することではなく、単純にすでに足慣らしは終っていただけです。 

滑落停止も一応やりましたが、半年ほど前に習ったことはまだ忘れてはいないようでした。この技術は正直、出来たからと言ってあまり役立つ技術ではないと言うか・・・もっとも重要なのは転ばないことです。

今回の富士山は風が強く、厳しく、冷たい山ではありましたが、私にとって10割の山ではなく、8割の山になっていました。そのことがとても感慨深く感じられた山でした。

2年前のあの時は、ただ・・・私が富士山での雪訓にふさわしい私ではなかったのです。

そのことが理解できた山でした。山は急がなくても、そのときそのとき、ふさわしい山が用意される。

そういうことなんですね。 

■ 詳細

 朝は5時馬返し集合です。今回は駐車スペースに入りきれないほどの車でした。 ヘッドライトをつけて歩いて2~3時間で山頂です。1700くらいまで登山道には相変わらず雪がありません。 

※ ちなみに富士山、佐藤小屋がある5合目までは何も危険がありませんので普通の冬山です。誰でも歩けますのですごくはありません。
 テント泊している若者の姿がちらほらと。どこも合宿のようです。大学山岳部が多いような印象。

今日はものすごくたくさんのパーティが入っており、みな同じようなことをしており、富士山が定番だと言うことが分かります。
 
 五合目のスバルラインに出たあたり。きれいに晴れました。
 空と樺がきれいでした。
 朝の様子・・・木の間から見える山頂は、雪煙を上げていました。

ただ朝の様子では、気温は高く、-5度。

ただ風は樹林帯でもちょっと強そうな感じの音を立てていました。
 でも、いつでも山の朝は清々しいですね。
 8:20佐藤小屋着。

佐藤小屋脇から。河口湖方面(北)を眺める。

今日はみごとに快晴です。しかし、雪雲が南アでせき止められている、という理由で、こちら側は快晴。

奥秩父と奥多摩の向こうに埼玉の町まで見えました。

あちらの御坂の稜線はすでに歩いてあります。
 ヘルメット、ハーネス、アイゼン、ピッケルで固めた人々。

帰路です。

講習中はカメラが手元になかったので写真をとっていません。

内容は、滑落停止より、アイゼン歩行に力点を置いた内容でした。

・アイゼンでの直登、斜登降 (フラットフッティング、スリーオクロック)
・アイゼンなしでのキックステップ
・滑落停止

■ 知り合いに会う

帰りに山岳総合センターでお世話になった高橋講師とクラスメートに会いました。

この日はホントにたくさんの会が入り、あちこちで挨拶し合うのでした・・・。

実は私は山岳総合センターの講習会を辞めて、こちらの講習会に参加しているので、なんとなく、申し訳ないような気もしました。

山岳総合センターの講習を公立校とすると、今参加している山岳会は私立校というような感じです。

ただ、誤解がないようにしておくと、教えてくれる内容には、双方大きな差はありません。

ただ公立の登山学校が1年こっきりの付き合いを前提にしているのに対し、私立校の方はカリキュラムが3年で消化することを目安に組んであり(無論、すべてを1年で消化しても良い)、さらに終了後に切磋琢磨する仲間をその後に用意していることが違います。

私が講習会の参加を辞めたのは、講習会と言うものは一回きりの機会であり、その中で教えられることには限界がある、と気が付いたからです。

こうしたアイゼンピッケルトレーニングにしても、他のトレーニングにしても一度参加して終わりではなく、継続的に毎年恒例行事のようにやっておくのが大切ですが、講習会と言う場だと、どうしても継続、というのは期待できないので、山岳会という既成の仲間をもとめたり、自分で仲間を作ったりすることを模索しなければならなくなります。

だから、すでに仲間を用意してくれている会は、講習会で門戸を広げてくれつつも、仲間も用意してくれているというわけですね。違いはそこだけです。

私以外には今回は、二人がゲストで参加していましたが、そうしたことをわかっての参加ではなく、本当にピッケルを持つだけでうれしいという参加でした。

まさに私が2年前に立っていたような場所ですね・・・。 私はそこからすでに遠く隔たった場所にきてしまいました(><)

もう、今となっては既にバリエーションが視野に入り、そうした初々しく夢見がちな時代は過ぎてしまいました・・・遅すぎた客・・・という感じです。 思えば、そういう初々しさに触れるのが、先輩が後進を山に連れて行く理由かもしれません。私はいうなればもうトウが立った野菜のようなもので、新人として連れて歩きたい初々しい時代を過去においてきてしまったのかもしれません・・・ただ山に登るだけでうれしい時代は。

それにしても、この会に教えを乞うた豪雪のタカマタギの山行から、ほぼ1年・・・自分自身の知見がこの1年で一気に拡大深化したことに驚きを覚えます。(基本的に”危機感”によるものですが・・・汗)

危機感による学習にしろ何にしろ、私が今持っている登山に関する知見を得ているのは、山岳総合センターでのリーダー講習という体験があったためです。

むろん、もともとの土壌に水がまかれたような恰好ですが、それでも水がなければ芽は出なかったわけですから、講習会には感謝しています。

今年は6月に富士山登頂したいなと思っています。

No comments:

Post a Comment