Friday, November 22, 2013

山はendlessly interesting

雪をかぶった北岳は荘厳です
朝、夫を送り出して、家事をすませると、大体いつも10時ごろになります。

今日は久しぶりに裏山を散策してきました。

ちょっと散歩のつもりが帰ったら1時半。標高、たった548mの山で(笑)。

■ しばらく山は休み

しばらく山には行っていませんでした。

別に行っても良かったんだけど、わざと行かなかったんです。

一つには体調の悪さがありました。ヨガが体に意識を向けさせるのは、体を日々の生活の羅針盤として使わせるためです。毎日、同じ時間に同じことをしていると日々の体調の微妙な差が分かるようになります。私の羅針盤は、なんとなくNoと言っていそうでした。

また一つには、山へ向かう理由を失っていました。退屈な日常から逃げるというニーズはゼロ(笑)。私は充足していました。山より家にいたかったんです。

さらに別の理由は、私が一つの”謎解き”を完了したからです。私を山に向かわせた理由の最大の理由は、”謎解き”でした。

登山新参者としての謎や疑問の多くが、夏の北ア事情をつぶさに見ることや、講習会の参加で、「な~んだ」というあっけなさを伴って解消されたので、私は探偵ごっこをする必要が無くなったのでした。

山の社会事情は”もうわかった感”があります(笑)。

■ 数値、ブランド、達成感、自分との戦い

私には、○○の地図にある道を全部歩きたい!とか、百個の山を全部歩きたい!というコレクター的感性はなく、さらに数値的な目標は・・・、まったく持っていません。

数値的な目標なんて、遊びではなく、仕事みたい・・・で、あまり好きになれません。

さらに残念ながら、高いところに登りたい!という”登山者かくあるべき”な気持ちもないのです(笑)。スミマセン。

私はその意味で登山者たるべき資格を持ち合わせていないのかもしれません・・・。ホントに。
クライマーは登れたらなんでも、うれしいらしいので。私はクライマーではありません。

さらに言えば、山のブランドにも興味がないし…。

無論、山ヤは自己顕示欲ではなく、自己との対話のため、自分と戦うために山に登っているんだと思いますが、それさえ私にはどちらかというと、後付の根拠かもしれません。

私は自分をわざわざは追い込みません。さらに困難な山を目指すわけでもない。いつも”等身大”でいることを目指しています。

山で自分を高めていく…という気持ちも実はあんまりないかも・・・。これは山が男性のアクティビティで私が女性だからかもしれません。

山における私のステップアップは、何のためかというと、”無理を避けるため”。 無理がなく達成できた山に喜びがあり、無理をして達成していたら、私の喜びは半減するでしょう・・・。(ただ断っておくと、”男は無理してナンボ”ですよね・・・)

そして、登山者として最大の欠陥かもしれないのは、いわゆる山頂を極めることの執着がないかもしれないことです。ピークは登山全体に必要なアクセントって感じです。欠けたら変な感じがするけど、無くてもケーキはおいしい、要は全体のバランスです。

■ 好奇心、インスピレーション、心を奪われる美しさに出会うこと

ただ…山というのは、私にとってendlessly interestingです。

登山と言う趣味を続けている理由は、例えるなら藪山みたいな感じです。

この先に何が出てくるかしら?知りたい。

次から次に、色々と面白い展開が開けるので、目を離せないドラマみたいな感じなんです(笑)

あとは「苦を忘れる面白さ」。

雪の山に行くたびに、寒さや朝の早起きの苦労、色々な煩わしい面倒など、すっかり吹っ飛んでいます。山は心奪われる美しさです。

覚えていることは美しい景色だけ。 そして、いつも行ってよかったなって思うんですよね。

それは要するに、人生の終焉はこのようでありたい、ということであるかもしれません。つまり、死の床に着いたとき(いずれ誰もがそうなります)、いいことだけ覚えていて、悪いことはすっかり色あせて忘れてしまっている、そんな人生でありたいと私が思うからかもしれません。

そういうわけで、山という趣味で、私はオーソドックスな登山者であるかどうか?は、かなり疑問符です(笑)。

私みたいな人は絶対多数派じゃありませんね(笑)

■ 見えなかったものが見えてくる喜び、自由が広がる喜び

富士山が鉄塔脇から見える
今日は裏山…もう知り尽くしたと思ったんですが…まだ知らない道がありました。道だったかどうか…そこは疑問です(笑)

ふと脇に泥と岩が固まった2mくらいの箇所があったのです。斜度70~80度くらい。

なんとなく、脚だけで登れそうだと思って試してみたら、石が抜け落ちましたが…(笑)、とりあえず登れました。そしたら少しの藪の先に道があったので通ってみたんですが…通れた。

きっと、この山は小さい山なので、どこだって通れるんだと思います。

登れそう…と思ったのは・・・クライミングをしていなかったら、こんな発想はしなかったと思う。つまり、私の山というフィールドにおける”自由”は少し拡大しました(笑)

桂の木の葉は秋になると、キャラメルのようなとてもいい匂いがします。桂の葉がそうなることを知らなくても「あ、いい香りだ」とは思いますが、それが桂の木だと知っていると、「あ、近くに桂がある」と思います。


今日も地面をみると掘り返された跡があって、「猪だな」と思います。「夜はやめよう」そんな感じ(笑)。

そういう”山とのやり取り”が楽しいなって思うんですよね。フィールドから小さなサインを受け取ることが。受け取れるサインは、ベテラン登山者になればなるほど多くなるらしいです。

雲を見れば天気が分かり、風の音を聞けば山の機嫌が分かり、緑を見ても、大地を見ても、雪を見ても、山がその人に語りかける…そういう人に憧れています。

そういえば、今日は小鳥たちがやたら騒がしかったです。何かお家騒動でもあったのでしょうか?な感じでした。

■ 黒富士東尾根

週末は楽しみな山行が予定されています♪

黒富士東尾根。 知っている人いないんじゃないかと思います。これもリクエストして、色々一緒に考えてもらって、提案してもらいました。

≪要件≫
・参加者は2名のガチ山女子
・両方ともクライミングは初心者(講習会レベル)
・ロープを使う山がしたい

候補は

・阿弥陀南陵
・阿弥陀北陵から御小屋尾根
・十二ヶ岳の岩場
・三つ峠
・太刀岡山
・黒富士東尾根

考慮した条件は
・雪(地面のコンディション)
・アプローチの長さと山行目的のバランス
・気温や風などのストレス

色々考える・・・

・阿弥陀南稜=ロープは要らない。(ガイドさんツッコミ:、P3を広河原沢に回り込んだルンゼでロープを使ったほうがいいと思います。)
・北稜の方がロープを使う箇所はあるが、雪が少なくグラウンドも安定していない。
・素手でロープが扱える場所の方がしっかり学べる

の結果、絞られて八つはパスに。

 黒富士 太刀岡、三つ峠、十二ヶ岳

さらに絞り込む・・・

・手あかのついた岩場だと、クライミングのほうにシフトしてしまい、自力登山のシュミレーションにならない。
・トップロープでの岩登りなら誰にでもお願いできる。

と、これらの点を考慮の結果、そういう誰でもできることではない山、オリジナルライン、ということで

 黒富士東尾根

に決定しました。

結果、テーマは”一般道ではない尾根で、危険回避のロープワークをしっかりやりましょう!”となりました。

実際の岩場でのリードクライミングです。

テーマは 
・読図
・ランニングの支点取り方
・トップロープ
・二人が交代でリード

と盛りだくさん。 

とっても楽しみになりました☆

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