Thursday, November 14, 2013

守りのロープワーク

■クライミングは登山の基礎です?

「クライミングは登山の基礎です」と言われるので、今日も一応クライミング強化月間のノルマ消化してきました。

最近ふと思うのですが、私の運命の歯車は山岳総合センターのリーダー講習で、本来応募していた縦走コースからアルパインコースになった時に、微妙にずれてしまったんではないかと…。

縦走コースは積雪期の八ヶ岳一般ルートが最終目的ですが、アルパインは無雪期の前穂北尾根、積雪期は爺が岳東尾根。

私にとっては、バリエーションと言っても、自分が行きたいな!と思った隣の尾根(たとえば川俣尾根や八幡尾根)であるという意味のバリエーションであり、クライミングルート(冬壁)でのバリエーションではないので、どこか違う方角に船が進んでいるような感覚を持ってもしかたないかもしれません。

しかしなぁ…枝道もいいところかもしれないんだよなぁ。

■ 攻めのロープワークではなくて守りのロープワーク

先日、女性の単独登山者の道迷い事例が回ってきました。

私は道迷いで困ったことはまだありません。というのは、地形的に窮地に追い込まれるところに立ち入る前に、変だなと気が付いてしまうからです。私も何度か登山道を外れたことがありますが、いづれも10m未満で気が付きます。というのは、登山道を外れると明らかに歩きづらいからです。ですから、歩くことに神経を集中していれば、歩きづらさで登山道を外れると分かるはずです。

たとえば、この事例だと、スキー板を見なくても、ルンゼを見た瞬間に違うとわかってしまいます。
なぜってこのような道は怪しいからです。登山道のはずがないと思って地図を見ます。私はかなり心配性な性格なので危険予知が人より早いかもしれません。

この事例を考えていて思ったのですが、私が欲しい技術はいわば”守りのロープワーク”かもしれません。

たとえば、これが登山道の無い山だと仮定すると、明らかにルンゼがいちばん登りやすい場所となります。ただ詰めた後にどうなるか?私なら、ある程度地図で予想してからルンゼを進み、仮に詰めた先でダメと判断して、このルンゼを降りることになった場合、ロープなしで降りれるかどうか、ルンゼを登り始める前に現地判断してから登ると思います。ちょっと登ってみてロープがないと降りるのが厳しいと判断したら、最初からルンゼを突進しないでしょう…もちろん、ロープをもっていたら別です。先まで行っていけるか行けないか確認くらいはすると思います。

しかし、常に退路を断たないことを考えています。つまり登るためのロープワークではなく、退路を断たないためのロープワークですね。

しかし、そうなると、クライミング技術ではなくて、懸垂下降の技術が欲しいのかな?

■ 間違いやすい場所

余談ですが、突き進んでしまって道迷いになりやすい形状を上げておきます。

1)九重九折りの登山道で、角を曲がらず、直進。 地図には10m以下の屈曲は書いてありません。

2)下山時、尾根の頭で支尾根に入ってしまう

3)枯れた沢を登山道と見間違う

4)雪山で前に歩いた人が付けたトイレへのトレースへ入ってしまう

5)岩稜帯でペンキ印を無視し、尾根を直進する

少しでも「おや?」と思ったらすぐに分かるところまで引き帰す。 「おや?」と思ってもあっていることもあるし、間違っていることもあります。ヒヤリハットの法則で「おや?」を早めに感知すれば、窮地に陥ることはまずありません。

「おや?」と思ったとき、「まぁいいや」と進むと窮地に陥ります。半分以上は地図を見るまでもなく、
ひとつ前の道標やペンキ印、ピンクテープ、赤布を見落としているだけの話です。

■ 縦走とロープ

山岳総合センターの講習では、縦走コースでもロープワークを学びます。が、けっきょく私は一般縦走路でロープがどう活用できるのかは、結局分からず終いでした。

何しろ、懸垂下降をしたい場合、一番重要なのは支点の見つけ方です。支点が作れなかったら、懸垂ではなく落下になってしまいます。

というわけで、ロープワークは生半可な技術を使うと、使えないよりむしろ危ないので、結局使わないってことになりそうです(><)

ああ、もったいない・・・。



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