Saturday, September 7, 2013

夢の小屋勤め

冬山で知り合った人たちに、後立縦走して来たよ、メールを出しています。

すると、そのうち一人から、小屋勤め、羨ましいデッス!という感想をもらい、「そうだよな~」と思って、一人にやにやしています。

小屋で働くって、山好きにとっては”憧れ”ですよね~。

私にとってもそうでした。小屋で働かせてもらえる、ってことは、光栄なこと、特権、でした。

と言っても、去年南アの小屋で人手が足りなくなったときに知人伝いに「働きませんか」と来たり、講習会の講師から人材募集中と聞かされたり、テント泊に行った小屋で小屋のおやじさんから直接聞かれたり、前振りは結構あったのでした。山好きの周りには勝手に情報が集まるのかもしれない。

山小屋に限らず、山に行けば、誰でも平素に当然のごとく享受している利便が、本当は当然ではないことをしみじみと悟って、普段の生活にありがたみを感じるようになります。

それは、電気が24時間使えることの幸せさだったり、蛇口から水がいつでも流れてくることだったり…

ただ、現代の山小屋生活は、特にヘリや道路からの補給がある小屋は、とっても設備が整っていて、蛇口から水も出るし、電気も停止する時間帯はありますが、ほぼ問題なく使えます。

それが不便を予想(期待?)していた私には、むしろ少し残念した。

でも、初めての小屋が下界と変わらぬ利便性を提供してくれたことはむしろ、初心者である私にはラッキーなことだったと思います。

★山小屋で働く前のチェックポイント

1)自分の携帯電話が使えるか? 外界からの情報が遮断されるので、携帯だけが外との情報伝達の手段になることが多いです。

2)個室か、相部屋か
 長期間だと相部屋はしんどいタイプの人はいると思います。
 私の場合は、海外でのバッパー生活で少し慣れています。

3)料理の負担
 登山客に出す食事については仕事を覚えれば終わりですが
 賄い食を作る負担は結構あります。家庭では作らない人数分を
 作るので。

 意外なことに冷凍庫のある小屋では食料が尽きる=冷凍食品
 となるので、冷凍食品を日ごろ使わない私には、それらを
 うまく活用しておいしくするテクを知らないのは結構大変
 でした。ネット検索も携帯が使えないのでできませんでしたし。

 山小屋で最も役に立つ人材はコックさんです。

4)小屋の規模
  大規模な小屋は、仕事は役割分担です。 小屋全体のことが
 見えるのは小さめの小屋。 収容人数が小さい小屋はありとあらゆる
 ことをこなせないとダメかも?

5)外に出れるかどうか?
 私のいた小屋は稜線の小屋だったので、安全確保のために
 歩いて良い場所が指定されていました。つまりほとんど歩けません。
 つまり、山に毎日登れるわけではありません。
 どの程度の範囲歩いて良いのか?は働く前に要チェック。

6)補給 
 小屋勤めは太ると言われます。のは、小屋の労働以外は
 食べる以外のアクティビティが極度に少ないからかも?

 私はパンとコーヒーで生きている人間なので、この二つが
 欠けてしまう=しんどい、でしたが、これは小屋によって
 入手度合いが違うようです。パンは手に入りにくいもののひとつ。
 
7)人間関係
 小屋では数か月も狭い空間で確定した人数が暮らすので
 家族と同じです。なのでちょっとした不満を我慢しないで
 気持ち良く外に出せる人が長続きします。我慢するタイプの
 人はしんどくなると思います。

 たとえば…ですが、私にとっては「ああこの人は口下手な
 だけなんだな」と思えることが、他の人にとっては
 「○○さんって計算高い」と受け取られていたりします。
 人の受け取り方なんて、根拠も浅いし、色々なんだな~と実感。
 
8)百名山
 私はけっこうガチ山女子のようで、そういう人が「山ヤ」
 ではなく「登山者」が主体の山にいると目をまん丸くしてしまう
 のが夏山です。ガチ山系の人は百名山をやる人が来ない山小屋に
 行くのがよいかもしれません。百名山を避けるだけで、不快な思いは
 ずいぶん減りそうです。

9)救急救命
 私には関係がありませんでしたが、日赤の救急救命くらいは
 受講しておいて損はないかもです。廊下で伸びているおじさんは
 ただのよっぱらいでしたが、トイレの行き帰りに客室に居る
 お客の様子をうかがうくらい意識は欲しいところ。
 曲がりなりにも山小屋。 

10)本棚&音楽 などのカルチャー
 私は普段TVも見ないし、ドラマも見ない…
 それでまぁなんて退屈な…ということもなく過ごしています。
 もっぱら読書に忙しいので…そういう人にとっては
 山小屋で古い山の本を読むのはかなりの愉しみなのですが
 山の本が充実している小屋とそうでもない小屋があるのは
 小屋番さんの趣向次第です。趣向に会った小屋を選ぶべし。

稜線の小屋は眺めが良い特等席。されど実際眺められるか?というと
眺められる時間帯は食事の用意に忙しかったりします。

小屋ではシフト制をとっているところが多いと思いますが、シフトが
決まる決まり方がどうなのか?もなかなか大問題。シフトが当日にならないと
分からなかったりして、結局あまり自由な時間と言うのは期待できないことが
多いです。完全に自由でもなく、完全に不自由でもない時間をどう過ごすか?
という問題が大きい。

どちらにせよ、ベテランだったり、しっかりしたリーダーがいると働きやすくなります。

★小屋で楽しいイベント

1)布団干し 
晴れた日は布団を干します♪

2)夕陽
素晴らしい夕陽が出る日にお客が少ないとラッキーです

3)朝日
晴れた日に遅番だとラッキーです

4)ライチョウ
 会えると一日いい気分♪

5)ヘリ
物資が来るってだけでうれしい。運ぶのは大変。

6)生卵
ヘリの後一日岳のごちそう

7)星空
晴れた日の夜に星空を。 

8)ゲスト
たまにゲストがくると賄が豪華に。

9)お土産
ゲストがお土産を持ってきてくれるともう・・・

お土産にはパン、ウィスキーやワイン、コーヒー豆、野菜、などがおススメ。





 

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