Thursday, July 11, 2013

八方尾根と遠見尾根

■ 八方尾根へ

八方尾根というか唐松岳は積雪期に登りたい尾根で、初心者の雪山として自分たちで行く山リストに入っています。

北アルプスは雪山としては難易度が高い、さらに後立山はまだ未開拓。冬の偵察もかねて、八方尾根から遠見尾根を下ってきました。


 リフトを降りると下は晴れなのに上は曇り。

下界は梅雨明けしていますが、上はまだ梅雨でした。

ただ気温はそれほど低くなく、21度。



 八方池のあたりは、子育てを終えた年配のご夫婦が多い。

お山の方はガスの中ですね。

レインウエアを着ると蒸し暑いくらいです。


 八方尾根は、植生が面白くて、岩稜帯と樹林帯の逆転現象が起こっています。

これは下の樺かな?上の樺かな? その付近です。

高山植物で有名なエリア。

こういう行列を見ると少し心配します。

危険な場所で立ち止まっていることも多いから。

 この雪渓の手前には、シラネアオイの群生があり、知る人ぞ知るシラネアオイスポットなのだそうでした。

ほとんどの人がここで登るのをやめてしまう。

こうした雪は固くて、とても歩きにくいのです。

スプーンカットに上手に足を入れる。ちょっと頭を使います。

でも、実はリフト降りてすぐの蛇の目石のところのほうが、ここより滑りました。

登っているとお腹が空いてきましたが、気にせず、登りました。

この尾根は、距離と標高差から、2時間半の道と思っていましたが、結局3時間かかりました。

ロープウェーの乗ったのが8時半で、歩きはじめが9時半。山荘着が12:30.トータル4時間の尾根でした。




稜線上は風が強く、煽られながら、山荘に到着。

途中、3名ほど追い抜きました。足が速いからではなくて、休憩を後回しにしたから。

他の人たちが休憩をしていたのは、この唐松山荘が休憩には適していない山荘だから・・・ということが後になって分かるのでした。

唐松山荘・・・

 ・休憩300円 (小屋で食事しても同じ)
 ・トイレ200円 (同じく小屋で食事しても同じ)

 ・コーヒー500円 (コーヒーを飲んでも休憩料を取る)

 ・水 1L80円

というわけで、ここで1040円もかかった・・・(汗)
 
キレイな小屋でしたが、あまり好きになれなかった。

もってきたカップヌードルご飯を食べました。


 休憩して、気を取り直し、コースタイム3時間の縦走路へ。

この日は誰も予定している人がいないみたいで、追い抜いてきたおじさんたちは、唐松山荘宿泊。

私はあんまり夕方遅く着くと小屋の人に叱られるので、
13時に出て、16時に到着の予定です。

さっそく鎖場でしたが、鎖はあまり必要ない感じでした。

ただこの岩峰は急峻なルンゼの開始点になっているようで、墜ちたら最悪そうでしたが、墜ちるのは、よほど暴れない限りなさそうです。

普通に慎重に行けば問題ない。 渋滞とかは嫌だなぁと思いました。

登山をする人はこうした道が好きなんだろうなぁ・・・ 

頭の中のCPU稼働率が上がる感じがしますね(笑)

いや、私も登山をしに来ているんですが、気持ち的には、少々めんどくさい気分が抜けません。

スピードが遅くなるし、スタンスやホールドを考えるのが少しめんどくさい。 景色などが見れないから・・・ですが、この日は景色なんて関係ない日です。 

鎖場、岩稜帯の間じゅう、少々強めの風で、墜ちるより、突風で飛ばされるほうが怖いよな~と思いました。ただ風は真冬の北八つほどではない。 雨も軽めです。キリですね、むしろ。

それに去年、裏北岳に行ったときはこんな状況の中を夫と二人で歩いて、とっても楽しかったのでした。彼がいたから楽しかったのかな?

人間は風に吹かれている間に色々なものをそぎ落とすのかしら?

稜線からも結構、雪が残っている様子がマジカに見れ、雪渓を渡るシーンも数回。

高山植物と雪渓。 去年は間の岳~北岳の稜線で見たなぁ。

植生はとても似ています。

山の高いところはどこも同じ花だと仙人が言っていたっけなぁ。

赤い石ですね。この稜線は岩石の様子が変わるのもおもしろかった。

 縦走して、縦走用の靴の重要性を感じました。

大きすぎる靴は岩場は歩きづらい。クライミングシューズと同じですね。





雪渓は何気に下をみると転がり落ちたら大変そうです。

こんな斜面で、雪上訓練しましたね~って感じ。 

転がり落ちたら今が滑落停止の出番ですね、って感じの雪質ですが、すごく固いので、ピッケル指すだけでも大変そうです。

北岳より、谷が深い感じ。

 こんなスゴイ崖が見えるスポットを通りました。晴れていたら凄そうな場所です。

樹林帯も少し出てきたんです。

そういうところは暑く、風に吹かれるところで冷えて、体温調節はちょうど良い感じ。

風下、風上で風の強さは全然違うのを実感します。



















お花が豊富でした。コイワカガミやゴゼンタチバナ、コケモモはありふれた花。

シナノキンバイやキバナノコマノツメもそうですね。

これは初めて見ました。とても目
 立っていた。

 フツーな感じにシオガマも咲いていました。
 尾根の分岐点。

ここから明日降りる予定なので確認しておく。

ソフトバンクが入った。
 すぐ裏が小屋だったけど、霧で気が付かず。


小屋から見た五竜方面。斜面が急傾斜ということは分かるけれど・・・・

なーんにも見えないのです。

予想より早くついてまだ16時には30分ほどあまりました。

小屋で、楽しく、ベテラン登山者で同じくソロのおばさんとまるで長年の友人のように過ごしました(笑)。





■ 二日目

 翌朝は3時に起きて、4時出発です。山頂ピストン、2時間。

そんな時間に行動を開始すべきだってことも、実は以前はしらなかったんですよね。

普通に6時に起きて、6時半の小屋の食事をいただき、
それから出かけていた(汗)と、いい時間は終っています。

ヨガでは夜明け前の96分がもっともよい時間と言われています。

  朝日が出そう!山頂へ急ぎますが・・・

岩稜帯なので、急ぐのも良くなかろうと・・・

岩に着いた水滴を手袋が吸ってしまい、冷たいです。

手袋は防水のが良いみたいです。

山頂手前で強烈にピンクに染まりましたが、取り損ねました・・・岩に張り付いているところでした。



私はあんまり岩登りは得意ではないのですが、岩登りの三点支持については、登山の最初から強く意識しています。

ボルダリングジムに行くのと行かないのでは、体重移動に対する理解が違うことについては、最近納得しました。 

垂直に体重を移動することと水平では緊密さが違う。

結局、極論すると、フラットフゥッティングはスメアリングなのです。フリクションを効かせる。だから接地面と足の角度でフリクションが全然違う。置く場所ではなくて角度。

岩に足を置く場所もボルジムに行っていると、体重を押せる位置がつかめてくる。自分が思っている場所より後ろです。後ろすぎると蹴りだしてしまうから、真下の後ろ。 

ちょうど、バレエでポアントで立った時に、自分の重心のラインが思っているより背骨側に近いのと似ている。人間の体は前と背中では厚みが違うからなぁ・・・。

だからボルジムは行った方がいいですね。登山する人は、10回くらい行けば、納得できると思う。

でも山屋さんはそんなこと教えてくれない。 ただ、歩いている人、登っている人を見て、「あの人は身についていない」とかいうだけ・・・ 

見たら、板についていないのは誰だって分かるけど、どうすればいいのかについて、言葉にできる人は、非常に少ない。

山頂から剣方面。




説明を追加

鹿島槍方面。槍が奥に見える。槍は燕岳の勝ちだなぁと思いました。


 下山中に、唐松岳方面。
















































長い優美なラインが遠見尾根のライン。

あれを降ります。 どうも下山は高度感があると言われましたが・・・ここから見る限りでは、大丈夫そうです。

遠見尾根の下山は樹林帯の中で、サクサク降りて3時間半で降りました。4時間の予定にしていましたが・・・

登りが6時間とあったので、この尾根は登るより下るほうが楽かもしれない。

下は植物園になっていて、中高年でにぎわっていました。知らなかった。 下のほう、途中で、ものすごく足元がおぼつかないおばあさんや、山ガールファッションの人に会いました。 

アイゼンとかありえなさそう・・・・ 途中までしか行かない、ハイキングの人もいる尾根なんですね。

北岳にはそういう人はいないので、ちょっとびっくりしてしまいました。

コントラストがとても激しいなぁ・・・上は南アより危険度が高いくらいなのに。

北岳はそういう意味でとてもおすすめですね・・・手あかがついていない感じ。

後立山のお膝元は大町。 八ヶ岳のおひざ元は茅野。

じゃ南アルプスのおひざ元は、南アルプス市になるのかなぁ?甲府市? 山梨はどうもあまり登山については、盛り上がっていない・・・参加したい山岳会もないし・・・

それぞれの町にそれぞれの山があるけれど、私は地元の山に詳しくなりたいな、と思いました。

ただ地元の山の良さを知るにも、一回り大きな視野で他所と比較できないと良さを正確に評価できない。

北アを知ってから南アを知るのが普通の流れだと思うので、まだ深く南アルプスを知らない時点で北アに来てよかったのかもしれません。

北アはまだ西穂とか燕岳とか、辺縁部の山しかしらない・・・中央のおへそのところに行きたいなぁ・・・

縦走したら楽しそうですよね~。

延々とつながる稜線を歩いてみたくなる・・・ 稜線が高速道路に見えてきてしまうんですよね~。

だって下の道で行くとぐるっと大回りですからね。 一旦登ったら降りたくない、っていう心理かしら?

■ 参考

・花三昧バス 遠見尾根と八方尾根をつなげる

・無料バス 13:00発のみ

・テレキャビン 860円 おしぼりつき

・お風呂 まだやっていませんでした

・エスカルプラザ、アルプス平にレストランあり

・白馬八方尾根 山麓はペンション街

・八方尾根ゴンドラリフト 1400円 リフトは3台を乗り継ぎます。 

・唐松山荘 休憩料 300円 コーヒー500円 トイレ200円

・ゴンドラ駅の前の駐車場はシーズン前でまだ無料で停めることができました。下調べでは、第二駐車場が良いとありましたが、上で停める方が楽だったようです。ただし、シーズン突入後は有料化するもよう・・・




当方のサイトにも 五竜の感想を記載しています。

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2 comments:

  1. はじめまして。
    というかこんにちは、でしょうか。

    7月8日に八方山荘前のゴンドラ乗降所でお話ししたお兄さんです(そんなに若くありません 笑)。
    覚えていらっしゃるでしょうか??

    ヤマレコの記事からこちらの記事に辿りついたのですが、
    何と驚いたことに以前からブログを拝見させてもらっていました!
    (色々と勉強をさせてもらってます。。)

    まさかブログ主の方と、そうとは知らずに言葉を交わしていたとは不思議でした。

    今は五竜山荘にいらっしゃるのでしょうか。
    8月13日に五竜山荘に友人と泊りに行きます。
    よろしければご挨拶などできれば、と思っています。

    8月上旬に唐松→白馬三山の縦走を企てましてが、またしても悪天候のため唐松ピストンのみで断念、という苦い思い出をひきずっているので、
    今回こそ晴天を!夏山を!と期待してます。

    それでは、お会いできるのを楽しみしております。

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  2. こんにちは! 

    先日は五竜山荘でお会いできてよかったです。

    またお山で出会えるうれしいです!

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