Friday, December 21, 2012

一般登山者の山 vs 山ヤさんの山


最近、漫画『岳』の三歩さんみたいな山男の山の先輩☆と知り合いになったのですが、
ホントに彼らはパワフルすぎてそもそも人種が違うんだな~と心底思っています…(^^;)。

私たち一般登山者の不安、というものを理解するには、山暦40年は初心者の領域から遠く隔たりすぎている・・・山のベテランという人たちが、これくらいチョロい、と思っていることが、こちらには
ものすごーく敷居が高いのです。

一般登山者と山男の差は…果てしなく遠い…とても表現しづらいです…(汗)が、頑張ってみます。

■ いわゆる一般登山者の一例

私たち夫婦はIT業界にお勤め(つまりデスクワーク)の都会人。平素は電車通勤で
通勤ラッシュに耐え、夜は10時以前に帰宅することはめったにない、というような
生活で、夫婦ともどもどちらかと言うと、休日は寝ていたい派でした。夫は学生時代は
帰宅部。妻はかろうじてテニス部経験があるも体育会系というより文系…という感じです。

そういう人たちが山に登り始めた…。理由は転勤してきて山が近いから。他に娯楽がないから。

で、雪山に魅せられたのです。理由が山に近いところに越してきたから、なので、近い山に行く。

参考にしたガイドブックは、もちろん定番ヤマケイです。


とりあえず雪山だけ抜き出します。 そこに書いてある難易度に注目です!!

★積雪期のコース
 ①白駒池~高見石~麦草峠 初級 技術2 体力2
 ②北横岳ピストン        初級 技術2 体力1
 ③天狗岳             中級 技術3 体力3
 ④赤岳             上級 技術4 体力4 ←ココに注目!!

★コースグレードの見方
 初級=未経験者
 中級=ガレ場&急登あり
 上級=岩場あり

★体力度の内容 
 1=3時間未満
 2=6時間未満  ← (体力1と体力2が2倍違うのに注目!!)
 3=8時間未満
 4=10時間未満
 5=10時間以上

★技術度の内容
 1=よく整備された散策路
 2=難所がない登山コース ←(技術1と技術2に注目!! 技術1は登山道ですらない
 3=ガレ場 岩場
 4=注意を要する岩場
 5=極めて注意を要する険路

《考察》
ここから伺えることは、ガイドブックが登山ガイドから一歩退いているってことでしょう・・・
いわゆる山の人から見れば、入門の、さらに入門です。登山ですらないところから指南している
入門の入門なわけですね。技術度1は登山ですらない。

登山と言うのはこのヤマケイガイドブックで言えば、コースグレード中級以下、体力1、技術1
の場所は山ですらありません。


■ 一般登山雑誌 

これは2007年の岳人からの特集記事からの記述です。タイトルは 『雪山最初のワンステップ

★最初のワンステップ
 1.赤岳
 2.西穂独標
 3.唐松岳
 4.上高地散策
 5.仙丈ヶ岳
 6.谷川岳・トマの耳

どうでしょうか? ヤマケイガイドブックで上級にあたる山=いわゆる山屋さんたちの始めの一歩に過ぎないのです。なぜなら、スタンダードは… (いっとくけど、スタンダード=通常コースですよ?別に上級コースってわけでなく・・・)

1.谷川岳西黒尾根
2.五竜岳遠見尾根
3.爺ヶ岳東尾根~鹿島槍
4.涸沢岳西尾根~奥穂
5.槍ヶ岳横尾尾根
6.剣岳早月尾根
7.甲斐駒ヶ岳黒戸尾根
8.北岳池山吊尾根
9. 八ケ岳全山縦走
10.赤石岳東尾根

です・・・(汗)

分かるでしょうか?この(汗)の意味を・・・。いわゆるコースガイド以前のコースが一般登山者にとっては入り口なのです。

つまり自然遊歩道や散策路です。 

とはいえ日本の山は素晴らしいので、遊歩道でしかない霧ケ峰や美ヶ原だって立派な日本百名山です。(この問題の背景には日本独特のコースが整備されていない登山とハイキングの境界があいまいという問題がありますが、それは別途後述します)

■ 新しい登山者の山

さて、では、昨今増えているとされる新しい登山者たちの向かう先は?

手元にあるヤマケイJOY 2010年Winterでは

 燕岳
 北横岳
 黒斑山

こんな山はたぶん私の先輩の山のうちに入らない…けれど人気があるのは事実です。

です。 どれも景色は素晴らしいが体力不要の山…(汗)

つまり、トレースはあり、山小屋は手厚く、それどころか麓には温泉もある山です。

このような現状で、登山技術と言われても・・・技術が一体何なのか?わかるほうが不思議というものです。

■ 登山技術不在の例

北横岳はスノーシューで登っている人を多数見かけます。これは雨池辺りの周遊がスノーシュー適地ということから、新雪の坪庭散策のノリで山頂まで来てしまった人のように思われましたが・・・
はっきり言って雪の状態によって要る・要らないの判断をする、というような発想にそもそもないです。

という私も別に歩けるなら、アイゼンつけなくて雪道を歩いていいのだと気がついたのは、先輩に指摘されてからです。 

なぜなら山の初心者に一般的に山小屋などの目は厳しく、装備不足はすぐにちぇっと舌打ちされるからです。過剰な装備くらいしていないとダメなのです。以前、高見石小屋で中山展望台に行こうとしたら、白駒池に誘導されました(ーー;)山小屋は人を見るのです。

とにかくバカのいっちょ覚えのように冬天狗は10本歯以上!ピッケル持参!と言われ、しゃーないなーって具合です。。完全思考停止ですね。

つまり思考停止が登山技術の不在、ということなのです。

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