Wednesday, September 12, 2012

大菩薩嶺の魅力の研究

今日は夕立がありました。その夕立は…まるで九州のような生暖かい雨が大いに降り注ぐ夕立でした。ああ~清々するわ~と植物達が喜んでいる声が聞こえてくるかのようでした。

空にはぽっかりと青空がのぞきながら、降り注ぐ雨はあっさり終わりその後はすっきり!きっぱり!!

夏の終わり…もう夏は後姿ねぇと昨日は友人と話し合ったのですが、その後姿、けっこう男前(笑)なんかスッキリ割り切るタイプの人みたいです(笑)

■ 大菩薩嶺の研究

実は大菩薩嶺では実はちょっと調べたいことがあったのです。それは森の見方。

この本をとても気に入っています。
森林観察ガイド―驚きと発見の関東近郊10コース 森のふしぎを知る

森の見方を書いてあります。私は九州の森を見慣れていたので、こちらにきて
初めて、ダケカンバもシラビソも見ました!!

ダケカンバとシラビソはすぐ覚えたけど、もっと樹木が分かるといいな~と考えて手に取った本。九州の森とこちらの関東の森はぜんぜん様子が違うので、見てもそれが豊かさを示しているのか、それとも単に手入れ不足なのか、よくわかんないんですよね…九州ならなんとなくは伺えるけど。 

ただこの本、森の観察内容が書いてある山が限られており、

1、江ノ島
2、高麗山
3、神奈川県立東高根森林公園
4、高尾山
5、大山
6、丹沢山
7、三頭山
8、大菩薩嶺
9、金峰山
10、富士山

私が行ける山は、8、大菩薩嶺、9、金峰山、10、富士山しかないので、図書館で借りています。

書いてあることをじっくり読みながら、大菩薩の景色を今一度味わってみたいと思い…

で早速取ってきた写真で、書いてある知識と比較しています。

① 歴史ある甲州裏街道を見る大菩薩の峠 

大菩薩嶺の峠には介山荘があります。峠なので鞍部。実はここから、東に伸びる尾根の上に登山道がひっそりあります。誰にも省みられていなさそうでしたが(^^;)


その登山道は、35分ほど下ると、丹波山村のほうへ抜ける丹波大菩薩道と小菅村のほうに抜ける小菅大菩薩道に分岐しています。 水マークがちょうど分岐にあるので、水を求めて降りてみてもいいかもしれませんね。ちょっとした寄り道で。

甲州裏街道は青梅と甲府を結んでいた青梅街道の難所だったのだそうです。介山荘が”みやげ物屋ちっく”なのは歴史の所産なのでしょうか(笑)?


② 日本らしい風衝草原

風衝草原のことを英語でいうとHeathでした…荒地?こんなイメージらしい。

なるほどね~。日本ではこういう風景は登山の本にはカヤトとは書いてある。英語でヒースランドというとちょっと想起するイメージが違うね。

実は私自身、登山を始めるまでカヤトという言い方をあまり知らなくて、笹の生い茂った場所をそう言うのだとも知らなかった。どうもイネ科の植物の生い茂る場所をいうらしい…。

この生い茂る笹も同じように見えて、種類があるらしいですね。見慣れている熊笹ではなく、ミヤコ笹だそうです。

熊笹: 種の名前ではなく、笹の総称として使われていたらしい。だからこっちばかり聞き覚えがあるのか~。
ミヤコザサについて。 どうも鹿が大好きな笹らしい。

 ミヤコザサの生い茂る草原は氷期の地形のため、なだらかなのだ!

一部シカ柵で囲ったエリアがありましたが食害被害の比較のためのようですね。

③ミズナラ&ブナ 巨木と美林
 この森はブナ、ミズナラ、カエデの競争を観察するらしい。

上日川峠の辺りの森では樹種のせめぎあいが見所のようです。抑えたいのはブナの巨木とミズナラ美林。その2人の間に割り込むカエデ。 稚樹がどれくらい育っているか?

ミズナラ: 乾燥した場所に成立しやすい
ブナ:湿潤な場所

・ブナを伐採した後にミズナラ林は成立しやすい。
・ギャップにはカエデ類が育っている。カエデのほうが勢いがある。
・ブナは衰退するのだろうか??

④ なだらかな氷期の地形

車で上日川まで入れますが、この林道結構クネクネで崩落した後もなんどか横切り、工事中の箇所もあり、結構大変な道です。

日川流域は、氷河期の地形なのだとか。氷期は地形の侵食が少なく、岩塊がゴロゴロした地形になるのだそうです。大きな岩は少なく、起伏は穏やか。これか~。
たしかに!
 草原とイラモミ。

⑤草原の下の岩塊斜面

岩塊斜面の上にたくましく根を張る針葉樹。 岩の角が取れていないことで川によって運ばれた岩でないことがわかる。
 これね~。

⑥イラモミ
見えているモミの木はイラモミ。
 クリスマスの木っぽいと思った(笑)

草原は ・もともと人の手が入る茅場だったか、・森が成立できない要因があるかのどちらか。

この草原が成立した原因は何だろう?と考えをめぐらすことが山の楽しみ。イラモミがところどころに生えていることから、イラモミは風に強いことが伺える。

⑤地形による植生のコントラスト

カヤトの草原の西斜面と暗くてしっとりした針葉樹林の東斜面が尾根でくっきり分けられている、そのコントラストがすごい。

以上、大菩薩嶺の見所でした。 ヤマレコにも記事があるのでお出かけの際の山行に。

ウラジロモミの純林もあるらしいですが、それは次回の課題で(^^)。
 

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