Sunday, November 19, 2017

読了・ベック・ウェザースの『生還』

今日は、冬が来た!と思える寒い日でした♪ 

ヒマラヤ関係の遭難について、ふと、少々復習したいと思い、ベック・ウェザーズの『生還』を読了しました。

ヒマラヤは、山ヤにとって、煩悩なエリアでもあり、最後の秘境でもあり、取り扱いにデリケートさが必要だからです。

日本では、ヒマラヤに登ったと言えば、水戸黄門の印籠みたいな効き目が一般人に対してはありますが、情報によると、ヒマラヤはヒマラヤでも、色々あるそうです。

例:

ゴーキョピーク(5360メートル)
ロッジから標高差600メートル程度。往復3時間程度。無雪期の日本の森林限界を越える程度の山です。現地感覚だと丘。

1977年に2年前にエベレスト南西壁を初登攀した、当時世界最強チームのイギリスのクリス・ボニントン隊。再登は、アレックスとトーマスのフーバー兄弟と、この間亡くなったヘディン・ケネディ達です。以降再登なし。

ラトック山群Ⅰ峰:1979年に重廣重夫氏たちが登って以来再登無しの難峰。

■ 遭難につながる山、つながらない山

まぁ、エベレストが登頂者700人の山であるのは周知として、それでも遭難者はいるわけなので…

  問い:遭難につながる山とつながらない山の差はなんだろうか?

これは山ヤは誰でも、答えをわかっていると思いますが…一応。

  山を征服したい!セブンサミッターと呼ばれたい!栄誉が欲しい!

ということが、やっぱり遭難の第一の動機、ということが書いてありました。

■ ”自分との闘い”というけれども

一方で、”山は自分との闘い”、という言葉もあります。この言葉は、たいがいは正しい用法で使われますが、そうでない詭弁の場合もあります。

トレーニング、肉体的な苦難に打ち勝つという意味で、自分と戦っているのは、その通りではありますが…要するにジョギングしていて苦しくなった時すぐやめないこととの、超シビアバージョンです。…が、すでにガイドに頼っている時点で、自分の限界を受け入れる、ということを拒否しているわけです。

もし本当に自分と向き合っていたら、自分のチカラで登れる山の限界をおのずと受け入れ、それをあげていく、ということになったでしょう。

ちなみに山ヤの世界では、ガイドレスでないと自分の山ではない、というのは、だれもが分かっています。

だから、本当は、そういう山ではなく、一から自分で積み上げる山の良さを教えるためにガイドが存在するのだと思うのですが、今の時代は登頂請負人、みたいになっています。

あ、苦言になってしまいました、すいません。

■ 山ヤは山に行かなくて良くなった時が完成、なのでは…

私が思うには、山ヤさんという人種は、バイタリティが余り過ぎている人たち、なのです。

人間は、”生きて、食べれて、寝れて、天井があれば、あとは万事オッケー”、ということを学びに行くのが山、なのですが、実は下界でも同じことなのです。

ただ下界だと、その辺が分かりにくい。

山のように、電気ありません、水道ありません、家もテントか雪洞です、みたいな状況に、人為的に追い込まれないと、”ああ、生きているっていいことだなぁ”、ということが現代生活ではわかりづらいでしょう。

特に鬱になるような人はそうなのかもしれません。賢すぎる人が鬱になると思うのです。複雑に考えすぎちゃうんでしょうかね。

だから、山に行く。それはその人のエネルギーの、余り具合によって、どんな山に行くのかが決まると思うのですが… ベックさんの場合は、それが公募とはいえ、エベレストだったということなのです。職業もお医者さんですから、だいぶバイタリティ、余ってました(笑)。

ベックの満たされない心は、山で満たされ、だから山に行き続けたのですが、もともとのバイタリティが大きいので、成長し続けていくと、エベレストしかなかったんですね。

私は去年のアイスシーズンで、ある時、すっかり心満ちて、もう山に行かなくても、満たされてます、みたいな心境になったんですけど…。

以前は、山恋い、山煩いみたいな時期がありました。1か月も行かないでいると、なんだかそわそわ… なので、行ける機会はすべてつかんでいました。

山に行くことを辞められないとき、それは、まだ成長の、のりしろがある、まだ上に行ける、という実感や探求心があるからでした。

十分、のびのびと成長したら、満足しました。

それには週に2回、1シーズン35回もアイスに行かなくちゃならなかった(笑)。私の場合は、です。

想像するに、ベックさんの満腹、はエベレストまで来なかったんでしょうね。

■ 家庭不和

ベックさんは、そういう風に山を突き詰めていく中で、家庭不和に陥ります。家庭をないがしろにして、山に突っ走ったのだそうです。

そういう背景があるにもかかわらず、遭難で、救命作戦に奔走したのは奥さんであり、それは家族の在り方として正しい愛の在り方だと思いました。窮地に陥った時に助けてくれる人が真の友人です。人生のパートナーなら、なおさら。

なので、これは夫婦に起きた試練ということでした。

結局、ベックさんが得た至福というのは、やはり、思った通りで、日常の些細なことにも神を見、感謝できる、ということでした。

多くの、生死をさまようような出来事からの生還者は、同じように語ります。幸せは実はそこにすでにいつもあったのだと。ただ生きているだけで、いいんだと。

多分、それに気が付くことが、一番難しいことなのです。

それにエベレストへ行くことが必要な人もいるし、手首から下を凍傷で失うという代償が必要な人もいるし、途中で命を落とす人もいるということです。

だから、市井の聖人は、普通に生きているだけで、幸せいっぱいな人です。

決して、お金持ちや、何かを目指している人や、競争社会の勝者、あるいはよく言う、勝ち組などではなく…。

どんな小さな里山でも、それがちゃんと自分の足で歩いた山ならば、大なり小なり、同じメッセージが込められていると思います。

それは、ブラフマムフルタ、宇宙の叡智がみなぎる時間と言われていますが、その時間帯にあふれているもの、と多分同じと思うのですが…。つまりは、早起きさえできれば、山まで行かなくても、触れることができるもののような気もします。

同じものを味わうのに、肉体を酷使する必要がある個体もいる、ということなのかなぁ。






コメントに深謝

■ いい寒気

風邪、いよいよ終盤です。鼻になってきました。完全口呼吸です。

今日は、雪雲ちっくな、寒々とした灰色の雲が上空を結構なスピードで流れていて、いい寒気だなぁ!という感じです。山も、やっと凍り付き始めたかなぁ…

11月のアイスクライミングシーズンの皮切りは、裏同心ルンゼが定番です。私は行ったことがないのですが、佐藤さんが毎年行っているということは、裏返すと、今年の寒気の入り方を知るのに、毎年退屈でも登っておいたらいい、ベンチマーク的なルートなんだろうなぁ、と思うのですが…。

そういう考えをする山ヤが周囲におらず。というわけで取りこぼし課題。

■ 学び方?

中学のころ、数学の先生が革新的な人でした。私と、もう一人の成績の良い子に、解答を並行に書かせて、どうしてそういう数式にしたか、説明させるのです。

国語の先生も似たようなところがあり、小説の書中人物の発言の解釈など、公開討論をしていました。

そういう土台があったためか、ディスカッションを基本にする、グロービスのクラスに出たときは、あまりの知的刺激に興奮状態でした。

とても楽しかったのです。これだ!こうすれば、みんなが考え、その考えをベースに、その時の最適解が出せる!と思いました。

以来、HBS式の教授法というのに興味を持っています。

ビジネス環境は、状況により判断がいろいろ考えられ、正解が一つとは限らない世界です。

いうなれば、山も同じ、です。

ならば、同じ方法論が、問題解決に有効なのではないか?と思います。

ただ最近は、残念ながら、山ヤは絶滅危惧種ですので、そうした議論を繰り広げる場がない…ので、私の場合は、考察をブログ上でしています。独学ってわけです。

心には問いがあります。その問いに答えるようなコメントを頂けることがまれにあり、そういう時は、かなりうれしいです。

特にご自身の経験をバックグランドにした、参考にできる事実の提供をもらえると、ちょっと嬉しいです。

今日は、昨日書いた国立登山研究所主催の講習、大日岳遭難事件について、当事者からコメントをいただき、とてもうれしかったです。

ありがとうございました☆

なので、今日は朝6時にして、とても良い日でした☆

■ 憧れの…

私は、登山学校というか、山の学び方をどうするか?という活動には、とても強い情熱を感じます。

で、周囲に今登山学校を終了されてコーチをされている女性の方がいて、その方がとても山ヤとして気持ち良い方なので、どんな教育を受けたのだろうと興味を持っています。

それは、ICUに行った人に授業のこと教えてほしいとか、MITに行った人に話を聞きたいとか、グロービスのすべての科目を終了した人に教えてほしいがあるとか、RYT500など幾多の資格試験を終了した人に率直に聞きたいとか、と同じです。ベストプラクティス、エリート教育、みたいなものには興味があるのです。それは、能力開発という面で、です。私も、ちょっとだけですが、いいなぁという思いがあります。

でも、まぁすごくうらやましいわけでもなく、”与えられていない”のではなく、むしろ、まぁ、私には必要なかったというだけのことなんだよなー的な感じ。

例えば、今と同じTOEIC925点を習得するのに、自分で考えなくてもいいけど、500万円払わないといけない留学コースと、大変だけど5万円の最終収益があるオペアコースとならば、後者を今でも選ぶだろうと思うからです。

結局、どういう枠組みで学んだか?ということよりも、大事なことは、本質的なことをより深く学ぶ、ということだからです。

そのためにはカリキュラムという枠は、あればあったで、あるなりのやり方ができるし、なければ無いで、本質的な理解が伴っていれば、なくてもいいわけなのです。

資格や免状と同じですね。

初めてソフトウェア開発部に行ったころ、先輩プログラマーの皆が、資格がないのに、こんなにプログラミングをすぐ覚えてすごい!と言ってくれました。(私にとっては中学のころ、夏休みに独学した、Basic言語と同じで全然簡単だったんですが)それで、すぐ仕事が来たんですが、逆に、全く仕事をやったことがない会社に面接に行ったら、あなたは文系だから、なんでもいいからマイクロソフトの資格を取ってくれ、と言われたことがあります…。

前者は過大評価、後者は過少評価です。人の評価というのは、先入観次第なんだなぁと思った経験でした…。

私は、”知っているはずがないのに知っていて、すごい”か、すでに実績があるのに、”実績があっても使い物にならないだろうから、買いたたいておこう”と思われていたわけです。

基本的に登山も同じです。

私は、山ヤとしては、全然実績がありませんし、私が高い評価を得ているとすれば、それは、最近登山をする人が中高年で、その人たちの感覚で図られるからで、私ができる程度のことは、基本的に誰でもできます(笑)。

■ 実感ベースの実力の実感が大事

最近、新しいアーサナ(ヨガのポーズ)をやっているのですが、やってみて初めて分かる、先生のすごさ!

っていうか、先生だけじゃなく、レッスンメイトの皆も平気でやっているようなポーズなんですが・・・(笑)

やってみてわかる難しさ!!

とっても難しい~!! 一生できる気がしません(T_T)

まるで、逆アンダーを教わった日のようです…フィギュア4、上がる気がしません…

ということを持ち出したのは、こういう実感に基づいて作る実力への信頼が大事だってことを思うからです。

実力という言葉は誤解があるかもしれません。実力という言葉には、上下の感覚がありますが、上下のニュアンスは不要だからです。何ができて何ができないのか?ということです。

■ 山も

山という活動も、15kg担げる人より、30kg担げるほうが、実力が上、という感性がありますが、そうなると、問答無用で、20代男子が一番上ってことになってしまいます。

しかし、現実の山では、40代後半から50代前半の男性山ヤが一番強いです。30代なんて全然、目じゃないです。

歩荷量の研究という記事は、人気記事ですが、体重70kgの男性が28kg担いでいるのは、筋肉量からして、体重45kgの女性が16kg担いでいるのと、なんら筋肉1kg当たりの負担は変わりません。

私の実感からしても、17kgって大した歩荷量じゃない…ので、これを実感として連想すると、若い男子が30kg担いでいても、トレーニングの意味に成立していないかもしれないです。

ただ一つ言えることがあります。山は絶対値なので、もし冬山に行くなら、だれでも、自分の寝食を担いで二日間は歩けるくらいの自分を守る力は必要だ、ということです。

私は厳冬期北アは行かないのですが、それは、厳冬期の北アの標高差とか行動時間をこなせないからではなく、もし天候が荒れて缶詰めになったとき、一週間程度生き延びる力が自分にあるかというとないなーと思うからです。 いくら体脂肪あっても。

北アはお天気の読みに本当に経験がいります。お天気を読めるようになるには、やっぱり山に行くしかない…となると、自分でも行ける、そう深くない山を探すことになります。

ということで、上高地くらいは行きますし、アプローチ近いアイスとかは興味がありますが…。そうなると、体力ではなく、技術力の山ってわけで、難しいんですよね。

なので、私の今の課題は、体力増進ってよりは、技術のアップなので、フリーとかドライとか頑張るって話になるわけですが、そのプロセスで、すでにある、私の年齢にしては、平均的と言われている体力を失わない、ということも大切になってくるので、

スプーンの油を落とさないようにしながら歩く

という『アルケミスト』のセリフを思い出すわけですね(笑)。














Saturday, November 18, 2017

The World’s Best Belayer -- Petzl

大日岳遭難事故に学ぶ 技術のリスク、雪庇のリスク、思い入れのリスク、誤解のリスクとその結末

アルパイン2年目だったころの、11月の山を振り返っています。

■ 富士山での雪上訓練 技術習得

アルパインクライミングをスタートすると、最初に身につけなくてはならないのは、

キックステップ、つまり雪上歩行

です。これができていないと、傾斜が平なところでも(昨日、紹介した遭難事例のように)転んでしまいます。

キックステップは、フリークライミングの側対のようなもので、自分で身に着けられますし、身についている人が見たら、だれでもすぐに身についているかどうか、見ればわかります。

自分で雪山に行っても習得できますが、習得しようという自覚がないと、雪上訓練に行っても、一生習得しないで終わってしまうかもしれない技術でもあります。平らなところ…例:北八つ…でアイゼンを履いていると身につかない…。

私は雪上訓練に出たときには、すでに習得済みでした。雪は3年目だったからです。その年は、2度、雪上訓練に行きましたが、高所の順化に役立つのは、富士山での雪上訓練です。こちら。

雪訓

富士山での雪上訓練は、強風対策・寒冷対策が春山の訓練よりシビアです。たまにニュースで、雪訓中、亡くなっている人もいます。

私は積雪期(春)に富士山山頂へ静岡県側から行っていますが、富士山の傾斜は、走って降りれるほどの緩い傾斜でした。登り6時間、下山は2時間半でした。

■ 鎌ナギで学んだこと 思い入れのリスク

リーダーでもメンバーの実力を客観的事実として判断するのは難しいことを学んだ

鎌ナギ

の記録です。

鎌ナギは南アルプスの深南部という秘境的な山で、この山域でもっとも難しい山です。

山の難易度としては、UIAAのAlpineSummerにあった難易度を基準にすると、T6 Difficult Alpine Hike です。

鎌ナギはT6に必要とされる、Excellent Orientating Skill & substantial alpine experience(卓越した読図技術&アルパインの経験)もなく、体力もないのに行ってしまった山でした。

リーダーは優れた人でしたが、優れた人に任せておけばよいわけではない、ということを学習しました。リーダーだって人ですし、特に、その人の会歴が長ければ長いほど、実力を客観視する力学よりも、なんとか連れて行ってあげたいという親心のほうが優位になります。思い入れというのは、安全に対して、プラスに働くとは限らないわけです。

山の実力を客観視することの難しさ

■ 大日岳遭難事故 若さリスク

鎌ナギの研究をしたおかげで、『岳人』にたまたま、

大日岳遭難事故

が掲載されており、知るところとなりました。

これは、非常に有名な訴訟事件で、

 国が非情

であることが克明に浮き彫りにされています。

こちらのクライマーKさんの情報は、コメント欄に残しておくだけでは、もったいない記録ですから、転記しておきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

私が初めて剱岳に登ったのはGWの早月尾根からでした。
大日岳の立山川側に張り出した巨大雪庇がひと際印象に残っています。
合宿最後の日に剣沢のBCから、大日岳を往復することになりました。
最も重要なことは、あの巨大雪庇の上を歩いてはいけないことでした。
稜線の傾斜が緩い部分は雪庇の上です。絶対安全圏は稜線から50メートルと想定しました。
なので室堂側の急斜面をトラバースしていきました。
早朝は雪が硬く、くるぶしが痛いトラバースが延々と続きました。
休息するときは傾斜が緩い雪面に上がりました。そこは岩や這松が露出している所。ここは山稜の上で安全です。この程度のことは山岳会一年目の私でも考えていました。

この事故のときの文登研の講師は、詳しいことは忘れましたが、ヒマラヤで素晴らしい記録をを幾つも残している人です。その時代の尖鋭を歩いていた人です。岳人備忘録でこの人の項目に「この事故の全責任は全て自分にあると、国に言っていた」と書いてありました。事故と国の対応で二重の呵責だったのではと私は感じました。やはり、国側は非を認めず裁判になりました。

天気の良いときに剱岳の頂に立ったことがあれば、早月尾根、別山尾根からも大日岳の雪庇は見えるはずです。
他の山でも縦走をしていれば、雪庇というものが、どんなものか認識していたはずです。
彼は雪庇がどんなものか理解していなかった。つまり壁屋(クライマー)であって、山屋(アルピニスト)ではなかったということでしょう。スポーツの世界では、優れたプレーヤーだった人が、優れた指導者になれるとは限りません。

高度な冬山技術とは何でしょう。冬壁のクライミングではないでしょう。
まず大学生が覚えることは冬山技術の基本ではないでしょうか。


例えばアイゼンワーク。荷物を背負わない雪上訓練では、実際の登山では役不足です。
一週間分のテント泊装備とクライミングギアを背負い、2日間は歩け続けるくらいの山力は必修です。GWに馬場島から登り、剱岳の三の窓にBCを張るくらいのことです。登山技術云々の話はそれからです。
疑問は研修登山期間に学生を保険に加入させていたのでしょうか。あれば、国に過失があろうと、なかろうと保険は支払われると思います。登山研修所が実行する登山なので、研修所がかけるべきです。未確認ですが、講師には日当が払われていると思います。

文登研の所長が言っていることは、典型的な役人の責任逃れの詭弁です。

低価格な学連講習というのは、自称アルパインクライマーで、現在は山に行かなく、人に教えるのが大好きな人が講師というのがあります。有料講習で無資格でもOKなのが日本です。
国際プロガイドでも変な人を知ってます。自動車免許を持っていても、いろいろな人がいるのと同じです。

○○○山岳連盟の岩登り講習会で、残置支点を無視。懸垂下降の訓練中に講師の作成した支点が崩壊。講習生が重傷というのを聞きました。
何年か前の秩父ブドウ沢の事故は、沢登りが2回目の人で、確保なしで残置固定ロープをトラバースさせていておきました。有料の登山学校です。フェラータ方式でトラバース、かつ持参したロープで確保すれば安全だったはずです。遅れて5人も後続しているので、なおさらです。この事故は誰も責任を取っていないと聞きました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤字は、当方がつけています。

この遭難を知ったことで、

・雪庇は遠くから確認して目視で何メートル先が安全か想定しておく
・地物の上で休む
・それくらいは、山岳会1年生でも、できて当然
・まず覚えるべきことは冬山の基本
一週間分のテント泊装備とクライミングギアを背負い、2日間は歩け続けるくらいの山力が基本
・無保険だったらしい(講師にもかかっていなかったことが岳人備忘録に書かれています)
・自称アルパインクライマーで、現在は山に行かなく、人に教えるのが大好きな人が講師=危ない かも
・ヒマラヤに行った人が適切な講師とは限らない
・山岳連盟の講習会だからと言って内容が良いわけではない
・国際山岳ガイドだからと言って内容が良いわけでもない
・講習会でも支点は自分でチェックする

などが分かりました。

■ 被害者は遭難者だけではない

さて、この遭難事件は悲しい事件だったようです。昨日、ある方からこのような感想を頂戴しました。

ーーーーーー
尊敬していた山の会先輩の〇〇さんは先発していたA班の講師でした。事故の後、雪庇を認識していて講習生にも指示していたことを証言、マスコミに誤解されて、今で言う炎上ですね。遺族と文登研の板挟みになり、真面目な方なので、一生懸命、真実を語っておられましたが、国が責任を取らなかったため、自ら責任を取る形でガイドをやめて、山岳界を去りました。今も消息不明です。被害者は亡くなった方だけではありません。悲しい事故でした。
ーーーーーーー引用終わり

つまり、学生の側が、指摘を受けたのに、それを真に受けないで雪庇上で休んでしまった可能性もありますね。むろん、雪庇から落ちた人に直接、指摘していなかったかもですが。

大日岳なんて、雪庇がいっぱいということを知りに行くような山なんで、そもそも雪庇の危険性に無頓着ということ自体がありえない、と思ったりもしますが…、大学一年生だしなぁ。

そうこう、考えている間に、


と題するヨガの文章を読むことになりました。つまり、

 教えても教えても、教わらない人も世の中にいる

という話です。実際、それは、昨日読んだ、若者の雪山ハイキングでの遭難の話と、私が山岳会で見聞きしたことと一致します。

これをどう読み合わせるか、どういう結論を導くか?ということは、個人次第と思いますが、一つ、考慮すべき事実としてあげられることがあるとすれば、

アルパインクライミングで、もっとも死亡率が高いのは、20代男子、

ということです。

それはなぜなのか?ということについても、よく考えてみる必要があると思います。

■ 参考文献

関連図書 『岳人備忘録』

山本一夫さんが、この大日岳遭難事故を語っています。

それにしても、リスクに備える心が、足元をすくわれるのは、ほんの些細な点ゆえであり、そして、人間なら誰にでも起こりうる心の癖ということです。

それが大きな悲しみにつながり、人生自体の崩壊とも言えるような大事件につながっている…ということを、歴史から学ぶことができると思います。

私が見る限り、大事なことは、怠惰に陥らないこと、よく自分の頭で考えること、小さいことをおろそかにしないこと、客観視しようと努めること、人任せにしないこと、執着を手放すこと、など、普段の生活上でも、やっているべきと思えることばかりです。


Thursday, November 16, 2017

UIAA Alpine Summer

■ UIAA

ロープが出る山をしていないと、UIAAの名を聞くことはあまりないかもしれず、ロープももし会に属していると、最初のうちは、おさがりを使っていると思うので、UIAAと聞いても、さっぱり何のことか、わからないかもしれませんが、UIAAは、登山の世界で、最も権威ある組織です。世界の山岳会の親玉みたいなところ。

UIAAについてはこちら。
https://en.wikipedia.org/wiki/International_Climbing_and_Mountaineering_Federation

■ Alpine Summer

そこが出しているアルパインクライミングの教科書を、インスボンに登攀に行ったときに見たのですが…、韓国語でした。

そこで、イギリスから、英語版を取り寄せてもらいました。英語版はフランス語版からの、英訳です。

現在、日本では、技術的に信頼のおけるスタンダードな技術が文書では伝えられていません。

これまで、最も信頼おける技術情報は、ペツルのカタログというのが実情でした。それは海外でも同じだったようで、この本にそう書いてあります。本の中にも、どこかで見た的なイラストがいっぱい。

ここ2年ほど、ペツルはカタログを紙で支給することがなくなりました。これはペツルだけでなく、ロープなどのギアを出している各社同じで、ネット上のPDF化されたカタログで済ませようとしているような様子がうかがえます。

それはそれでいいのですが、新人に教えるとき、紙媒体って、やっぱり便利なのです。というのは、山で、小さい画面のスマホ見ながら、ってのもねぇ…と思うからです。たとえ人工壁でも、ちょっとヤな感じ。

これ読んでおいてね、と貸す本があると、先輩は楽です。

また、ペツルのカタログに書いてあることは、最新情報だということは、クライミング歴が長ければ、わかりますが、そうでないと、たかだかギアの一メーカーが言っていること…とも受け取れてしまいます。ちゃんと読まないかもしれない。

どこか権威ある団体が、これがスタンダード技術ですよ、という本を出してくれないか~と思っていました。

日本では、国立登山研究所の出していた『高みへのステップ』みたいなものですね。しかし、『高みへのステップ』も取り寄せてみてみましたが、残念ながら、一番新しい版でも、8環の時代から、技術的内容が更新されておらず、使い物にはなりませんでした。

今回、紹介するUIAAのAlpine Summerは技術的に、世界で最低限知っておかなくてはいけないことが書かれていると思います。

例えば、流動分散は、日本では、まだ、普通に120cmのスリングを2つのカラビナにかけ、真ん中をねじった、マジックXスタイルが標準的に教えられていると思いますが、こちらの教科書には、オーバーハンドノットをそれぞれの側に結んだバージョンが載っています。確かこれには名前があったと思います。YouTubeで出ているビデオを以前、紹介しました。

オーバーハンドノット付きのだと、片方の支点が壊れた場合も、スリングの伸びが最少で済みます。(がノットを作るとスリング自体の強度が半分程度まで下がるなどの検討は必要かもしれません)

支点として、どういう結びがベストなのか?

ということは、それこそ、ケースバイケースなので、状況を設定して、様々な検討を加えないと最善の解は導き出せませんが、

ただ、この結びは、多分、日本では教えられていないのではないか?と思います…。

おそらく日本では、スタンダード技術というか、標準的に教える内容を定めるのに、議論をすると、議論に収拾がつかなくなるのではないか?とか、そういう事情があると思います…。

それは、主義、主張があるからです。例えば、懸垂下降を、新人に教える時、バックアップつきを教えるべきか、教えないべきか?など…。私はバックアップ付きで教わり、最初から空中懸垂ですが、今ではバックアップを使うことは、めったにないです。斜度が寝ているところで、教えたほうが安全か、そうでないか、も意見が分かれるだろう、ことは容易に想像がつきます。

かといって、いっぺんに全部教えたら、新人が吸収できないだろ、というのは、ほぼ全員一致の意見であるように思いますが…。でも、個人的には、部分的に教えられるより、全体を教わったほうが最初がアップアップでも、後々良いと思いますが。

というような意見の相違や困難を避けているため、日本には、権威ある団体が発行している技術書がないのではないか?と思います。

ので、新人さんは自己防衛のために自分で勉強しないといけないです。それにおすすめの本が、このUIAA Alpine Summer です。

いくつか、この本の内容を映した画像をアップしますので、ぜひご自身で、取り寄せて読んでみてください。 ネット検索で、ヒットします。すでに日本の山岳団体には翻訳を依頼していますが、翻訳が出てくるのはいつになるか、わかりませんし、難しい英語がでてくるわけでもないので、普通に読めると思います。

ちなみにガイド協会が出してるロープワークの本もおすすめだそうです。
http://www.jfmga.com/kyujyomanual.html

本でおすすめはこちら!














■ 参考リンク

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB