Wednesday, May 16, 2018

草原の減少=減ったノウサギ

http://fireside-essay.jp/miyazaki/nousagi/199.html

自然界の観察者としては、宮崎学さんが大変優れた観察をされています。1960年代、今から50年前は、ノウサギは、今の鹿くらいな勢いだったみたいです。今の植林は、樹齢50-60年が多いのと一致していますね。

2000年代、ノウサギは、山に入っていると冬に足跡を見るもの。

で、実際に兎に遭う、っていうことは、そんなにありません。

しかも、信越など寒いところの動物かなと思っていました。調べてみると、北海道を除く日本全体が生息域らしいですが、宮崎さんの観察では、草原の減少が生息数の減少原因のと考察されています。

ということは、草原が維持されている山域などは、まだ生息密度が濃いのかも?たしかに、私たちがノウサギを見たのも、飯山の方でした。

こちらに日本の草地面積の減少についての資料があります。
http://www.kyoto-seika.ac.jp/researchlab/wp/wp-content/uploads/kiyo/pdf-data/no30/ogura.pdf

日本の森林蓄積が過去最大というのは、結構、常識ですが、その反対には、人の手が入らなくなったことによる、草原の喪失があります。

森林蓄積量

余談ですが,クロボクと呼ばれる土壌の豊かな土地は、野焼きの結果みたいですね。



Tuesday, May 15, 2018

山をどう教えたらいいかわからないのでは?

■山をどう教えたらいいか分からない?

昨今の登山者レベルの低下とそれに伴う遭難者の増大は、”結果”ですので、原因が何かあるはずです。

山を教える人も教え方が分からないんじゃないか?と思うのですが…? 

というのは、昔の人の教え方って、教えるんではなく、盗め、ということで、非言語コミュニケーション主体だからです。

■ 事例

登山のガイドブックを買ってきたら、難易度1の山に行きます。大抵は3時間くらいの山です。3時間かかるときは、山頂に12時にいるとしたら、9時に登山口を出発しないといけないというのは、誰でも分かりますよね。下りも3時間と仮定すると(そうならないことが多いですが)、往復は6時間かかります。

もし、12時までにたどり着けそうにない時は、12時で辞めて下ります。また来ればいいのです。

同じのでもいいし、別のでもいいし、また同じようなサイズの山をすればいいだけです。

繰り返している間に体力もつくでしょう。12時山頂だと、夏だと暑くてやってられないから、6時に登山口に行って9時山頂ということなども思いつくでしょう…

登れたら、4時間の山に行けばいいわけです。

日帰りでは、基本的に×2になるため、一日に使える昼間の時間帯は限られており、日の出から日の入りまでの12時間程度しか使えないので、せいぜい片道6時間が限界となり、あまり大きな山に行けないので、もっと長い時間、山にいたいなぁと残念に思うようになり、そうなると、縦走がスタートします。

個人的な意見ですが、そうなる前に縦走しなくていいと思います。縦走だと、長い時間山にいることができて、大変、満足度が高くなります。

縦走が始まると、山で自分の快適性を上げるための工夫が始まると思います。ザックの詰め方や快適なウエアなども、ほかの人はどうしているのかなぁと調べたり、読んだりするうちに自分のスタイルが身に付きます。

快適に担げる荷の重さも人それぞれなので、自分のスタイルが明らかになるでしょう。重くても、お酒は絶対な人もいれば、フルーツは外せない、という人もいるはずです。

日本では、縦走は小屋をつなぐと大変お金がかかるので、自然とテント泊という流れになります。

テント泊縦走は重いので、軽さを求める人はツエルト泊になりますし、実際、ツエルトで事足りることがほとんどです。

そうした縦走を楽しんでいる間に勝手に体力はついていきます。

もう少し大きな山に行きたいと思ったら、その山に行くには、自分にはロープワークや読図の知識が欠けていることを自然の成り行きで自覚するようになると思います。その時が勉強のしどき、です。

そこで講習会などに参加します。機が熟してから、いく。

そうすると、学んだことがしっかり身に付きます。

そのころには雪山に行くための基礎知識も、すでについており、体力も十分でしょう…

ということになっていると思います。

大事なことは、急かされず、間のステップを端折らず、途中経過、プロセスを楽しんでゆっくり成長することです。

発酵でも急いで発酵させたお酒はおいしくないです。低温でゆっくり発酵させたお酒のほうがおいしい。

山やも同じことで、自分のパートナーに、と急こしらえの山ヤを作るようなことは、あまり感心しません。

登れても下れない、後ろをついて歩けても自力下山できない、という半人前山やが出来上がってしまいます。

なので、俺の背中を見て盗め、は、もう現代には無理なのです。

説明し、
やってみせ、
連れて行って、後ろを歩いてやらねば、人は育たない。

《岳沢小屋のブログ》
http://www.yarigatake.co.jp/dakesawa/blog/2018/05/post-1190.html

Monday, May 14, 2018

これから山をスタートする人へ2

■ これから山をスタートする人へ

急がず、目の前の課題を丁寧にこなしていく(例:山に慣れる、歩き方をマスターする、長い距離を歩けるようになる、ザックを少しづつ重くしていく、テント泊に慣れる…などなど)という方法論で、各自のペースで成長していくことをお勧めします。

最初から、山岳会へ入ったり、ガイド登山を行うことは、お勧めできません。せっかくの、味わい深い山の世界を味わいそこなうと思います。

私の登山&クライミングですが、

1)一般登山 3年 
  ・歩くだけ 
  ・ハイキングの山からスタートして徐々に山を大きくしていく(一番大きな山を済ませる)


2)リーダー講習 1年 
  ・山を困難にしていくには、どのような技術が必要かを知る


3)山岳会   1年半  
  ・実践

4)海外登攀

という流れで、自立への道へ進みました。

登山でたどるべき成長の方法論は、登山史がそのまま提示してくれています。1)山を徐々に大きくしていく、2)すべて済んだら、困難にしていく です。今は登山史の中で、2)の後ろの方にいます。

■ 具体例

歩きは、3時間のハイキングの山からスタート、しました。
登攀は、5.9がオンサイトできるまで2年半、です。

今の人は急ぎすぎなのかもしれません。おそらく、周囲の人が、槍に行った、穂高に行ったと語るので、うらやましくなってしまうのでしょう。

ただ、急いでいなくても、山の世界の全体像を知るまでには、そう時間がかかるものでもないのかもしれません。

もちろん、私自身もまだ全体像が分かっているほど、全体を知っているわけでは、おそらくないでしょう… 

とはいえ、登山を始めた人の多くが、1)の段階で、「もう山は分かった」と終わってしまうのよりも、数歩レベルで先へ行っているのは真実です。

せっかく山をスタートしたのに、山の何も分かった、とは言えない1の段階で終わってしまう人が多いことは残念です。

1)の場合は、一般に、”富士山で初め、北鎌尾根を登って終わり”、だそうです。

それは、周囲に自慢できる、すごい山、を目指すから、です。自己顕示欲の山、ということですね。

残念ながら、北鎌尾根は、3)の地点からみると、まったくすごくありません…。まだ初歩の初歩です。それを分かる状態になるだけでも、視野が、文字通り一段広くなるでしょう。

2)へ進むと、山の楽しい面だけではなく、厳しい面、困難な面が出てきます。そこからが本当の山です。

山という大自然の中では、どのようなスキルや力が必要なのか?について、おおよそ理解できるまで、だいぶかかります。ロープワークやレスキュー、ビレイなどの防御の技術が中心になり、短く見積もって2年程度です。

3)実践のだん階へ進むには、仲間が必要です。その時点で、山岳会を検討するのが良いと思います。しばらく自分で歩いたことがある人でないと、山岳会でも何もしてあげることができません。

■ 山に対する理解

具体的で的を得た、山に対する理解、登山行為に対する理解がないと、登山の成果に対して、間違った評価をしてしまいます。例えば、高い山に登れるほうがすごいですか?違いますね。

そして、間違った評価をしてもそれに気が付かないで終わってしまいます。

現代社会では同様の現象が、別の分野のあちこちに出ているので、仕方がないかもしれません。

が、”登山道を山小屋を数珠つなぎにして歩くだけの山”を登山だ!と思ってしまうような、底の浅い理解のまま、それが登山だ!と信じてしまうのは、もったいないことです。

そのような登山では、登山ごっこ、補助輪付きの登山、ということが分かったにすぎません。


Thursday, May 10, 2018

Alex Honnold Japan Rock Trip

やっぱりスポーツルートがいいですよね!しかもどっかぶりで落ちても安全なオーバーハング!

Thursday, May 3, 2018

ルートの易しさと落ちたときの危険度(致命度)はマッチしない

■マルチの墜落 10m

去年インスボンで師匠がカムセット中に墜落。セットしたカムは効いて、墜落したとき、出ていたロープはほとんどゼロ。(ビレイヤーは私ではない)

でも、10m落ちたそうで、だいぶ愚痴っていました。10mって長い距離なんだ~と理解。本来、もっと短い距離で済むはずという口ぶり。

一方、墜落を止める自信があると話してくれた人も、マルチ10m墜落だったそうだ。10mで済んだという見解。

10mが大きいのか?小さいのか?は、その時、支点から出ていたロープ長さによるだろうが、10m落ちて、どこにもぶつからないアルパインルートってあったっけ?っと考えた。

インスボンは、10mくらいなら、大怪我はしないだろうと思えるが…

一枚板の大きな岩場は、比較的落ちても、滑り落ちて、テラスに激突って考えづらい。

岩の形状がクラックでも、ディエドルみたいなところでは、カムが効いている限り、空中にいそうだ。

つまり落下を許容する岩というのは、足場がないほうがいい。

むしろ、稜線チックな岩稜帯は、足場が豊富で登攀は易しいが、左右が切れていて落ちたら奈落の底。

甲斐駒黒戸尾根で落ちた人も知っているんだが、その人は一命をとりとめた系みたいだった。

ルートの易しさと落ちたときの危険度(致命度)はマッチしない。