Monday, September 29, 2014

和名倉山

■ 良き山

昨日はホントに良い山だった。  今回のヤマレコ。

今日も引き続き、4連続の好天だ。野山が恋しくなる良いお天気。お天気でさえあれば、どんな山も楽しいが、和名倉山は格段に晴天の景色がありがたい山だった。何しろ山が深いので、人工物が一切眼下に見えない。この点について言及している記録がないのが不思議だ。

It was a turely a good hiking yesterday, in Wanakura Mountain. It's been sunny for four days today, and can't help feeling like going outside even a home buddy.


ダム湖なんかの興ざめなものは見えない

この良いお天気に背中を押され、山に行きたいな~と、金曜日から思っていて、脳裏に浮かんだのは、狼平だった。私はとっても草原が好きで、大きな空間を感じたいな~といつも思っている。

草原というので、心に浮かんだのが、狼平。でも、あそこはラクラクすぎるので、どうやって充実させようか…と考えていた。行ったことがないところに、少し足を延ばさないとならないとなれば、やっぱり縦走になってしまう。 

I've been wanting to go out, but haven't so several reasons... mostly a small stuff... I just wanted to go to see the wide open air and the what I thought of was Okami taira (wolf's flat land) but Okami taira was too short trip for me. I always want to add something new to the hiking, and Okamitaira had not really new for me at all, so to add a new aspect I had to come up with long route or something. Anyway, the place I had in my mind was "glassy field" not the woods.

右側の南斜面は山火事で出来た草原

が、縦走だと、アプローチの面で、敷居が高くなり、あれやこれやとお膳立てが必要で、ふら~とマイカーで出かけるということができない。

そんなわけで、やっぱりフラッといく日帰りだと、ハイキングになってしまうな~と思っている矢先にきた和名倉山。和名倉山は、ガッツリ歩ける山で、笹の野っぱらを満喫出来る山でうれしかった。

野原、草原というのは、日本では人が手を入れないと維持できない。日本は湿潤な国なので、岩の上でさえ、樹木が生えてしまうからだ。人が手を入れなくなった現在、草原性の景色は数えるほどしかない。自然のままの草原は大抵が山火事跡だ。山梨だと、乾徳山も草原が味わえる。乾徳山もいいな~と思っていたが、それでも小さい山だ。

そういうわけで、山火事跡の草原(といっても笹原)が大きな、和名倉山は良い山だった。

So Wanakura Mountain was unexpectedly grassy which mede me extra happy since it was the mood for me these days... wanting to see the wide open airy space.

■ どうやって充実させようか?と考えること

今回は

  • 初めて一緒に歩く人
  • 初めての山
  • 初めて履く靴

が目新しい要素。

私はいつも、山行は、どうやって充実させようか?と考える。何か目新しいことがないといけない。何かを試しているってこと。

それで、昨日は、いつも履いている軽登山靴でなく、北岳のために買ったアプローチシューズファイブテンのイグザムガイドを履いて行った。

今回は
  • 山が長い以外はあまり大変ではなさそうだったし、
  • 装備も日帰り

なので、いつも通りだとツマラナイ。靴も近所で履く以外に
  • しっかり山に慣らしておく必要があったし、
  • それには長くて大きな山がちょうど良さそうだった。

あまり困難な個所がある山だとやっぱり履きなれた靴が良いと思ってしまう。

ホントは一人で出かける大菩薩なら、ザックを重くして歩荷散歩にするつもりだった。でも、そうすると、コースタイムより遅くなるので、人と一緒に歩いてペースを合わせなくてはならない山には向かない。

Wanakura mountain route is not very hard at all, so I had took the opportunity to test my new shoes. I can't take the risk of new shows when the trip is challenging.

■ 人工物が一切見えない展望の山

今回、和名倉山は、初めての山だったので、雲取だとか笠鳥だとか、奥秩父の東京側の山のプロフィールを知る山にするつもりだった。

最近、知ったが、雲取山は、実は山梨の山だった。東京都の最高峰だと思っていた。

奥秩父縦走を真面目にしようと思えば、雲取から金峰までの長い縦走になる。甲武信から金峰山までしか歩いていないし…。

ただ和名倉山は奥秩父の主稜線から離れている。だから、人が少なくて良い山なのだろう。

和名倉山は、あまり知られていない。地図の上でも名前が出ていないで、白石山となっている。

和名倉山の良さは、何と言っても、まったく人工物が眼下に見えない大展望、ということだろう。

たとえば、後立山連峰は景色が素晴らしいけれど、眼下に街の灯が見える。人々の生活の営みが
見えてしまう。夜は星明りと街の明かりの比較ができてしまう。和名倉山では、街の明かりは見えないだろうし、東西南北夜は真っ暗になるだろう。

中学の頃、帆船にのって、3泊4日の洋上研修へ出る機会があった。そのとき、陸がどんどん遠くなり、終に見えなくなった。そして、360度、どこを見ても水平線しか見えず、上には青い空、下には青い、あまりにも青くて吸い込まれそうな海しか見えなくなった。

水平線しか見えなくなったとき、なんだかすごく心細いような、それでいて、非常に責任感を感じさせられるような気がした。今からが本番、という感じだ。あの時は海だったが、和名倉山は、その山バージョンだ。

自然と向き合うというのは、何もかもが人間に任せられる、ということで、自由でありつつも、自分自身の存在について、重い責任を感じさせられる。大げさな言葉だが、他の人類からの助力が得られない、ということを感じさせられる(笑)。

たとえ、大自然の中にいても、それを感じるのは現代では稀だ。自然ではあっても、ウィルダネスではない、という感じが、どこに行ってもある。人の息吹を感じるからだ。

どこにも、ここにも山小屋があるのは興ざめだ。(実は将監小屋という小屋が和名倉山にもあるが)

和名倉山からは、人工的なものが一切見えない。だから2014年なのか、それとも1014年なのかを、景色から感じさせるものがない。たとえば、対照的なのは、三つ峠で、鉄塔だらけで、鉄塔を作った人間の技にむしろ感嘆してしまうのと全く対照的だ。

What's nice about Wanakura mountain is that from this mountain, you see no man-made things.
No electric towers, no towns, no nothing!  As far as you can see, you only see the mountains.

As a result there is no clue to tell the what age you are in; the time can be 2014 or 1014.

ここは外国人の友達を連れて来るのにも良いかもしれない。彼らは、隔絶された場所をとても好むから。

This mountain might attract foreigners. They would like isolated place like here. Japanese mountains are always too close to human activities, physically and emotionally...but this is the place you can truly feel un-wired, un-connected to the human activities.

以前スタバで知り合ったアリゾナの人は、電気も来ていない、隣まで何キロもある場所に、馬を買って暮らしていた。彼らが言うには、山梨は大都会すぎ、山梨の人が言うには山梨は田舎すぎる。

私はと言えば、アメリカやオーストラリアでは、家々の距離がとても離れていて、普通の郊外、というものは、スーパーが40分先という意味だというのを知っているので、開店休業しているにしろ幹線道路沿いに、ぎっしりチェーン店がひしめく山梨はオーバーストアだと思う。マーケティングを少しでもかじった人ならだれでも日本がオーバーストア状態なのを知っているだろう。

どうせ売れていないのだし、誰もが車なのだから、店を減らし、その代わりに緑に置き換えたら、ちょうど暮らし安い町ができると外国人なら思うだろう。

ずーっと山 日本は山国だ

大菩薩の湯から1時間走っただけで、そのような山深いところに行くことができる。景色は開放的で、すばらしい。

アプローチの林道で、鹿にあった。一匹は道路に飛び出してきて、あやうくぶつかるところだった。
鹿はどの山でも多いが、和名倉山の東仙波ピークのあたりでは、動物臭が風に運ばれてきて、鹿さんの家が風上にあることを感じさせられた。登りでも下りでも同じ個所でだ。姿が見えない鹿が人間がきていることに不満の鳴き声を上げていた。

というわけで、和名倉山は、すごく気に入った山になった。お天気が良いのに助けられたのだろうか?良い仲間に助けられたのだろうか?とても良い山だった。

この辺りは沢が良いと聞いているので、来年に向け、沢の研究をしておかなくては。

≪まとめ≫
・良い山発見のコツは、主稜線から離れた山かも?(つまり近所なら笠取ではなく、和名倉)
・山火事跡、は有望
・山しか見えない景色は、鉄塔やダム湖が見える展望より、数倍素晴らしい

・和名倉山は秩父川の呼称。山梨側は白石山と呼ぶ。
・もともとの米ツガの原生林は1950~60年代の森林伐採と山火事で焼失
・笹の種類はスズタケ。鹿の採食圧に弱い。丹沢では後退も報告されている
・スズタケは1.5~2mになる笹で日本の林床植生を代表する種