Monday, March 17, 2014

御坂山岳会 ビーコン講習

三国峠から富士山 講習に使うには惜しい快晴!
■アバランチトレーニング

昨日は会のビーコン講習でした。

内容:

・ビーコンによる探索
・プロービング
・ほり出し V字コンベア
・引きあげ法
・雪上支点


ただもう雪が固く、訓練には適していなかった。
来年は1月の入笠山くらいが適地かもしれない。


■ 一緒に登る人とやらなければ意味がないセルフレスキュー

アバランチトレーニングは、正直な所、私は今年本格的な講習会を済ませたばかりなので、内容的に目新しいことはなく、すでに学んだことでした。

ただ、山岳会のにも出たのは 

セルフレスキューは一緒に登る人と知識を共有していなければ、意味がないから。

つまり雪稜バリエーションのための投資です(笑)!

私は何度も言っているようですが雪稜がしたいのです!

それが理由で1月に2万5千円もの高額な講習会を夫と二人で受けたのですから。5万円!!
夫が一緒の山で、雪崩の危険があるところに行くかどうかは分かりませんが、去年のGWは仙丈ヶ岳に行ったし、今年は唐松岳も行きたいし・・・、八ヶ岳だけでなく、谷川方面や北アにも初級の山とはいえいくなら、やっぱり必要かもしれませんね・・・、というので出たのでした。

今年はGWの雪稜は鹿島槍鎌尾根が予定されています。もうコレが終わったら、あとは夏に入ってしまい、私にとっては、夏と言うのは山が休み、って意味です(笑) 

ああ悲しい・・・今年は講習会に貴重な土日が食われ、雪稜は全然充実していません(><)

■ ビーコン探索
プロービング中

ビーコンは一個だけあっても意味がない。しかし、二人とも埋まってしまう場合でも、二人とも身に着けていた方が、他のパーティに探してもらいやすくなる。

そして、探す側からすると、3アンテナのを使っていて欲しい…シングルアンテナビーコンは見つけにくいのです。

パーティで捜索する際に重要なのは

1)まずデブリなどの埋まっていそうな地点まで走って行く
2)ビーコンをサーチモードにする
3)おおよその見当がついたら、プロービングする
4)谷側1.5m下から掘り出す

という手順が

しっかり頭に入っており

そして
・デブリ、雪崩の屈曲点、岩陰を探す
・遺留物はその場に置いておく
・ビーコンには癖があるので使用によくなれておく 
・プロービングは効率よく
・ヒットしたプローブは抜かない
・顔や頭を傷つけない
・何はなくとも気道確保

という注意点が頭に入っており

そして、それらが全部、

大急ぎで行わなければならない(15分以内)、

ということではないでしょうか。

私が参加した、労山の第21回雪崩講習会では、3人のパーティで探索し、時間内に発見する、という練習で、リアリティがよりありました。一人が見張り、一人がビーコン探索、一人が堀り出し。 

こうした講習は、机上講習の重要度が高いと思います。知識が行動に反映される率が大きい。例会を机上講習とセットにしたらいいのに。

(私は地図読みも机上講習が成否の半分を決定すると思います。磁北線をアウトドアで引く時点でもうダメ決定かと…。なぜなら実技以前に、準備で地図がだいぶ頭に入っていると行動が違うからです。)

■ 登山者にはプローブよりビーコン?

でも、登山をする人には、あまりアバランチトレーニングは要らないかもしれない…?? 

もっともありそうなシナリオは、バックカントリースキーヤーとかぶる山で巻き添えを食うというもの。
まさに今年初めの立山、真砂岳の雪崩遭難の例です。

(・・・となると、プローブよりビーコンを先に買う方がいいかも(笑)?)

なぜなら、冬山登山は基本尾根なのです!

(でも最近アイスもやるけど…。アイスは源頭部で雪崩があることがある。しかし、基本的に狭いルンゼを詰めているはずで、小規模だが逃げ場がない雪崩で、大規模な表層雪崩とは性質が違う…したがって対策も違う気がする・・・)

尾根を歩いていたら雪崩はほとんど心配ない。

というか、ルートファインディングで雪崩地形を通らないようにするほうが重要。

■ 引きあげ法

私は3分の1の引き上げシステムはすでに作れるのですが、1分の1、2分の1、も習いました。 

というか、1分の1とか、2分の1では、絶対に引きあがらないのを確認しました・・・(^^;)。

3分の1引きあげは、

・ムンター(半マスト)
・クレムハイスト

山岳総合センターの講習会では教わりました。私はこのシステム、遭体協の隊長に習ったのです。

今回は

・プーリー (ペツルミニトラクション
・プルージック結び

でやりました。私は講習会で教わった方法が優れていると思います。理由は

・ミニトラクションを持っている人はほとんどいない。

・プルージック結びは、上下どちらにも動くが、クレイムハイストは方角があり、今回のように一定方向にしか引きたくない場合は、より信頼が高い。

からです。

ムンターの欠点は

・ロープが痛むこと

ですが、レスキューのような緊急時にロープが痛むことを言ってもしかたありません。

緊急時はムンター。プーリーなんて遭体協でなくては持っていないです。

岩登り中のセカンドの確保や懸垂下降など、平時で確保器を使えばより信頼性が高い、というときに、ムンターを使う必要はないと思いますが、非常時であるレスキューではムンターでいいと思います。

やっぱり、講習会は一つだけ覚えておくならこれだけ、というこれぞという技術を教えてくれていると思う。(どうせ一つ以上教えても使えないでしょうし…。実は小屋で、この技で洗濯物を干していました・・・ーー;)

ATCガイドをミニトラクションの代わりに使えないか?と思っていたら、やってみたらダメだった・・・。うーん、ロックは当然するけど、ロックしすぎて引きたいときに解除できない・・・。けれど、発想は正しいらしく、ここにシステムの画像があった。 もう一度やってみようかな?

■ 面白かった雪上支点

面白かったのは、雪上での支点作りでした。

アンカーは

・土嚢袋アンカー
・ピッケル (横埋め)
・メインロープで流動分散を作る方法
・枝
・生枝

雪に埋める場合はすべて、プラトー(台地=土台)の強度が重要です。プラトーは踏み固めて作る。

・プラトー 1m×50cmくらい 30cmほどの深さ (踏んでも30センチ深しか固まらない)

です。土嚢袋は一つ入れておけ、と実は言われていたんでした。どこで言われたんだっけ?

ピッケルの横埋めは、スタンディングアックスビレイより安心感がありますが、絶対に残置したくないですね(笑)

そして、枝。枝と土嚢袋は、テント泊の時、ペグ代わりにしていたのを大きくした感じでした。これなら残置OK(笑)?

今回は雪がとっても締っていて、湿雪だったので安定感バッチリでした。

参考サイト : http://hakuhohkai.sakura.ne.jp/2005/05sotai/05sotai.html

■ メインロープで流動分散

スリングがない場合に、

メインロープで流動分散を取る方法

も面白かった。

固定分散では、普通はオーバーハンドで固定点を取る。

これは流動分散で、全体を大きな輪にして、インラインフィギュアエイトノットで輪を作り、支点と支点の間を流動分散して、ビナにまとめる。

インラインフィギュアのエイトノットはしばらくやっていなかったので、作り方を忘れてしまっていた。

こんな用途があるとは!

今度暇な時に練習します。








■ 柴&小枝を寄せ集めてアンカー

これは、デッドマン代わりに、柴や枝を寄せ集めてアンカーにし、雪の中に埋める方法です。

いわし

いわしってのは要するにムンターだな。

だってイワシを2回すると、クローブヒッチなんだもん。

(どうも、今検索したら、群馬のほうの方言らしい・・・)
 






■ 立木(生枝)を束ねて、アンカーに使う方法

これは、雪の摩擦を使うわけではないので、無雪期にも使える技

だけど、立木が合ったら、幹から取るほうが・・・と言えなくもない(笑)

でも、幹から取れない場合もあるかもしれないから、覚えておくとい良いかも???ハイ松とかでとるのかなぁ?

最低3点からとることが条件

です。

参考サイト: http://www.yamanakama-sirius.org/oyakudachi/gijutsutext/Yukiyama/yukiyamaText.htm#02




縦走路で支点がないときに、どうやって支点構築したらいいのか?が悩みだったので、自然物を使って支点を作るのはとても知りたかった。

での、とりあえず、支点構築のためのロープワークがとても面白かったのでした☆