Tuesday, June 18, 2013

面白い山の見つけ方 その2 山をブレークダウンする方法

■ 百名山は個性がない目標

深田久弥さんは、文学者であった妻の盗作で名を成し、その後初期の苦しい時代を支えた妻を捨てた、女の風上には決しておけない嫌な奴

私は尊敬もしていませんし、そもそも一番楽なルートからピークハントして山を知った気でいる百名山的な山登りが嫌いですが、

「どの山に登っていいか分からない登山者に分かりやすい指標を与えた」

という功績は甚大なものがあると思います。

そう…登山者の皆さんは、色々聞いてみますと…どこに登ったらいいか分からないみたいなんですよね(汗) なんでだろう???

■ 山をブレークダウンする方法

たとえば 私は家から甲斐駒が見える。あの美しいシルエットを見て、登りたいな~と思わない人はいないでしょう。

登りたい!理由は単純!!家から見えるから!!!

というワケで、甲斐駒がひとつの目標になります。

甲斐駒で一番難しい山と言えば、無論、積雪期甲斐駒。 ああ、登りたい!

コレをたとえば、ガイド登山で行ってしまうと、山がつまんなくなる。

 ”目標を達成するために手段を選ばず”とはガイド登山のこと…あっけなく一発で登れておしまいです。山頂付近の危険個所では、登るあなたのアイゼンワークが心もとないという理由で(つまりスキル不足という理由で)ザイルを出してくれるでしょう。

脈絡もなく、いきなり達成してしまった山には愛着も湧かず、達成感も湧かないでしょう。

しかし、私なら、甲斐駒はこうします。

甲斐駒は南アの中では難しい山に入りますから、まずは、南アデビューからです。

1)無雪期 仙丈ヶ岳で南アデビュー お花畑とカールを楽しむ
2)無雪期 北岳  
3)無雪期 鳳凰三山
4)無雪期 甲斐駒 北沢峠から(一番やさしいルート)
5)無雪期 甲斐駒 黒戸尾根から
6)積雪期 夜叉神峠・高谷山

 ここで一旦お休み。積雪期の入門山岳エリアは八ヶ岳のため、八ヶ岳で雪山修業… 冬天狗まで。

 冬天狗をやるには…
  1)無雪期 天狗岳
  2)残雪期 北八ヶ岳
  3)積雪期 北横岳
  4)厳冬期 北八ヶ岳
  5)厳冬期 天狗岳

 くらいのステップが必要となります。ここでやっと、本流南アに戻れる。

7)残雪期 仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳 
8)厳冬期 鳳凰三山

9)厳冬期 甲斐駒

パチパチパチ~! 9つのステップがあるのです。その上、5つのステップがある。ので、甲斐駒一つ登るのに合計14の山をこなすということになる。

こういう風にしないと無理なく登れるようにはなりません。

だって、足と山が揃っていないでしょ。

さらに、これらの9ステップの山はすべて本番のため、足慣らしの山、つまりトレーニングの山が要ります。

ということは南アの前衛の山に行くべきでしょう!ズバリ…

1)櫛形山
2)荒倉山
3)入笠山

じみ~なところで、無名の里山 八頭山、などもありますが、地図が読めないといけない山なので、これはこれで、別の意味で本番になってしまうので… こういう山は、料理に例えるなら、胡椒とか七味みたいな存在です。

登山と言えば、やっぱり、あくまでメインディッシュは中級山岳です。

中級山岳(日本アルプス系)がレストランで食べる食事とすれば、日帰りのハイキングの山は、いうなれば、定食屋かビストロで食べる日々の食事…栄養はココで取っているのですから重要ですが…
こういう山は何度も通って、自分のホームグランドとするのがよろしいです。

■ 山をビルドアップする方法

私の場合、ホームグランドは茅ヶ岳です。

理由は単純。甲府市北部に住んでいるから。一番近い日本百名山。

ホームグランドなので何度も登っています。最初は一日がかりで登っていましたが、今では往復3時間の山です。

茅ヶ岳は奥秩父の前衛の山です。 ということは…奥秩父ともお親しくしたいですね♪

奥秩父を知る…と言えば、主稜線くらいは歩いておきたい…ということで、主稜線は?というと、金峰山・甲武信岳の稜線です。

最近、達成しました♪ ちなみにこの稜線は分水嶺でもあります。

たとえば、登りたい山は甲斐駒のようにブレークダウンするのではなく、ビルドアップすることもできます。 

つまり演繹法ではなく、帰納的に山行計画を作るってことですね♪

1)茅ヶ岳 (ホームグランドの山 起点)
2)金峰山 大弛峠から   理由:2時間半だから
3)瑞牆山 次に優しい山 
4)金峰山 廻り目平から
5)金峰山 瑞垣ルートから
6)甲武信岳 千曲川源流から
7)金峰山 黒平から
8)甲武信岳 十文字峠から
9)金峰山~甲武信岳縦走

こうなると、今度は、雲取・笠取山の方から全山縦走 が視野に入ってきます…すると

1)雲取山 ピークハント
2)笠取山 ピークハント
2)雲取・笠取縦走
3)雲取山~金峰山全山縦走

これらの前座となると浮かんでくるのは、乾徳山。ピクニックなら西沢渓谷。

1)乾徳山
2)西沢渓谷

これだけでもう結構1年のシーズンが終わりそうですね(笑)?

おっと、その前に、金峰山では五条岩に登りたい?すると多少の岩登り技術が必要に。というわけでボルジム通い(笑)

乾徳山が見えてくると、奥秩父最高峰の北奥仙丈ヶ岳などにシャクナゲ新道から登るというのもおもしろそうだな、とか見えてきますよね? というわけで来年の山は決まり!です。

さらにホームグランドの里山茅ヶ岳といえば、兎藪。地図が読めないと行けない。

さらに金峰山の前座は、茅が岳一座ではなく、他にもあるでしょ、というわけで、中津森とか、ハイキングの山なら、昇仙峡付近の山、藪山ならチョキ…などと色々と登っておくべき山が出てくるわけですね♪

奥秩父は別名東アルプスなので、滝子山まで続く稜線も気になりだします。そうすると、御坂山塊が見えてきますし、御坂山塊が見えたら、富士山が見えてくる。富士山が見えたら、箱根の山も・・・というわけで・・・

そうこうしているうちに、百名山なんて、なんだか蚊帳の外の話になるんですが…? 

なんだか近場でも十分忙しくないですか?

みんなはならないのかな~? それが不思議。


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