Sunday, February 17, 2013

奥秩父金峰山LOVE


今日は、金峰山へ行ってきました☆ 今回のヤマレコ
金峰山は本当に良い山ですね!また好きな山が増えてうれしいです。
去年夏に廻り目平のほうから登りましたが、増富側からもとても気分の良い登山道でした。
麓は山梨らしい、手入れが行き届いた明るいカラマツの森でご機嫌です。のんびり緩やかにアップダウンを繰り返して、標高を上げると、どんどんシャクナゲが増えます。6月はしゃくなげでさぞかし女性的なことでしょう。
そして、樹高が突然低くなったかと思うと、岩の尖塔が…稜線です。今から稜線ですよ~の合図が気が利いていますね(笑)。
そして稜線は特に帰りが気分がいい!まるで南アルプスの甲斐駒に歩いて行けてしまいそうな気になってしまうご機嫌な空中散歩です。八ヶ岳にも手が届きそう。小川山の背後に浅間山が立派に控えていて、金峰山に登ると次は浅間山方面に行ってみたくなるかもしれませんね。
見ていて、茅が岳は金峰山の前衛の山なのだと思いました。しばらくホームグランドだった茅ヶ岳… まだ全部歩き切ったとは言えないのですが金峰山は古くから登られ、9つも登山道があるそうなのです。今では、廻り目平、大弛、増富の3つ以外は、ほとんどが廃道のようですが。
 歩きたくなる尾根① 歩いたであろう痕跡に、尾根上の樹木が剥げている・・・歩けそうに見えるんだけどなぁ
 歩きたくなる尾根②
歴史も古く、植相も良く、山頂は開放的、こんな気分の良い山なのに…市街地からあまり見えないせいか、静かな山です。
実は金峰山…なんとなく気が進んでいないエリアでした。奥秩父… なんか、演歌?なんだか奥という言葉と秩父が連想させるイメージが、鉱山労働者風の、暗く、重たい、悲しい女工哀史的イメージでした。
それに奥秩父って…秩父の奥という意味だと思うけど…奥って? 山梨から見たら全然、奥じゃないんですけど・・・。
秩父の端っこが山梨に接しているわけで、山梨にとってはフロント、前なんですケド…考えてみたら、我が家の裏庭、愛宕山も奥秩父の辺縁の山って言ってもいいんですよね。
金峰山は奥秩父の盟主と言われる山です。 山頂の五丈岩がとても有名。ですが、おかげでイメージが和、というか、ガテンというか、ふもとの森ののびやかな明るさや、緩やかなアップダウンが続く、気持ちの良い森林散策のイメージがない…どちらかというと暗く、がっしり、どっしりした男性的なイメージを想起させませんか?
でも金峰山の中腹には、これでもか!というくらいシャクナゲがいっぱいあって、最盛期はさぞ華やかで、豪華な眺めなことでしょう!女性的ですよね。
今日も厳冬期の金峰山、確かに稜線上のコルに当たる部分は稜線らしい風が吹いていましたが…八ヶ岳の烈風を知る身にはそれほど堪えることでもなく、それに天候の回復具合のせいか五条岩のあたりでは、とってものんきな具合にポカポカと朗らかで…今日はホントに久しぶりに、山は「あ~そ~ぼ!」って感じでした。 幸せ満喫です!
 かくれんぼ中
■ 金峰山
今朝はせっかく6時ごろ自宅を出たのに…ナビで登山口を指定するとなんと民家の軒先のどん詰まりについてしまいました…(汗) 出たのは、なぜか、除雪されておらず、車でラッセル15cmほどになりそうな、車一台通れたらやっとの道…。
「ああ~Uターン、Uターン!」と叫ぶ私に、「そう?」とのんきな夫。なんとなく覚えている道と違ったんですよね…なんかおかしいなと思ったけど、細かいところまで登山口への道を覚えていない。
前回も観音峠から行って、林道はまがりくねっていてデコボコで、落石多数の悪路。登山口に着いたときは気分が悪くなりかけていた… ので、正確には正しい道を通って登山口まで行ったことがないので道路に見覚えがないのが普通なんですよね… なんとなく朝から悪い予感がしていたこともあって…「うーん。金峰山だめっだったら、蓼科山でも行く?」とすでにプランBの可能性を考えている私。夫は「・・・。か、茅ヶ岳は??」と、突然振られてアセリ気味。彼には代替え案ってのは期待デキナイ。
とりあえず、瑞垣湖の反対側に回ってみて、登山口にはつけたのですが…遠回りしたため余計に時間を食い、早起きの苦労が…登山開始は遅くなってしまいました。
金峰山、往復7時間の山だと思っていたので、8時には登山口についていたかったので、とりあえず、7:30に登山口に到着できてよかった。着くとすでに10台ほど車がありました。私たちの後にまだ到着している人たちもいました。
装備とトイレを済ませ、いざ出発です。以前ここへは来たことがあり、瑞牆山へ登ったのでした。瑞牆山はそんなには好きになれなかった山でした…。 夫と当時のことを話す。

「そういえば耳あてコロリン事件があったよね~」「思い出さなくていいのに~僕も思い出したけど…」そう夫は耳あてを落として猛ダッシュしたことが…。
今日は風が強く寒い一日のスタートとなりました。
足元は、このあたりの山らしい、ふかふかとしたパウダースノーです。アイゼン不要。
気分の良い明るいカラマツの森をくぐって、まずは富士見平への分岐。分岐の道標に林道はこちら、と書いてあるのに…林道のほうへ行ってしまう隊長=夫。 「ねぇねぇ分岐で地図見てよ~」と声をかけるとアタフタ…。手袋を落とす…。今日はどうもスマホはスタンバっていなかったようです。
そうこうしている間に、先ほど追い越した登山者二人に追い越される。
ま、いいのですが。8時半、富士見平に着きました。とりあえず、朝あわてて出てきたので朝ごはん代わりのパンを食べるのに一本。 
≪冬靴の紐≫
スカルパの靴ひもを締めすぎて足がしびれてきたので靴ひもを緩めました。最近知ったのですが、登山靴の靴ひもを止めるビスって、紐を固定するものが一か所ついているんです。それは後から引っ張っても動かない。あらかじめ足に合わせておくんだそうです。フィット感がいまいちなのは店で購入した時から合わせていないせいかもしれないよ、と好日山荘でアドバイスをもらったので、ならば、と家でおもいっきり引き締めてきたのでした…けど、あまりきついと血行障害で凍傷のリスクが上がる… キツキツに締めてきたので緩めました…。
休憩していたら、隣の男性の登山者は電話中…聞くつもりはないんだけど、聞こえちゃう…
「ずいぶん長いこと運転してきたんですね~」「川崎からです、下道で5時間」
ホント、首都圏の方の山にかける情熱には頭が下がります。 5時間もの運転をしてきているなんて!!
この方は瑞垣に登って帰るのだそうでした。良い山だったといいな。
もう一人の登山者の方は、あとからゆっくり行くから…ということで、私たちが先発しました。金峰山は3時間半くらいかかると思っていたので、登り4時間くらいかなと。実際はもう少しかかりました。山頂には12:45についた。7時半スタートだから、5時間以上かかった計算。
 富士見平 テント2張り
この日は寒く、私は生理が終わったばかりであまり体調が良くありませんでした。なんとなく、先週は休養の週と言うか、だらけた一週間でそのだらっとした感じから体が抜け出ていない。久しぶり(というか2週間ぶり)の山歩きはなんとなく、いつもより寒さが堪えるのでした。胸元の温度計はー10度。道路の電光掲示は-11℃でした。
日ごろ手はすぐに温かくなるのに、この日は風もあって手がかじかむ。手袋はちゃんとしたのを出せばいいのにサボってインナーのまま。つま先もかじかんで、結局血の量が足りないんだろうな~と思いました。でもドリンクは今日はヴァームにしてみた。イラナイ脂肪を活用する作戦で。
富士見平小屋から、しばらく行くと、尾根に乗ります…尾根に乗ったところに瑞牆山を見るためのベンチがあるんだけど…
尾根に乗ると、乗越の風がきつく、今日はホントに震えるようです。まだ体も温まっていない。夫は写真を撮りにいちもくさん…。
彼のこういう行動を見ると、本格山ヤさんには見せれないな、と思ってしまう。尾根に乗ったところで乗越の風に煽られるのは、山を少しでもしていたら誰でも知っている。だから、風が強い地帯ではさっさと歩くべし!なのです。
もちろん、写真を撮りに行ってもいいんだけど、その時、たとえばフードの襟を立てるとか、風をよけれる木陰に入ってから写真を撮るとか、なにかしぐさがあればいいんだけど…夫のはそうではなく、ただ一目散に「景色!」と思って行ってしまうんだな…そういう風に
ただ目先のことに気が行ってしまう人は山の事故に遭いやすい。だから山ヤさんには素人呼ばわりされやすい。
要するに、ここがどこか?ってことを考えず、思考停止中なのがバレバレで、たとえば、写真を撮りにハイチーズ!はい、ちょっと右によって~と言って、コロン、と谷に落ちてしまったりする危険なタイプと目されてしまう・・・
そう…夫は前科があって、耳あてが転がって、どこにそれが落ちていくかも見極めずに斜面を駆け下りた・・・、あの耳あてコロリン事件から全然成長していないのでした…(汗) ま、そういうところが夫の良さの裏返しなんだけど。
私はというとそんなに単純な性格ではないので…「風が強いからさっさと歩いて!」と夫を急かし、先を急ぐ…。登山道はすぐ尾根の上から尾根の南側へトラバースし、飯森山のピークを南側に大きく巻く…ので風は収まり、ほとんど無風に。そのあたりはシャクナゲだらけです。
 これでもかってシャクナゲ道

やがて大日小屋が出てきます。大日小屋は、2万5千の地図にある位置とは全く違う場所に移転しているようです。登山ポストがありました。
大日小屋から20分で大日岩へ。10時半。ここは小川山への分岐でもあります。小川山、去年、山さんが静かな山としておススメしてくれたのに行っていません…今年こそ行かなくては。今日は小川山方面にはトレースがなく、ラッセルの練習にいいのかもしれませんね、と思いました。
大日岩からは2317のピークまでは気持ちの良い樹林帯の鼻歌交じりの道です。 大日岩
2317のピークは、砂払いと呼ばれています。ここで岩の隙間から富士山が見えますが、ここから上はどこからだって富士山が見えるんで別にここで感動する必要はなし!なのですが、今日はココでまるで雑誌ランドネから抜け出たようなカラフルでぎやかないでたちの女性がアイゼンをつけている私を押しのけんとする勢いで喜び勇んで、富士山を見るために岩のはじのほうに立ったのですが…
実は富士山、上に行けばどこでも大展望なんだよ~。彼女のダーリンでしょうか、おそろいのウエアの男性も・・・砂払い大混雑。
 この時間はまだ曇っていて寒い。気力も萎え気味。
とりあえず、普通の登山者はここから先、稜線に出ると分かるので、アイゼンをつけます。アイゼンって雪がふかふかの時は要らないんですよね。私も最初は知らなかったんだけど。
そこからは2400のあたりまでは、いったん下って登るのでちょっともったいない気がする道。大岩の隙間から見える崖っぷちはけっこう深く、高度感もありますが、見なければいい話。
森林限界からは出ていますが、稜線を歩いているような解放感はまだない位置です。森林限界と岩場の境目の際を歩く感じ。今は雪がふかふかで、このあたりでくじける人が多そうでした。時間が足りないと言って降りて行っている人もいました。(下山で追い抜いた)
今日は樹林帯で、擦れ違いで降りてきた若い男性が「ラッセルがしんどくて山頂をあきらめた」と言っていました。この辺りかもしれません。でも、ほんの標高100mくらいだし、ちょっとなのです。
吹きさらしの稜線に出たらラッセルするほどの雪の量はなかったです。でも私たちはラッセルしていないのでラッセルしてくれた誰かのおかげですね。大日岩ですれ違った3人のおじさんはとても消耗していてお疲れ顔で、なのに山頂を踏んでいないのだそうでした…。おじさんたちのおかげなのかなぁ?
稜線から南側が見える2450のあたりまでが雪が多いのは登山道が北側吹き溜まりにあるからですね。
2450まで行くと苦労が一気に報われ、空中散歩。2450まで行けば、金峰山に行ったと言ってもよろしい!って感じ。
ここから先が金峰山の山頂らしい、稜線歩きです。金峰山の山頂は横に長ーいので、広い意味ではもう山頂って言ってもいいかもしれませんし!
ただ2497のピークからは地図には表れていないようですが、少しコルになっているので、地形的に風の通り道にあたり、すごく風が強い。でも五条岩付近ではほとんど無風でした。不思議ですね。
 おなじみ五丈岩。
 鳥居がある。
五条岩をすぎ、5分で金峰山山頂。 ココはホントにのんびりです。少し奥に行くと気分の良い原っぱがあるのは夏に来てしっていましたが、今日は山頂が12:45で時間がタイトだったのですぐに下山です。
でも下山は惜しいくらいの素晴らしい稜線の眺め。まるで甲斐駒まで歩いて行けそうでした。
山登りって、登るのはしんどいのですけど、下りはいつもルンルン気分。人生もそんなものかもしれないですよね。登り切ったらあとはルンルン。まだ登り切っていない人は苦しいのかもしれません。
追い抜いた登山者数人と再度、すれ違い…あのふてくされながら登っていた三人組は無事着けたでしょうか(笑)
急ぐ私たちは、サクサクおります。が、樹林帯から大日岩までが覚えている登りよりちょっと長く感じました・・・。行きの方が短く感じる道はそんなにないです。大抵は帰りが短く感じるものなのに。
雪がふかふかで…本当に八ヶ岳や金峰山というエリアの雪はふかふかなのです。ゆっくり歩いているときは転んでもいたくないし、気分がいいのですが、急ぎ足の時は足がとられがち。
今日は帰りにアイゼンをどこで外そうかと悩みました…とりあえず大日岩の下部に登りはいいけど下りは…
て箇所があったのでそこまではつけていようと。
でも外しても外さなくてもふかふかの雪は歩く速度が変わらなさそうだったので、手に持っても重たいだけだし…と結局、富士見平上の尾根まではつけておきました。 尾根に出ると小石がアイゼンに当たって嫌なキュキュっという音を立てるので外して…
富士見平では敗退したカップルと、ランドネカップルを追い抜き…下山は15:35. 駐車場に15:50。 下山は3時間弱ですね。
結局往復7時間の山ではなくて、往復8時間の山でしたが、最近は日が長くなってきたので、ちょうど良い頃合いに降りれて良かったです。往復8時間なら・・・権現行って帰ってこれるのかなぁ・・・頑張れば。
ただ・・・たった2週間歩かなかっただけなのに…また歩くのへたくそになっていた…(汗)登山道ってホント毎週歩いておかないと歩き方が身に付きませんね。反省。
今週末は大事な山があるので、ちょっと反省してすこし体慣らしの必要を感じた山でもありました。
帰りの車窓からは、太陽を中心に、光輪となった虹が見え・・・虹をみると約束を連想します。神が民にしたという約束です。
だから、虹をみると・・・その時、その日に考えたこと、感じたこと、結論付けたことに、山の神様がYESと言ってくれているんじゃないかって気になるんですよね。
心地よい疲れに身を任せながら…「そんでよし!」と自分で自分に納得するのでした(笑)。 まぁ人生は好きなように生きたほうがそもそもいいんだし、山に行きたいから行ってるんで、誰からも「それでいいよ!」なんて太鼓判押される必要はないはずなんですが… でも、「いいよ!」って言われたいのですよね(笑)。小人なんだな。



参考: 山と伝承 
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/09/blog-post_20.html

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