Wednesday, January 30, 2013

『剣岳 点の記』を見ました☆


■ 『剣 点の記』 を見ました

図書館に行ったら、『剣岳 点の記』が貸出OKだったので借りてきました。なんたる偶然。

最近剣岳の遭難の話を聞き、特に興味がないので、尾根の名前や地名など知らなかったので、少々常識に欠けるかなぁと反省中でした。 なにしろ、登山者のあこがれの山ですからね。
登る気がなくても知ってるくらいは知ってても良いのかも。

普段、映画はあまり無理をせず、図書館で見れる範囲で、売れ残り専門で借りてきて観ます(笑)




■ 洗練されていておススメできます!

この映画は、今まで見た山岳映画の中では、ぴか一に洗練されていました!

と言ってもほとんど山岳映画見ていないのですが…(汗)

見た山岳映画は、次の3つ。

① 『岳』 = 超がっかり映画。
② 『運命を分けたザイル』 =大変シリアスなドキュメント。消化に悪いので食事しながら観るのはやめましょう
③ 『八甲田山』 =エライさんのプライドのために死ぬというやり切れない話。

とまぁこんな程度の知識なので… 比較も何も・・・(汗)って感じではありますが。

この『剣岳 点の記』は見た中では一番おすすめ!

だってね、メッセージが良い。

「人は何をしたか?ではない、何のためにしたか? それが大事なことだ」

「何のために山に登るのですか」という問いに答える、素晴らしい解だと思いました。

あとは映像がきれいでしたし、長次郎さんという強力さんが泥臭くてよかった。ただ剣岳は100年前の姿ではなく現代の姿であるのは・・・まぁ致し方ないところ?


■ 昔の山登りが垣間見える

舞台設定が明治40年なので、装備も古く、山岳会は出来立てで、軍隊なんかも出てきて、最近読んでいる山の古書の世界を彷彿とさせます。

平賀文男さんもこんな草鞋で雪渓を登ったのかしら?な感じ。 雨合羽は蓑だし…帽子もあるけど、強力さんはみな編み笠をかぶっていますし…テントのことは天幕と呼ぶ。

小島鳥水という名前は登山史にはよく見ます。で、映画の最初のほうでは測量隊となんだか初登を巡って敵対モード… このころからプチブルジョワジーな感じを漂わせ、外国製品をちらつかせる、お金持ちの道楽って雰囲気はあるんですね・・・。

今も山は、輸入ブランドvsユニクロワークマンみたいな構図はところどころあります。 

でもこの映画の良さはこの対立するグループが最後には「かけがえのない仲間」と互いを呼び合うことです。

■ 初登?

日本の登山の歴史って、初登が重要だったんですよね。

でも、日本って古くて小さい国…隅々歩かれているのが普通。

そんな小さな古い国に、バージンアイランドを女王陛下のために発見することに血道を上げた西洋的価値観を入れてしまった。 で初登が重要になってしまったんでしょうね。

私は、あんまり登山のことは詳しくないのもあって初登?それってそんなに重要?とポカンとするタイプです。だって日本だよ?みたいな(笑)

この映画でも、結局、登頂に困難を極めた剣岳の山頂に、な~んと錫杖があって結局は初登ではないのです。昔、行者様が来たことがあるんですよね。

で、登山を成し遂げた、登った、という価値が損なわれる…得られるはずだった栄誉も称賛も得られない。

・・・。

でも実は、登ったこと、その価値は損なわれないよ、そこが落ちで、メッセージです。

地図を作るため=市井の人々の役に立つため=困難を乗り越えた=称賛がなくてもいいじゃないか。

って構図です。

■ ああチャレンジ違い!

登山という行為はチャレンジのために登るんですが…一般の人から見ると、基本的に ”ああ!チャレンジ違い”という誤解を受けています。

チャレンジする対象が…登山をしない人は「自然を克服しようとする行為」が登山だと思っているが…実は登山をする人は「自分を克服しようとする行為」としか思っていません。

自然を克服しようとするのと、自分を克服しようとするのでは大違い!

実際、登山をすればするほど、自然は決して克服する対象なんざではないことを知る結果にしかなりません。

登山というのは、自然を畏れ、自然にひれ伏す行為なんです。 

そこんとこがねぇ…世間一般からは超誤解を受けている山…そういう風に誤解している人は多数のご時世・・・

とりあえず 『剣岳 点の記』 楽しめました☆ あまり勉強にはならなかったけど。


  尊敬する?町内の山 池上さんの辛口批評! そうなのか~

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